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13期生講座報告


11月6日講座報告

月 日:2019年11月6日(水)晴れ

講座名:地質・地層の観察

講 師:佐藤 隆春先生

場 所:ふたかみ文化センター・ドンズルボー(香芝市) 

午前中はふたかみ文化センタ-で【ドンズルボーで火山活動を読む】のテーマで講義を受ける。今から1300万年から1500万年前の瀬戸内火山帯で火山活動が行われていた頃の二上山の火山活動の様子を学ぶ。猪牟田ピンクテフラ(火山灰)の分布図から火山災害時の被害の大きさ知る。私達の居住する堺市周辺にも105万年前、九州のカルデラ噴火で噴出した火山灰が40㎝も堆積している跡がみられる。午後からは車でドンズルボーに移動する。ゆったりした階段を上り、滑りやすい凝灰岩の白い岩の間を注意しながら登ると、白い岩の絶景が見える。バブルの頃に一角を潰してしまったとの説明を受ける。残念である。白い地層のなかにある火山豆石を観察する。円盤型をしている。次に火砕流の流れの見える場所に移動する、岩の間の険しい道なき道を辿る。いくつもの地層が重なっている。火砕流の層の中に黄色い鉱物、火山ガラスの変形したものなどを観察する火山活動の地層を調べるのは根気のいる仕事であるが、過去に起こった出来事を見出すことができ、石はその気になればいろんなことが分かるものである。」との話を聞く。
  今、この場所で過去に爆発が起こり火砕流流れた様子が想像できるような気がした。(3班作成)     

二上山の火山砕屑岩が湖に沈積して1500万年間の風化、浸食で出来た絶景を眺めます。 堆積物が重なって出来た地層。冷える温度で黄色くなった鉱物の層も見える。 火砕流の地層の前で撮影。







10月30日講座報告

月 日:2019年10月30日(水)晴れ

講座名:シダ類植物の観察

講 師:辻井 謙一先生

場 所:ファインプラザ大阪(堺市)・光明池緑地(堺市・和泉市)

午前中はシダ植物について講義を受けました。シダ植物の名前は人為的につけられた呼び方で大きさ形は多種多様だそうです。
  午後は光明池周辺に生息しているシダの観察に出発。今日はレポートを書く当番だから頑張るぞと意気込みましたが、あまりにも沢山の種類でギブアップ。歩きながら説明して頂いた沢山のシダの名前を紹介すると、コハシゴシダ、コシダ、ベニシダ、エンシュウベニシダ、サイゴクベニシダ、オオイタチシダ、オオベニシダ、ギフベニシダ、トウゴクシダ、シケシダ、トラノオシダ、ハカタシダ、アマクサシダ、ミドリヒメワラビ、ワラビ、オクマワラビ、ハリガネワラビ、ヒロハイヌワラビ、ゼンマイ、カニクサ、ミズスギ、ホラシノブ、ノキシノブ、タチシノブ、イノモトソウ、オオバイノモトソウ、イヌケホシダ、これらのシダの仲間で食べられるのは、ゼンマイ、ワラビ、コゴミ(草ソテツ)だけだそうです。今までは我が家に生えているシダの名前も知りませんでしたが、これからはシダいに関心を持っていけるかな?(3班作成) 

カニクサ、ミズスギなど珍しいシダを観察。葉を裏返したり、根元をのぞき込んだりと種類の見分け方が難しい。 コシダ(子羊歯)の群生。高く伸びる茎は、かごを編む材料になる。 ノキシノブ(軒忍)。 “これもシダやったんや。家にもあるわ。”と再認識。







10月23日講座報告

月 日:2019年10月23日(水)晴れ

講座名:奈良の巨樹観察②

講 師:甲斐野 幸一先生ほか2名(グリーンあすなら)

場 所:春日奥山遊歩道 滝坂の道(奈良市)

