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石ころ部会報告

 

2019年9月部会活動報告

. 日 時   : 9月27日(金)

. 場 所   : 紀の川の川原(橋本市 学文路 岸上橋付近)、苅萱堂、学文路大師

. 参加人数  : 15

. 活動内容  : 学文路駅より目的の川原を目指し、いざ出発。途中、川原手前のキャンプ場敷地内の通過を拒否され、難渋。仕方なく場所を移動し、背丈ほどあるすすきの群落をかき分け、何とか橋下の川原に辿り着き、安堵する。川原へのアクセスは毎回悩まされる。
  紀ノ川は奈良県の吉野川を支流とする和歌山県の一級河川であるが、大台ケ原や大峰山、中央構造線の地層などを反映し、砂岩、泥岩、チャート、緑色岩など多種多様な石ころが観察されるという。今回は中谷代表より今月のお題として「固い石」の観察が提案され、採取アイテムのひとつにされた。採取後どの石が一番固いのか、石ころと石ころをぶつけあい、割れる・割れないで勝敗を決めた。結果、勝ち残った石の鑑定が望まれたが、残念なるかな、その石を割って観察することが出来ず、答えは出せずに終わった。通常みられる石ころの中では火打石としても使われるチャートが一番固いとされていることから、これもチャートであろうと推察されたが、見た目にはチャートらしさが欠けており、この辺が素人による石ころ鑑定の限界と観念した。素直に石との触れ合いを楽しもう。他に注目されたのはカラフルな石が多いこと、特に緑色の石が多くみられたが、これらは、緑色岩や緑色片岩、黒色片岩などの変成岩であり、このことは紀ノ川の石ころの特徴でもあるようだ。
  昼食後は学文路駅に戻り近くの苅萱堂で有形民俗文化財である「人魚のミイラ」を拝観した後、学文路大師を参拝、霊水をいただき、帰路に就いた。
  反省会は河内長野の大喜多、出席者は8人。







2019年7月部会活動報告

. 日 時  : 7月26日(金)

. 場 所  : 石川(河内長野くろまろの郷周辺)、ふるさと歴史学習館

. 参加人数 : 19

. 活動内容 : 地質学の佐藤先生を迎え、石川を挟んで幾重に連なる河岸段丘を観察すべく、くろまろの郷から汐滝橋までの往復約4㎞を歩いた。河内長野は市内の大部分が丘陵と河岸段丘であるが、くろまろの郷近隣の高向地区は4段の段丘面(高低差約30m)があるという。先ずは高向神社下の段丘崖まで上がり地層を観ると樹木の根の周りには直径1020㎝大の丸い石ころが多く観察された。上流から流されて土砂に混じって堆積したもののようである。
  次の目的はくろまろの郷下の川原の石ころの観察であるが、前日までの長雨による増水で川原の殆どが水面下となったため観察は限られたものになった。通常多く見られる花崗岩、砂岩、泥岩などの他に流紋岩が多くあったのが印象に残った。
  午後はふるさと歴史学習館に移動し、やすりを使っての勾玉や石包丁作りを行った。材料は鉱物の中では最も柔らかい滑石である。ろうそくの蝋のような光沢があるため、ろう石とも言われるが、黒板や工事現場用のチョーク、裁縫用のチャコなど用途は多い。こんな柔らかな石の勾玉作りに1時間を要したが、遙かに強靭な翡翠の勾玉を想うと先人の労苦が偲ばれる。勾玉作りの後は縄文時代に遡る河内長野の歴史について展示の説明を受けた。
 反省会参加は8名。

   







2019年5月部会活動報告

. 日 時  : 524日(金)

. 場 所  : 石川の川原(藤井寺市道明寺玉手橋下)

. 参加人数 : 28

. 活動内容 : 近鉄道明寺駅に集合し、石川にかかる登録有形文化財である玉手橋付近の川原まで歩く。今回は部会発足後初めての屋外活動である。天気が良すぎて熱中症に注意して活動。石川は南葛城山より発して金剛葛城二上山のふもとの、南河内地区を北流し大和川に合流する一級河川である。
 川原では4班に分かれて石の採取、各班で収集した石ころを色や模様などによりグループ分けする。唯一の日陰である玉手橋の橋げた下で昼食をとり、その後、皆で「石の仲間分け表」や「手製の石の標本」を参考に石の名前を判別する。その際、ハンマーを使い破面を観察、堆積岩だけどこれは堅いから「チャート」割れやすかったから「泥岩」などと同定する。
 意外や意外、12種の岩石(1. 花崗岩、2. 閃緑岩、3. 泥岩、4. 砂岩、5. 礫岩、6. チャート、7. 石英混入の石灰岩、8. 安山岩、9. 流紋岩、10. 凝灰岩、11. サヌカイト、12.片麻岩)が鑑別できたようだ(写真参照)。その正確性は疑問であるが、素人の初回鑑定にしては上出来とみるべきか。川原での観察を終わり、道明寺天満宮で「滝畑の和泉層れき岩でできたさざれ石」「巨石の運搬に使った修羅」を見学、道明寺に立ち寄った後解散した。21名は河内長野(大喜多)にて反省会。

   







2019年4月部会活動報告

. 日 時  : 426日(金)

. 場 所  : 大阪市立自然史博物館

. 参加人数 : 34

. 活動内容 : 初回の石ころ部会は会員数45名中34名が出席、自然史博物館において館長の川端清司先生(地質学)による「大阪の川原の石ころと地質」の講義を受けた。午前の座学(集会室)では(1)川原の石ころは上流に分布する岩石や地層を反映したものであること、(2)岩石(石ころ)とは何か、何からできているのか、岩石と鉱物の違い、(3)岩石の分類法(大きく分けて火成岩、堆積岩、変成岩)等について学んだ。
  座学の後半はグループに分かれ、岩石鑑定の検索表を用いて大阪の川原で収集された石ころの鑑定実習を行った。石に含まれている粒の粗さ、形を肉眼で観察するだけでもかなりの鑑別が可能なようだが、外観だけでは判別のつかないことが多いのも事実。石の鑑定が全てではなく、石に戯れ遊ぶだけでも満たされることが多いと割り切るべきか。
  午後は大阪の自然展示コーナーに移動し大阪の北側の北摂山地、東側の生駒・金剛山地、南側の和泉山脈の地層や岩石の特徴や違いについて川端先生の話しを聞いた。川原の石ころは上流の山の地層や岩石の反映であることを再認識。今後の部会活動に大変有意義な一日であった。