トップページへ 

いのちの営み探検部会報告

2019年9月の活動記録

実施日  : 2019年10月21日(月)

場所   : 烏帽子形公園

参加人数 : 16

 「どんぐりころころ どんぶりこ~♪」 公園内を巡ってドングリを集め、種を見分けて楽しんでみよう。日本にはドングリのなる木は20種類程あるそうだが、どれだけ見付けられるかな。【棘状の殻斗(帽子、お椀、パンツとも)はクヌギ・アベマキ、よく似ているので葉と樹皮で見分けよう。】【ドングリを包み込んでいる殻斗で、褐色で細長いのはスダジイ(イタジイ)黒褐色で丸くて小さいのはツブラジイ(コジイ)。】【鱗状の殻斗でドングリのお尻が凹んでいるのが2種類。茶褐色で砲弾のように細長くて葉が大きいのはマテバシイ。黒褐色で磨くとよく光るのはシリブカガシ。鱗状の殻斗に円柱状で細長い楕円形は雑木林で良く出会うコナラ。鱗状の殻斗に楕円形の葉が枝先に車輪状に付き、生垣に使われたり備長炭の材料であるウバメガシ。】【縞模様の殻斗はアラカシ・シラカシ、似ているので葉と樹皮で見分けよう。ドングリの先端部が膨らんでいる方がシラカシかな。】 直ぐに分かるのもあれば、同じ種でも形は色々と悩ましい。縄文時代には、あく抜きして主食としていたようなので、あくが少ないスダジイとマテバシイを食べてみると美味々々。この2種やツブラジイ・シリブカガシは生食でも美味しいようだ。時折、ドングリから脱線してキノコを見付け、「食べられるかな?」「毒があっても一度は食べられる!」と盛り上がる楽しい一日。

A:アベマキ B:スダジイ C:ツブラジイD:シリブカガシ E:コナラ F:アラカシ 調理(といっても炒っただけ)済みのドングリの味は? A:ハナビラニカワタケ B:ヒイロタケ C:カワラタケ D:カイガラタケ
         
         






2019年9月の活動記録

実施日  : 2019年9月19日(木)

場所   : 堺自然ふれあいの森(堺市鉢ヶ峰)

講師   : 川上新一先生(和歌山県立自然博物館学芸員)

参加人数 : 14

 粘菌講座第2弾。前回すでに粘菌についての解説、観察は学習済み。前回より容易に見つけられるに違いない!?秋本番を思わせる好天気の下、すぐに屋外での観察を開始した。しかし相変わらずの苦戦。進歩は見られないようだ。やっと発見。まずはツノホコリとエダナシツノホコリ。触れてみるとゼリー状。しっとり感がある。つづいてウツボホコリ達。紅白で。白はシロウツボホコリ。ところが、赤はアカウツボホコリとは言わないそうだ。何故???最初に赤い方を見つけ、ウツボホコリと命名した。次に白が見つかり、区別する為に頭にシロをつけたのだろうとのこと。続いてムラサキホコリとオオムラサキホコリ。風にゆらゆらなびいている。子実体を指ではじくと、胞子が飛び出てゆらゆら。なるほど!こうやって胞子が飛散するのか。風の通り道が好きらしい。大きな朽ちた倒木で発見できることが多い。少し観察ポイントがわかってきた。落ち葉も観察ポイントとある。周りは無数の落ち葉なのに、全く粘菌が見つからない。見つければ褒美をとのことだったのに。残念!!しかし、今回はついに粘菌生活環の一つ、変形体を発見。鮮やかな赤色の変形体だ。アカモジホコリのできたて変形体かもしれないとのこと。周囲には変形体が這った痕跡も観察できた。しかし、その後驚きの事実を知った。観察から約2時間後、先程の変形体を再度確認しようとしたところ、一瞬確認できない位、色も褪せ、薄く張り付いた感じに変化していたということだ。私達が観察したことで、環境の変化を感じ、菌核となって劣悪な環境から身を守ろうとしているらしい。何と敏感な。一体どんな感覚を持って生きているのだろう。興味は尽きない。又来年も是非観察の機会を持ちたい。

シロウツボホコリとウツボホコリ。子実体。 子嚢の中には無数の胞子と糸状構造(細網体)がある。 ムラサキホコリ、オオムラサキホコリ子実体。 風の通り道が好き。風にゆらゆらしながら、胞子を飛ばす。 右図:胞子が抜け去った後の空っぽの子嚢が見える。 
         
 アカモジホコリ?の変形体。できたてらしい。これから大きな変形体に成長, そして子実体に。変形体がアメーバー状に移動した痕跡も確認。右図:観察したいろいろな粘菌子実体。        







2019年7月の活動記録

実施日   : 2019年7月15日(月)