秋晴れの中、奈良公園の春日奥山原生林の巨樹、巨木観察の講座です。最初に春日大社のイチイガシの巨樹とナギの木が出迎えてくれました。ナギはご神木で鹿も食べないので増える一方です。滝坂の道(柳生街道)を進み、スギ、モミ、イチイガシ、イヌシデ、アカガシなどを観察します。渓流沿いを歩き、途中石畳があり、昔、生活道路として使われていた道で荷車が行き来していたそうです。今でも轍のあとが残っています。寝仏、夕日観音、朝日観音などの石仏が歩く人々を見守ってくれ、70年ほど前に掘られた防空壕の穴も残っています。首切地蔵のある休憩所で昼食。
  午後は春日山遊歩道を引き返します。モミジとケヤキの枝の一部がひとつに繋がっている“連理の枝”があり、仲睦まじいように見えますがケヤキは “しっかりしーや”とモミジに言っているようです。等間隔に人の手で植えられたモミジ・サクラは、彩を添えてくれます。巨樹の中で負けじと育つサクラは高く伸び、高い所で咲く花は、愛でられることはありません。ナギ、ナンキンハゼの繁殖、シカ、ナラ枯れの被害など問題が多いが倒木更新しながら1200年にわたって保護されてきた原生林です。今日は少し疲れましたが、いっぱい森林浴もし、巨樹巨木に癒された楽しい一日でした。(3班作成)

春日大社のスギ、イチイガシの巨樹の説明を受けます。 威厳のある大杉の老木(幹回り8m 樹齢600年)。 “滝坂の大杉”と呼ばれています。 昼食後のゲーム。ホウノキの幹回りと同じ長さのロープに12人が入りました。







10月16日講座報告

月 日:2019年10月16日(水)晴れ

講座名:粘菌の観察

講 師:川上 新一先生(和歌山県立自然博物館 学芸員)

場 所:堺自然ふれあいの森(堺市)

大阪シニア自然カレッジとしては初めての粘菌講座。午前中、座学でスライドを見ながら、粘菌について易しく解説していただいたが、中々アカデミックな内容であった。粘菌はかつて別名変形菌とも言い「菌」と言う名前が付けられているが菌類でも動物でも植物でもなく、アメーバ動物の一種とされている。粘菌はキノコや苔と同じく胞子で子孫を残します。飛散した胞子がピッタリの条件の場所に着地すると中からアメーバが生まれる(細菌アメーバと言う)。で、アメーバは餌(バクテリア等)を食べてどんどん大きく成長し、機が熟すると、きのこのような子実体になる。粘菌は一生のうちアメーバのような動物的な時期が有れば、キノコのような菌類的な時期もある。粘菌は核がたくさんあって分裂して増えるが細胞質が分かれない為細胞としては1つ(単細胞)で、1時間に数ミリ~数センチ動く。
  午後は室内で粘菌の見本を観察した後、全員が「粘菌を見つけてよう」と元気いっぱいにフィールドワークへと出かける。先生から探すポイントを聞き腐朽木、腐葉土、生木樹皮を沢山の眼が凝視するがなかなか発見の歓声が起こらない、しばらくして先生これはどうですか?」の声、「これはキノコ類ですね」「これは菌類ですね」となかなか見つけることができない。ついに「おめでとう!」の先生の声に歓声が沸き、最終的にみんなで4種を見つけることができた。最後に顕微鏡で「ウツボホコリ」の色の鮮やかさ、「シロウツボホコリ」のつくしの様な可愛い形状、「ツヤエリホコリ」の愛らしい胞子を見て感動の声があがった。日常に見過ごしている小さな世界の美しさと神秘さに触れた一日だった。(3班作成)

秋晴れの中、いよいよ粘菌探しに出発。未知の世界を見るようで楽しみです。 あちこちから、「残念!」「発見!」「おめでとう!」の声々。先生にその都度、粘菌かどうか確認してもらいます。 朽ち木で発見した“シロウツボホコリ”。 触ってみたら柔らかいです。







10月2日講座報告

月 日:2019年10月2日(水)曇り

講座名:淀川の生物多様性

講 師:小田 優花先生(大阪府立環境農林水産総合研究所)

場 所:生物多様性センター(寝屋川市)

午前中は久しぶりの座学。森・川・海などで様々な生物が他の生物と繋がりあって生きている、“生物多様性”をテーマに生物多様性の恵みや危機の説明を聞き、生物多様性を守るために私たちができることは何かを考えた
 午後からはビオトープ池で餌を入れたもんどり網を池に仕掛け、どのような魚に出会えるのかと期待に胸が躍る。隣の小さなビオトープには稲が実り、今回は見ることが出来なかったが絶滅危惧種のコナギが育っている。田んぼの端で細い糸トンボが卵を産みつけているシーンを見ることが出来た。池のほとりでカマキリを見つけ、先生がカマキリの尾の部分を水につけると、なんとも不思議。お腹の中に寄生していた細い虫が尾の部分から少しずつゆっくり出てきて、その長さは20㎝近くもあるハリガネムシです。初めてのことで目が釘付けになるとはこのことだと思った。淀川のシンボル魚、イタセンパラもセンターの水槽で見ることが出来た。ビオトープは自然がいっぱいで好奇心を広げてくれる。生物の多様性を守るには地域に昔からいる生物を大事にする事、捕まえたものは他の場所に移さない事、ペットは手放さない事など生物多様性の恵みを受けて私たちは豊かに暮らしている。今回の講座も珍しい体験をさせて頂きました。(2班作成)

イタセンパラ。ちょうど交尾時期でオスは婚姻色の淡い青紫色に変身。二枚貝に卵を産み付けます。 もんどり網の仕掛けの説明を受けます。この日はタモロコ 一匹だけに出会えました。 ビオトープをのぞき込みどんな生き物が居るか探します。







9月25日講座報告

月 日:2019年9月25日(水)快晴

講座名:府民の森・ほしだ園地の自然観察②

講 師:武田 敏文先生・正野 明先生ほか名(日本パークレンジャー協会)

場 所:ほしだ園地(交野市)

シニア自然カレッジに参加して二年目のもはや6か月。公共交通機関(私鉄電車、地下鉄、バス)の利用や徒歩で目的地に行く楽しさも覚えました。ほしだ園地で自然観察をしながら、私たちは秋空とこの季節の植物や昆虫との出会いを楽しみました。今、山裾に沢山咲いている「ヒヨドリバナ」。アサギマダラのオスがこのヒヨドリバナの蜜を吸い、メスを呼ぶためのフェロモンを作る事など、自然界の仕組みは面白い。楽しみは「星のブランコ」と名付けられた美しい吊橋。吊橋を渡るとなぜか幼い頃のドキドキ、ワクワクの冒険心がよみがえり、渡り終えると「やったぜ!!」とついⅤサインをしたくなりました。あまり揺れなかったのは、少し残念です。自然観察をしながらの楽しさ満載の一日でした。(2班作成)

ヒヨドリバナに止まるヒョウモンチョウ。残念ながらアサギマダラには会えませんでした。 人道の吊り橋では日本最大級規模(標高180m全長280m)の吊り橋“星のブランコ”を渡りながら 空中散歩を楽しみました。 展望デッキからは疲れも吹っ飛ぶ絶景で、京都方面まで見えます。







9月18日講座報告

月 日:2019年9月18日(水)曇り

講座名:ウミホタルの観察

講 師:山田 浩二先生(貝塚市立自然遊学館研究員)

場 所:大阪府立青少年海洋センター・せんなん里海公園(泉南郡岬町)