観察場所   : 光明池緑地

参加人数  : 25名

 歩道脇のミヤコグサを横目に見て、イヌビワの中のイヌビワコバチに出会うのを楽しみに遊歩道へ。イヌビワは雌雄異株。雌株には雄花がなく雌花のみ、雄株には雄花と雌花がある。イヌビワの「実」にみえるが中には花の集まりがあり「花嚢(かのう)」という。梅雨の頃、雄株の花嚢の中で育った幼虫が蛹を経て羽化してくる。先に雄バチが羽化(翅は退化してない)し、まだ羽化していない雌バチと次々と交尾。その後、外へ出ることなく花嚢の中で一生を終える。一方、雌バチは羽化した後、出口近くの雄花の花粉を体に付けて外界へ。産卵に適した花嚢を見付けると中に入り、雄株なら、雌花の雌しべが短いので産卵管が子房に届き産卵。この後、孵化して冬の間も枝先に花嚢を付け続けイヌビワコバチの幼虫の冬越しの場になっている。雌株なら、雌花の雌しべが細く長く、産卵管が奥に届かなく産卵できない。だが、花嚢の中を動き回っている時に体に付いていた花粉が雌しべの柱頭に付き、イヌビワは受粉をし秋には実が熟し、動物や鳥に食べられタネを遠くへ運んでもらい子孫を残す。けれども雌バチも卵はお腹に残したまま外界へ出ることなく命を終える。 イヌビワとイヌビワコバチの共生生活。この関係は複雑だけど面白くもあり感嘆する。イヌビワはイヌビワコバチがいなければ実をつけることが出来ないし、イヌビワコバチはイヌビワがいなければ死に絶えてしまう。互いの進化の過程でこのような形態を選んだのだろう。いのちの営みは、不思議がいっぱい。
  幾つかイヌビワの実を割ってみたが、雄バチの生きている姿は少なく、雌バチには出会えず残念な結果となった。また、イヌビワの中へは、イヌビワコバチだけでなく、イヌビワコバチに寄生しているイヌビワオナガコバチや、イヌビワシギゾウムシが、産卵するようである。これらは、共生でなく片利共生かな? 







2019年6月の活動記録

実施日  : 2019年6月25日(火)

場所   : 堺自然ふれあいの森(堺市鉢ヶ峰)

講師   : 川上新一先生(和歌山県立自然博物館学芸員)

参加人数 : 26

 粘菌は不思議な単細胞生物。普段はアメーバ状で、動き回って捕食。アメーバ動物状態である。時にはキノコのような子実体となり、胞子を作る。私達の身近なところに沢山生息とあるが、普段はその存在に気づくことはほとんどない。是非この目でその存在を見てみたい。川上新一先生にご指導をお願いした。午前は座学。粘菌の生活環、分類などの説明を受けた。子実体の形は多様で、とても可愛い。アメーバ状変形体は迷路を最短距離で抜ける能力があるらしい。午後は粘菌との出会いを求めてふれあいの森内に観察に出かけた。座学で得たイメージを下に朽ち木の破片、枯葉の表面など丹念に探す。なかなか見つからない。“おめでとうございます”と先生の声。やったー!! 見つけた。ルーペをのぞき、やっとこの目で確認。あまりにも小さく、かわいいことに興奮、感動した。5種類の子実体が観察できた。変形体は観察できず、残念。6月末というのに晴天続きで乾燥していたせいかもしれない。次の機会にはもっと多くの子実体と、不思議な変形体に出会えますように。

やっと見つけた小さな粘菌子実体を皆で集まって観察中。 朽ち木にびっしりと生えたシロウツボホコリ。指の大きさと比較。 今回見つけたいろいろな粘菌子実体。どれも個性的。






2019年5月の活動記録

実施日   : 2019年5月21日(火)

観察場所  : 府立花の文化園

参加人数  : 21名

 「食虫植物」は世界中に約500種が知られていますが虫などを巧みな「ワナ」によって捕らえています、その代表的な方法「落とし穴式」「とりもち式」「わな式」 それぞれを持つ植物を観察しました。
  ウツボカヅラやサラセニアなどは壺をのぞき込んで虫を探したり壺内の溶液を舐めてみたり(かすかに甘い感じ)文化園職員の協力で珍しいハエ取り棒のようなヤツマタモウセンゴケや触覚に触れると僅か0.5秒で虫を捕らえるハエトリソウに驚いたり・・・・  錦織公園と同じ環境の散策路ではコモウセンゴケの観察をしながら初夏を彩るヒメサユリやネジキ、ツツジの花を見ることができました。

ウツボカズラ  葉の一部が袋状や筒状で、落とし穴のようになっています。 ヤツマタモウセンゴケ  葉の表面にネバネバした毛があり、粘着シートのようになっています。 ハエトリソウ   触覚に触れると0.5秒で葉を閉じ、虫を捕らえます。
   
 観察中の様子  ハエトリソウの閉じる瞬間を見つめています。    ユリの木の花  他に観察した植物 モクレン科ユリノキ族別名半纏木 黄色の花が美しい    ヒメサユリ  他に観察した植物  ユリ科ユリ属淡い紅色で可憐、香りも良い。







2019年4月の活動記録

実施日   : 2019年4月15日(月)

観察場所   :  金剛山登山口周辺

参加人数  : 25名

『カテンソウの花は/きれいな色の花びらも/蜜もない/だから虫も/きてくれない/ばねじかけの雄しべが/ピッチング・マシンのように/花粉をほうり投げる』(詩:埴沙萠) 2年越しに気になっていた埴沙萠さんのビデオ映像のような花粉散布の観察を期待して・・・・・。観察時間に、陽射しや温度などの気象条件、植物の成長度にも左右されたのか、望みはかなわず。あのような世界を見るには、ジックリと待つ根気と忍耐力、気持ちの余裕、見る事や知る事への情熱・好奇心、植物への愛や興味、それに準備を要する。花粉の飛散は見られなかったが、配布してもらった資料を参考に花粉をほうり投げる姿を想像して満足しよう。それにしても、花はいかに効率よく受粉させるために、色々な方法を作り上げているものか。「花の性」には不思議・驚きが一杯。暖かくなり、本格的に目覚めた多くの新芽も成長し、若葉も大きく広げているなか、色んな樹木や草花も充分に楽しめた散策でした。