  今日は初めての夜の講座で、先ずは先生からウミホタルの生態や構造を学びます。体調2~3㎜のミジンコの仲間で、昼は砂の中で寝ていて、夜はエサを求めて海底を這うように泳いでいます。求愛の時、刺激を受け捕食者回避の時(捕食者を驚かせ仲間に危険を知らせる)、体内に蓄積していたルシフェリンと酵素のルシフェラーゼを放出し、それが海中の酸素と反応して青紫に発光します。
  後半はそれぞれ手作りの仕掛け容器を持って砂浜へ行き、暗くなるのを待って海中に投入します。20分後引き上げますが、この日は強風のせいかウミホタルは数匹しか確認できず、もう一度チャレンジさらにもう一度と、何度か繰り返していると徐々増えてきて、引き揚げの度に仕掛け容器の海水を地面に撒くと、終わる頃には地面に刺激されたウミホタルの素敵な青い星空が広がりました。キラキラした青紫の光に魅せられた夜でした。
2班作成)

“ウミホタルってどんな生物?”を学びます。 強風の中、仕掛けを海に投げ入れます。底まで沈めるのに懸命です。 地面に撒いたウミホタルに“わ~きれい!”と歓声。ウミホタルさん、ごめんなさい。







9月11日講座報告

月 日:2019年9月11日(水)晴れ

講座名:大阪市立科学館見学

講 師:施設担当者

場 所:大阪市立科学館(大阪市)

集合時間が10時で、日差しが痛いくらいの時間帯になり、最寄りの駅から科学館までの短い距離を歩いただけで汗だくです。科学館前には子供たちが続々とやってきまして、「結構にぎわっているな~」と感じました。ただの箱モノではないなというのが感想です。館内では4階まで上がって順を追ってフロアーを下がって見学するのですが、あまりの子供の多さと、昼食のレストランまでの時間が迫ってくるので、ゆっくりと見学しておられません。
  昼食後はプラネタリウム「天の川をさぐる」を鑑賞、ちょっと寝てしまったが、いびきをかくまではなかったかな~自分ではわからない? 最後はサイエンスショーを見ました。「電池が分かる」という内容のショーでしたが、知らない間に夢中になって聞き入っていた自分がいました、なかなかおもしろかったです。(2班作成)

送風機の上で“おどる風船”どこかへ飛んで行ってしまうことはありません。焚火の上で燃えカスが踊るのと同じだそうです。 これからプラネタリウムの鑑賞です。目を閉じないで美しい星空を楽しみましょう! 乾電池の力はすごい!シャーペンの芯とカッターナイフを合わせると火花が散りナイフの鉄が溶けました。







7月31日講座報告

月 日:2019年7月31日(水)晴れ

講座名:キノコ観察②

講 師:下野 義人先生(三重大学大学院協力研究員)

場 所:箕面公園(箕面市)

  まずは箕面駅前にて先生から本日の概要説明。“梅雨明け後の一週間目で、少し乾燥がすすみ、キノコの発生が少ないかも?蚊も少なく水気が少ないのかも?キノコは湿り気が必要。”と先生のお言葉にもめげずいざ出発。一の橋を左に折れ、滝道と別れて山道に入る。数分後、先生の歓声。毒キノコのコニセショウロ(切断すると切断面が黒い)を先生が最初に発見。少し勾配がきつくなった道筋はキノコが少なくなったが、目的地の休憩所の辺りは少し広場になり、枯れ枝の下枯葉をより分けてたくさんのキノコを採集。さらに山の斜面に向って少し足をとられながらの採集。
 採集数は約70にもなり、皆さんの前向きな活動で、当初の推測より多数の種類が採集出来ました。同定は先生にお任せ切りでしたが、いろいろ質問が飛び交い和やかな「キノコの観察講座」となりました。同種に見えるものも顕微鏡、DNA鑑定をしても判断しづらいこともあるとのことで、キノコも奥が深いです。
  種類は、ベニタケ属:①、テングタケ属:②、イグチ属:③、カンゾウタケ属:④、ヒナノヒガサ属:⑤、アワタケ属で、一部を紹介します。
・カンゾウタケ;食べられる!(④)
・キイロイグチ、ダイダイイグチ;色が鮮やか。(③)
・ツチカブリ;ナメクジが入っている?苦い!(①)
・アケボノドクツルタケ・フクロツルタケ;毒。(②)
・ヒナノヒガサ;小さく目立たない。(⑤)
・シロハツモドキ;一番大きい。(①)
 講義終了後、「滝までのトレッキング組」と「反省会組」とに別れ、今日も楽しい一日で終わりました。
                                           (2班作成)