カテンソウ(イラクサ科、雌雄同株異花で花期は3~5月。茎の上部に立ち上がる花柄に、数個の7mmほどの雄花の5ツの雄しべが順次はじけて花粉を飛ばすが、今回確認出来ず。) A:キケマン(ケシ科、花は後方に距があり長さ1.5cmほど。) B:ショウジョウバカマ(ユリ科、花色は変化が多くまれに白花もある。葉の先に小さな苗を作ることもある。) C:トキワハゼ(ゴマノハグサ科、花は淡紅紫色で長さ1cm程、ムラサキサギゴケと違い春から晩秋まで見られる。)D:ヤマブキ(バラ科、山吹色の語源。)E:モミジイチゴ(バラ科、木苺の代表種で初夏になる果実は美味。)







 

2019年3月の活動記録

施 日 : 2019年3月18日(月)


観察場所 : 錦織公園(富田林市)

参加人数 : 15

  アカメガシワの若葉はなぜ紅い?それは、抗菌作用や虫を寄せ付けない作用があり、葉緑体の発達促進や、発達中の葉

緑体を紫外線から身を守る赤い色素(アントシアニン)を含んだ葉の表面にある星状毛のため。表面を擦り取ると緑の葉が出

てくる。その様などを観察しようと・・・・。アレッ、未だ若葉は出ていない。やはり桜が咲いた後の四月中旬を過ぎないと駄目か

!●ソメイヨシノの花芽の先がほんのり緑色。中を見ると三つの蕾が。健康で元気な桜なら六つ以上あるとか。●長い三本の

松葉と刺のある大きな松ぼっくりが落ちている。三葉の松は、現在の日本では自生していない。此処にあるのは、北米原産の

テーダマツだろう。●ヤマモモは雌雄異株。それなら、雌株と雄株はどう違う?●ネコヤナギやコブシは、陽の光をいち早く受

ける南側の花や花序が急に膨張する結果、蕾や花序の先端が北を指し、方向指示植物といわれる。本当かな?●コモウセ

ンゴケは、どのようにして虫を食べるのか?5月の「食虫植物の観察会」のお楽しみ。●今回も、なぜ、どうして、こうだから等

々と思考し、また、特性を知って植物を見ると今迄とは違った面白さや不思議な事を見付けられ充分に楽しめた

テーダマツの葉は長さ10~15センチ、球果は長楕円形で長さ5~12センチ。ダイオウショウだと葉の長さ30~50センチ、球果は15~20センチ。 ヤマモモの観察時には、まだ雌花や雄花が目立たなかったが右上の様に赤っぽくなる。ネコヤナギは、花穂は雄花が雌花より大きい。 コモウセンゴケは湿地に生える多年草、葉に腺毛があり粘液で虫を捕える食虫植物、花期は69月。大阪府の準絶滅危惧種。  







 

2019年2月の活動記録

施 日 : 2019年2月18日(月)


観察場所 : 宮ノ上公園(和泉市)

参加人数 : 24

  春の兆しも感じられますが、この冬をどのようにして草花や虫たちは乗り切っているのか観てみようと、公

園内を探索。秋に発芽した植物の多くは、特徴的な姿で冬の寒さをしのいでいる。茎を伸ばさず株の中心から

葉を重ねないように放射状に地面を這うように広げている。これをバラ(ローズ)の花に見立て「ロゼット」

という。どの様な利点があるのだろうか。①地表は温度変化が少なく寒さや乾燥をしのげ、冷たい風の影響が

少ない。②葉を重ねずに大きく広げているので太陽光を効率よく充分に受けることが出来る。③春暖かくなっ

てから発芽する植物より早く成長を始め、背丈を伸ばし他の植物の陰にならない。④オオバコやタンポポは、

冬だけでなく一年中、ロゼット状態で過ごす。これにも、利点がある様。葉だけが地表面に展開するこれらの

植物には、芽を持つ茎がない。葉を作る芽は、地表面と同じくらいの高さにあるため、動物がこれらの芽を食

べ尽くすのは難しい。葉は食べられても芽は残る。残った芽からまた葉が生えてくる。成程。昆虫など小さな

生き物も厳しい冬を、卵・幼虫・さなぎ・成虫の状態で、最適な対策をして乗り切っているようだ。楽しく

、知的刺激に溢れた観察でした。今期を振り返り来期の展望を検討する会議の為に、藤岡理事宅へ移動。会議

はアッという間に終わり、その場はライブ会場へ、演芸場へ、食事を伴うパーティ会場となり、無事終了。

 
 
色んな形がありますがロゼットを見ただけで種が分かりますか? 答えは、最後の写真のコメントに オオカマキリの卵のうを半分に割ると F:卵の中には当然カマキリが G:マーブル模様のイラガの繭 H:ヨコヅナサシガメの幼虫の集団越冬、4月頃に成虫に 懐かしの昭和の青春ソングの大合唱と、驚きと不思議いっぱいの大マジック (答A:オオバコ B:ナズナ C:ハハコグサ D:カラスノエンドウ)







2019年1月の活動記録

施 日 : 2019年1月21日 (月)


観察場所 : 金剛山

参加人数 : 18

  枯草に華が咲く、それも氷の華。昨年は残念ながら観察出来なかったが、「シモバシラ」ではなく「アキチョウジ」でなら、

金剛山では見ることの可能性は大きい。シソ科の花は、立ち枯れても根はまだ元気で保水能力を持っている。気温がマイナ

スになると、根から吸い上げられた水分が、地上の茎の部分で凍り、茎の表面を破って氷の結晶となり、時間の経過とともに

様々な形の霜柱に発達。見事な氷のオブジェに感動、まさに立派な芸術品です。この時期なので、咲いた草花には出会わな

かったが、動物の劣化した頭部の骨(下顎骨は無し)を発見。切歯の特徴等からウサギの骨だ。上顎骨には犬歯(牙)がなく

、切歯(門歯)が前後に重なる2対で総数4本。本来、臼歯が6対で総数12本だが、1対欠けている。ちなみに、下顎骨には、

切歯の後の歯がなく2対で総数2本、臼歯は5対で総数10本。全て揃っていれば上下で28本。歯は哺乳類の種を同定するう

えで大切な部分のようである。最後に、ちはや園地で、ヤマガラに餌のプレゼントを渡し、楽しい時を過ごした。

 






2018年12月の活動記録

施 日 : 2018年12月17日(月)


観察場所 : 伊丹市昆虫館

参加人数 : 17

  熱気と花のむせる様な匂いのチョウ温室の中には、約181.000匹の可憐なチョウが乱舞。普段あまり見ない産卵、幼虫

、蛹、羽化の様子を目にすると、「いのちの営み」の神秘的で不思議な美しさとともに新鮮な驚きと発見がある。それに、種に

よってデザインの異なるチョウや卵や蛹は、まるで小さな宝石や工芸品・装飾品の様。 観察中、チョウとガの違いの質問あ

り、例外もあるが一般的には、①チョウは昼間しか飛ばなく目で花や葉を探し、異性も目で探す。ガは雌の放つ特殊な匂いに

魅かれて異性を探す。②チョウは羽を畳んで静止、ガは開いたまま。③触角がチョウは棍棒状、ガは羽根状。④チョウは色彩

や斑紋が派手、ガは地味。⑤樹液に集まるのはガが多い。しかし、ともに学問的には昆虫網鱗翅目に属し分類学上は意味

がないようである。勿論、チョウだけでなく様々な昆虫や標本類、アフリカ・熱帯アジアや日本のカマキリ15種程の企画展「さい

きょうのかまきり展」も楽しみ、最後に館員の指導で、当日に蛹から羽化したばかりのチョウをカップから自分の手に乗せて放

蝶すると・・・優雅にヒラヒラ、フワフワと。その時の表情は全員ニコニコと笑顔で堪能し、昆虫館を後に。昆虫親爺と昆虫乙女

は、今年の部会の反省をする為に(?)チョウにならって、お酒というミツを吸いに梅田に寄り道して帰途へ。


 
 A; アサギマダラ  B; カバタテハ(南西諸島に分布) C; ナガサキアゲハ  D; リュウキュウアサギマダラ(南西諸島に分布) オオゴマダラ(南西諸島に分布)が食草ホウライカガミの葉裏に産卵/卵(1mm位)/幼虫/蛹  E; コノハムシ、葉っぱそっくりの昆虫。何処に居るかな?東南アジアに分布(植物防疫法により生体の輸入禁止) F; カマキリ(チョウセンカマキリ)。チャーミングな顔に大きな複眼。来季に「昆虫の複眼の秘密」調べ、お楽しみに!!







2018年11月の活動記録

施 日 : 2018年11月19日(月)


観察場所 : 松尾寺公園・松尾寺周辺(和泉市)

参加人数 : 14

  野山を歩くと、衣服にくっつく厄介な「ひっつき虫」子供時代には、遊び道具としたものですが・・・・。今回は、それらの様々

な仕組みを観察。「ひっつき虫」は種子の旅立ちの方法の一つ「動物散布」の「付着散布」になります。オナモミ類等の先が丸

まった「かぎ爪型」、センダングサ類等の鋭い刺に「返し」がついて抜けない「刺毛型」、メナモミ類やチヂミザサ等の粘液が

付いた「粘着型」、イノコズチ類等の実に「返し」があり刺さると抜けない「クリップ型」など・・・・。 これらの植物の共通点は、

果実を食べる鳥や虫など動物から目立たないために果実の色が地味なこと。また、人や動物に触れる様に草丈は1m位まで

。それに、枯れても倒れず立ち続けて果実も茎から離れない。ウーン!!成程、感心、うまく出来たものです。動けない植物

の手段であり、植物の生存戦略なのだから、くっついても大目に見て許してやろう。それにしても、見かけるのは「外来種」が

多い、「在来種」はどこに行ったのか、『在来種、頑張れ!!』


「ひっつき虫」と部会参加者の勢揃い。 オオオナモミ・・・先が丸まった「かぎ爪型」の刺がついている。 コセンダングサ・・・はさみのような形の刺に逆向きの「刺毛型」の硬い刺がついている。







2018年10月の活動記録

施 日 : 2018年10月15日(月)


観察場所 : 流谷・ボ谷林道周辺(河内長野)

参加人数 : 17


  植物は、発芽すればその場から移動しない。移動できる生涯一度のチャンスがタネの時。広く散布するための様々な構造や仕組みを見てみようと、種子散布方法の一つ、自分自身でタネを飛ばす自力散布を観察に流谷へ・・・。【ツリフネソウ】果実が熟すと、ちょっとした刺激でタネを包む外皮が5片に弾けてコイル状になり、その反動でタネを弾き飛ばす。その距離2~3m。【ゲンノショウコ】果実が熟して乾くと中心軸で5つに分かれ、まくれ上がってタネを弾き飛ばす。その距離約1m。タネを飛ばした後の形が、神輿を連想させるから「ミコシグサ」とも。【ヤブツルアズキ】果実が熟するにつれ、緑色から黒色に変わりサヤは皮がねじれて音を立てて割れタネを飛ばす。最後に、タネに毛や翼を持ち風に乗り飛んで行く風散布の植物、大正時代に観賞用として導入され繁殖力が旺盛で野生化して各地で増えている【タカサゴユリ】も観察。 タネを飛ばす植物は、それぞれに巧みな工夫をし、驚くような方法で、子孫を残すための戦略を持っている。“あっぱれ!お見事!”感服しました。来月は、動物等に付着して散布されるタネの観察、お楽しみに!!

右側の写真はツリフネソウコブアブラムシが作った虫こぶ(虫えい・ゴール)葉の縁が表側に折りたたまれ、葉の縁が合わさり袋状になっている。中には沢山のアブラムシ。 春の花のスミレのタネが今頃?これはスミレの閉鎖花で出来たタネ。サヤが三つに開き両側から押されて弾き出す。カタバミは、熟し乾燥すると5裂し多数のタネを弾き飛ばす。 熟し乾燥すると3つに裂けるが、側面は筋が残っていてタネの出口は上しかない。茎が風に揺れ、弾き出されたタネには翼があり風に乗って飛散する。どれだけのタネが入っているのか?







2018年7月の活動記録

施 日 : 2018年
7月16日(月)


観察場所 : 新檜尾公園(光明池駅北側)

参加人数 : 19


  梅雨も明け暑い日がやってきた。こういう時は夜の観察会。「生きた蝋細工-セミの羽化-」を見ようと公園

へ。日没直後に地中から幼虫が出る前に、セミの一生・生態等の説明、背中が割れ始める迄に光を当て続けない等

の注意点を聞きスタート。暗くなるにつれ何処から出てきたのか地面や樹上を歩く姿が、既に背中が割れ始めてい

るのもチラホラ。見付けた度に大きな歓声とどよめき。日本のセミの命は「地中で7年、羽化して1週間」は誤り

で、種により栄養状態や環境条件で、「地中で2~7年、羽化して2~3週間」といわれる。暗くて長い地下生活

から束の間の地上生活への旅立ち・儀式=羽化。蝋細工の様な白い透き通った体は、セミの一生で最も美しい時。

その瞬間の感動を共有することが出来、「小さないのちの営み・いのちの不思議・いのちの神秘・いのちの荘厳」

に触れたひと時でした。さあ、自宅庭先へ、公園へ行ってみませんか。



上段:羽化のプロセス 下段左:「幼虫は何処に・・」 下段右;「体が出てきた!出てきた!」カシャ♪・カシャ♪ のコメント:逆さまから体を起こし、殻につかまり、腹部を抜いてぶら下がり、翅がだんだん広がる。(この間:約30分) 左側・右上段:アブラゼミとクマゼミの抜け殻の違い 右下段:セミのメスとオスの違い(全てのセミ共通)







2018年6月の活動記録

施 日 : 2018年
6月19日(火)


観察場所 : 河南町中  中村公園付近

参加人数 : 20


  今にも降り出しそうな梅雨空の下、畦道より網をのばし、水田に生きる生物を採取した。ホウネンエビ、カイ

エビ、カブトエビ、アメンボ、オタマジャクシ、ヒルなど。根に隠れる小さなプランクトンも見ようと水中に伸び

る植物の根も採取した。後で顕微鏡で覗いてみよう。今日の1番の主役はホウネンエビ。
「大発生する年は豊年

になる」という言い伝えがあるという。
田植え後23週で発生、ひと月後には交尾、産卵し、濃縮された短い

一生を終える。興味深いのは、その泳ぎ方。水田では常に背泳ぎだ。何故???水田持ち主であり、今回の指導者

である土井さんによると、どうも光りに反応するらしい。餌となるプランクトンが光のあたる水面に多いからとい

う説もある。皆でホウネンエビをつかまえ、ビーカーに入れて光りに対する反応(走光性)を検証した。部屋を暗

くし、赤、青、黄、昼光色のLEDで照らし、ホウネンエビの行動を観察する。過去の実験では、青色光に向かって

移動、赤からは遠ざかる傾向にあったそうだ。
しかし今回は反応が悪い。我々シニアの熱気に押され萎縮したか!

?
 こちらの予測通りには進まない。これも自然と自分を納得させた。長年観察してきた土井さんは、今年は例年

に較べホウネンエビが少なく、動きも悪く、何か変という。生態系の変化が関係しているかもしれない。水田で見

た、一見美しいジャンボタニシのピンク色卵が不気味に思える。午後は近つ飛鳥風土記の丘に移動。昼食後、雨が

降り出し一旦終了とした。希望者は古墳群の中を散策し、野鳥の声に耳を傾けた。

 
 
さあ、水田生物を採取しよう。指導者土井さんの説明を聞く。 ホウネンエビ。いずれも、お腹を水面に向け、背泳ぎ状態。 顕微鏡下でプランクトンをさがす。アオミドロ発見。盛んに動き回る動物性プランクトンも。
         
 ホウネンエビに光を当てて走光性の観察。お願い、動いて!!    ジャンボタニシ(食用に輸入されたが現在は稲の茎を食べる害虫)    ジャンボタニシの卵(きれいな桃色卵の間は茎や柵の上についています)







2018年5月の活動記録

施 日 : 2018年
5月21日(月)


観察場所 : 岩湧山・四季彩館周辺

参加人数 : 24


  午前には、雌雄異株で栄養状態により性転換するテンナンショウ属の「マムシグサ(テンナンショウ・天南星

)」や、前回に観察した「ユキモチソウ」と同じ仲間の「ムロウテンナンショウ」を探し出して、雌株と雄株はど

う違うのか?どうやって昆虫をおびき寄せるのか?花序を縦に切り取り観察。午後からは、「カタツムリ(マイマ

イ)」の観察。殻は右巻き左巻き、口は、歯は、肛門は、呼吸は?と色々な疑問点の答を考え推理しながら参考資

料を元に解決。殻の中は?取ったらどうなるの?心優しい人ばかりで解剖できず。殻は本体と一体のもので、筋肉

でしっかりと繋がり、中に内臓などの器官があるので、殻から無理やり引き出せば死んでしまう。
雌雄同体のカタ

ツムリは、互いに精子をやり取りして交尾した両方が産卵。又、交尾せず単独でも受精卵を産み出す。移動範囲が

狭く互いに出会う機会が少ないし、例え産卵しても無事に育つかわからない。より確実に、より多くの子孫を残す

戦略なのか。テンナンショウ・カタツムリ、どちらも子孫を残すために色々な工夫をしている。「いのちの営み」

‥‥‥神秘的、不思議、驚き、感嘆。


 
蛇の鎌首のように見えるのは、花序を包む葉(総苞)が変形したもので仏炎苞。葉は、側小葉の柄が分かれることを繰り返して大きな「鳥足状複葉」を作る 雌花は子房だけが沢山集まっている。仏炎苞の中に入った虫は出られないので虫の死骸が多い。雄花は多数の雄蕊から出来ている。若いときは雄株で、成長して球茎が大きくなると雌株に性転換する。 殻にある線の数で、およその歳がわかる(写真は、春から夏に生まれて2回の冬を越している)。大触角には目があり明暗は感じるが、物の像は結ばない。小触角は味覚や嗅覚を分担。







2018年4月の活動記録

施 日 : 2018年
4月17日(火)


観察場所 : 府立花の文化園

参加人数 : 18

  薄曇りから晴れの好天に恵まれ観察日和となりました。年度初めということで参加者一同自己紹介に始ま

り年間計画の説明後「虫媒花の観察」に入りました。ヒメカンアオイやハランの地上すれすれの花と花粉を

運ぶキノコバエの関係。その後ユキモチソウの可愛い姿に感嘆、残忍な受粉生態の話に驚きました。クマガ

イソウの花姿や花期には20000個も花をつけて蜂を集めるエキウムに感心しました。初夏を感じる植物園では

色とりどりの花が咲き草木の生命力に感動した一日でした。

 追記:水芭蕉の果実を少し舐めてみましたが舌がヒリヒリ!シュウ酸カルシウムを含み毒草だそうです。

熱のこもった世話役の説明を聞き入る部員達。カトレアは花弁に昆虫を引き付ける色々な模様を表現して誘い込む。 両種共に主としてキノコバエが花粉を媒介。カンアオイ等のウマノスズクサ科の植物の花の中にハエが蜜を吸いに入ると、口を狭くして体に花粉を付きやすくする。 ユキモチソウの雄株やクマガイソウでは昆虫が苞や唇弁に入ると戻れなくなり、もがき動き回るうちに花粉まみれで出口を出て、別の花の雌蕊に花粉を付ける。だが、ユキモチソウの雌株に入ると出口なく死んでいく。哀れ!







2018年3月の活動記録

施 日 : 2018年
3月19日(月)


観察場所 : 松尾寺周辺の農道

参加人数 : 16

 今回は、オオイヌノフグリ(明治初年に侵入してきた欧州原産の帰化植物の一日花)とツクシ(スギナ[

ダ植物]の生殖茎であり、スギナは栄養茎[光合成を行う器官])を主として、早春の野草を観察。植物の生

態・生活史等を前もって調べた知識を準備して観察すると不思議な姿や、その原因・理由が良く解る。只、

時季と時期や天候によって、此方の望みの現象が見られるとは限らないのが残念ではある。それにしても、

ルーペで見ると小さな花弁やツクシの頭の形や構成は複雑・繊細で、しかも個性豊かで思いがけない美しさ

を発見できる。
天候の都合もあり早めに切り上げ、藤岡理事のお宅でツクシの胞子の顕微鏡観察。乾湿の差

により、胞子のダンスが見られたのには感動。その後、今期の反省会と来期の展望について活発に話し合い

、色々な意見と提案があり有意義な日となりました。

オオイヌノフグリ=朝開いて夕方には閉じて落下。虫を誘う虫媒花、もし虫が来なかったら・・・大丈夫。夕方、花の命が終わる頃、2本の雄蕊が湾曲して葯は雌蕊の柱頭にくっつき自家受粉する。成程! ツクシ=4本の弾子(2本だけど、1本の糸の真ん中が胞子に付いている)が湿ると弾子は丸まって胞子に巻き付き飛びにくく、乾燥すると弾子が伸びて、胞子嚢が破れて風に乗って散布する。成程! 農道沿いの草花。ヤワゲフウロは、欧州原産の帰化植物のようです。







2018年2月の活動記録

施 日 : 2018年2月20日 (火) 


観察場所 : 府立花の文化園

参加人数 : 17

●気温が氷点下になる冷え込みの強い日に、枯れた茎の根元にできる氷の花(結晶)、シモバシラ(シソ科

の多年草)の霜柱。当日の気温等の条件が悪く観察出来ず。●フクジュソウ(キンポウゲ科の多年草)は、

夜や曇の日には花弁が閉じ太陽が出て気温が上昇すると開く。日光ではなく8~10℃の温度を感知して花

の開閉を決めている(傾熱性)。地上部全体が太陽の動きに合わせ回転(向日性)をし、パラボラアンテナ

の様な花弁で太陽光を真正面から浴び、熱を集めて花の内部の温度を外気温より8℃近く高める。それによ

り花粉の発芽や花粉管の伸長、種子の成長が促進される。しかも、早春の寒い時期には昆虫の活動能力は低

下、熱を報酬として与え訪花昆虫(この花には蜜が無いのでハナバチでなく、ハナアブ)を誘引することに

より結実成功率が高まる。また、タネはスミレやカタクリ同様、アリが好む成分(エライオソーム)を持っ

ていてアリ散布でも運ばれる。
いのちの永続の為に植物は色々な仕組みを持っている事や花と昆虫との関係

には、驚嘆、見事、納得!!


シモバシラの霜柱。来季に再度、時期・場所を検討して実施。乞うご期待を。 写真はフクジュソウですが、リュウキンカ(キンポウゲ科の多年草)でも同様の結果を得る。 公園内の春を告げる草花と樹木。ロウバイは内側の花弁が赤茶色、ソシンロウバイは黄色一色。







2018年1月(特別部会)の活動記録

施 日 : 2018年1月28日 (日) 


観察場所 : 大泉緑地

参加人数 : 12

 1月の通常の部会は休会とし、今回は「加呂登池自然クラブ」の定例作業(巣箱調査)の一部分に参加さ

せていただく特別部会となりました。午前中はクラブ代表の佃先生の指導の下、巣箱内の調査・点検や老朽

化した巣箱の交換を行う。巣箱の中には、シジュウカラやスズメの子育て跡や、冬越しをしている昆虫など

の観察という珍しい体験や発見、また、詳しい話をも聞く事が出来ました。午後からは、モズが冬場の食物

不足のために備えているという、尖ったものに獲物を串刺しにする「モズのはやにえ」と、セミが昨夏に産

卵管を木にさして作った穴に産卵した「枯れ枝」を探し求めました。枯れ枝を持ち帰った方には、梅雨時期

に孵化し地面に潜り込み、幼虫として地下生活を3~6年(日本の場合)。その後、穴から地上へはいだし

羽化して成虫になるまで経過をみて欲しいのですが・・・・・。








2017年12月の活動記録

施 日 : 2017年12月18日 (月) 


観察場所 : 錦織公園

参加人数 : 16

 冬の寒さも本格化。樹木の冬越し準備を観察に公園でツリーウオッチングを楽しみました。この時期、葉

がなく枝張りの状態が見通せ、樹形もよく解り果実も目立ってきます。冬芽、この中では生命再生の力を蓄

えて、「いのち」が躍動する春への準備を整えています。冬芽は厳しい冬を乗り切るための「いのちのカプ

セル」。そのため、それぞれに工夫を凝らして自らを護る防寒()着をまとい春を待っています。落葉樹は

、葉を落とし水分の消耗を防ぎます。その後の葉痕、ジッと見ていると人や動物の表情の面白いイメージが

表れてきます。冬芽と葉痕、色々なデザインがあり個性豊かな姿形をしている。冬の植物観察に、他の季節

と違った興味あふれる新しい見方・愉しみ方・遊び方を発見できたようです。


 
頂芽=枝の先端より展開した後、枝または花を出す冬芽。側芽=頂芽を除いた、枝の途中になる冬芽。維管束痕=葉痕の中に見える維管束の断面。 冬芽は、葉の変化した芽鱗の重ね着、樹脂物質でコーティング、毛皮をまとってと、乾燥や寒さに耐え、病虫害から身を守っています。葉痕は、サル・ヒツジ・王様・笑顔・怒顔・驚顔などに見えますか? ツバキは、雄蕊が筒状になり根元が繋がっていて花弁と基部で合着しているので、花ごと落ちる。サザンカは、雄蕊は繋がらず花弁も合着していないので、花弁が一枚ずつ落ちる。







2017年11月の活動記録

施 日 : 2017年11月20日(月)


観察場所 : 岩湧山

参加人数 : 15

 「風が吹く。ススキの種の旅立ち、乱舞を見よう!」と岩湧山へ。一月前の台風により当初計画コースが

通行止めの為「急坂の道」を選択。進むにつれ霙混じりの雨から雪の中を頂上へ。だが、眼下の風景は何も

見えず、直ぐ下山。四季彩館で、イネ科植物の特徴やススキの穂の詳細を学習。綿毛の様に飛んで行くタネ

になぜ刺のような芒(のぎ)があるのか?動物からの捕食を逃れる為や、体や衣服に付着する為という。タ

ネは、植物が存続する為の役割を担うので、色んな手段を使っているのだと感じる。ススキのタネの旅立ち

は見られなかったが、替りに持参したガマの穂からの綿毛を見て盛り上がりました。又、カヤネズミの巣が

見つからなかった。岩湧山の茅場は無くならないが、河川改修や開発による草地環境の悪化で、大阪府のレ

ッドリストでは、準絶滅危惧種に選定されている。河川敷や農耕地の草地を大事にしていきたいものです。

「ウーッ寒い」雪の降る中、笑顔で記念撮影。参加者一人居ないなあ。 この時期、この場では見られる種が少ないですが。 ススキとオギの小穂の違い。ガマの綿毛の旅立ち。







2017年9月の活動記録

施 日 : 2017年9月19日 (火) 


観察場所 : 烏帽子形公園

参加人数 : 18

 「キノコの胞子の飛ばし方=胞子の舞を楽しもう!」という事で、公園内でキノコを求めて散策。キノコ

は余り見付からず。「ノウタケ」は、成熟すると無数の皺が出て脳のような形状になるのが名前の由来、肉

はマシュマロのようで、時間が経つと外皮が破れ胞子の塊になり、完全に熟すと粉状の胞子になり飛散する

という。さて、理屈では理解し、又、ネット検索すれば画・映像は簡単に見られるが、自分自身の眼で、直

接キノコの現象を見てみようという今回の目的の「胞子紋」は鮮明に出ました。「胞子の舞」は、現地で観

察装置を設けて試しましたが、風等条件が悪いのか、キノコの胞子が少ないのか、未成功。前もって試みた

時には成功したのですが、絶妙な胞子と光の芸術。胞子がユックリと拡散され、川の流れ・霧・オーロラの

様にも見え、幻想的な光景に魅了されたのですが・・・・残念。機会があれば、もう一度チャレンジ。

 
「ノウタケ」は中華スープの具、「ハナビラタケ」は歯応え良く酢の物・炒め物に、美味らしい。 キノコの胞子はグループごとに、形態・大きさ・色彩が違うので、「胞子紋」はキノコの指紋のようなモノ。 暗い部屋でキノコの背面を黒くして、向こうから光を当てると「胞子の舞」が見られます。試してみては。







2017年8月の活動記録

施 日 : 2017年8月21日 (月) 


観察場所 : ノバティホール(3階会議室)・河内長野市加賀田付近

参加人数 : 18

 連日の猛暑と強い陽ざしを避ける為、今回は「カラスウリ」の開花の様子を観るため夜の観察会。午

後2時より
室内で、野山に生えるつる性の多年草、雌雄異株、白い繊細なレースを広げたような形の

花で日没後
に咲く一日花、花粉の媒介はスズメガの仲間との共生関係である虫媒花、若い実は緑色に

縞模様のうり坊で
秋には朱赤の実になり、種はカマキリの頭や打ち出の小槌に見える等の知識の確認と

習得。それと、「カラ
スウリ」は、体内に「生物時計」を持ち、咲くべき時刻を把握しているという。

ならば、箱の中に入れて早
目に暗くしてみればどうなるかという実験の実施。結果は屋外の花より早目

に咲きました。暗くせずに光を
与え続けるとどうなるか?この実験はしなかったが、屋外の花より遅く

咲きます。「生物時計」で調節され
ている現象が、光や温度の影響を受けているようです。午後6時頃

より現地で観察開始。既に雄花は咲き始
め、スズメガの仲間による受粉の確立を良くする為に、後に雌

花が咲くのも確認。残念ながら、蛾がホバリ
ングしながら花粉の媒介をする様子は確認出来ず。一夜の

みに生きる真夏の夜の花、闇に向けて命を輝かせ
る妖しい花、一度見ると忘れられない感動があり、堪

能もし、科学する心を持って楽しみました。



3時頃に箱に入れると、5時過ぎより蕾が開花(写真は6時半頃の状態)


テキスト ボックス: 下段左は、若い果実。下段右は、昨季に採取した種と断面 







2017年6月の活動記録

施 日 : 2017年6月19日 (月) 


観察場所 : 長野公園(奥河内さくら公園)・ノバティホール(3階会議室)

参加人数 : 19

 湿度の高い朝に見られる、朝露でない草の葉先の水孔から排出された「草露(溢泌液)」を、部員の

写真画像を見ながら、水玉の宝石のような輝きの美しさに見惚れ,植物から生命力を感じることが出来

ました。花弁が発達しないか、開かずに終わり、その中で「自家受粉・受精」する「閉鎖花」(スミレ

・ホトケノザ等)の受精の様は検分出来なかったが、キキョウソウでは結実したタネを取り出し、この

様な仕組みがあることを知り驚き。また、ツユクサには、3種類の雄蕊には違う役割があり、正常な花

粉が作られるのは1種類で他の2種類は「仮雄蕊(飾雄蕊)」だという事、午前中に開花して昆虫など

により「他家受粉」出来ない場合、昼頃に花が閉じる時に雄蕊と雌蕊が絡み合い、「自家受粉」をする

ことを知り、これまた驚き。
また、植物の中には「自殖」を避けるために、雄蕊と雌蕊が成熟する時期

をずらす「異熟性」という機能
があり、ホタルブクロの場合、「雄性先熟」で雄蕊が先に成熟すること

が、実物で検分できた。種の存続のために、色々な戦略をたてる知恵と技に満ちた植物の世界。面白い

。すごい。不思議だ。


ホタルブクロについて
①つぼみの頃、雄蕊が成熟。
②雄蕊の花粉が雌蕊の側面に付着して萎れ 、この花粉は他の花に運ばれ落ちる。雌 蕊の柱頭は未成熟
③雌蕊は成熟し、他の花の花粉を受け入れる。







2017年5月の活動記録

施 日 : 2017年5月15日 (月) 


観察場所 : 松尾寺公園

参加人数 : 21名

 4月の部会は雨で流れたので、今日が第一回目のスタートとなりました。テーマは「タンポポの花・種子の

観察」只、タンポポの開化のピークは過ぎて、殆どが綿毛状態であったのが残念ではありましたが。集合場所

よりタンポポを採集しながら、途中、道端の樹木・野草(雑草)を愛で楽しみながら、公園内の観察ポイント

へ。展望休憩所を利用した「臨時野外研究所」での作業開始。講座で学習した事の復習にはなりましたが、講

師の言葉や文字・写真から得た知識で無く、自分達でタンポポの花を分解し、肉眼で見、雌しべと雄しべの位

置関係をルーペを通してより詳しく見、舌状花の数を調べたり、茎の長さを採寸したりと、又、生息場所の違

いによる成長の差など再認識し、より知識が深まり記憶に残る体験が出来ました。

ジックリ観察・分析「ウワ すごい」 舌状花の数「1,2,3,4……113枚」 研究発表会「ナルホド ソウカ」