あちこち、キノコを探します。見つけたら先生に“食べられますか?”とまず質問します。 たくさんのキノコを前に満足の観察会。名前はとても覚えられません。 カンゾウタケ(肝臓茸):食べることが出来る。ビーフステーキに似て、美味しそうです。







7月17日講座報告

月 日:2019年7月17日(水)曇り時々晴れ

講座名:高山植物観察と梅花藻鑑賞

講 師:檜山尚美先生・武田千鶴子先生(伊吹山もりびとの会)

場 所:伊吹山地蔵川(米原市醒井)

今日は伊吹山(滋賀県)の高山植物観察を楽しみに堺を出発。途中合流された先生から車中で説明があり、伊吹山は日本百名山の一つで、標高は1,377m。気候の特徴として「風が強い」「霧が多い(駐車場に到着した時も一面に霧が漂っていた)」「雪が多い(昭和2年に11mの積雪を記録)」の三つがあり、この気候により、1,300m級の山でありながら高山植物の珍しい固有種が33種類もあるとのこと。駐車場から西登山道(山頂まで約40分距離約1000m)を「伊吹山お花畑植物ガイド」を片手に植物観察しながら山頂に向かった。
 薬草のミヤマトウキ、イブキトラノオ、赤い花がよく似た木本のシモツケと草本のシモツケソウ、オオヨモギ(別名イブキヨモギ・托葉あり・伊吹もぐさの原料)とヨモギ(托葉なし・食用)の見分け方、クガイソウ(葉が輪生)と ルリトラノオ(葉が対生)、可愛いいピンク色のイブキフウロ、カワラナデシコ、黄色い花のキバナノレンリソウ等の花々を観察。また、繁殖力が強く困った草のフジテンニンソウやアカソを刈り取りシモツケソウ等の再生作業、鹿の食害防止のネットの設置等植生維持に努力されていた。
 その後、伊吹山を後にして、梅花藻の観賞場所、地蔵川(醒井)に向かう。地蔵川の清流の中に白い小さい梅に似たな梅花藻の群生を観賞。冷涼さを感じさせる川の中の可憐な花を見て心が癒された。今日は長距離の走行で少し疲れたが、穏やかな天気の中でいろいろな花を観察、観賞をして楽しい一日でした。(2班作成)
 



シモツケ(下野)が見頃です。保護区域のよく似たシモツケソウは、7月下旬が見頃です。


地蔵川清流に可憐に咲くバイカモ(梅花藻)。皆さん、いっぱいの“涼”をもらって帰路につきました。
伊吹山山頂で集合写真。運よく霧も晴れ、青空と雲が美しい!







7月3日講座報告

月 日:2019年7月3日(水)曇り

講座名:大阪湾のウミウシ観察

講 師:田中 広樹先生(大阪自然環境保全協会)・辰村 絢アシスタント

場 所:城ケ崎海岸(和歌山市加太)

加太湾の城ケ崎海岸は内湾(大阪湾)と外洋(太平洋)とが接する為、ウミウシが150種も生息する。宮崎県青島の鬼の洗濯板に似た地形だ。ウミウシは貝殻が退化した巻貝で軟体動物。磯、干潟等様々な環境に生息している。触角が一対あり、動きがゆっくりで牛に似ているからこの名が付いたそうだ。一般に雌雄同体で寿命はほぼ1年。美味しくない餌を敢えて食べて、美味しくない体を作り外敵に狙われないよう身を守り絶滅する事無く進化してきた。各自でオカダウミウシともう一種類を見つける事を目標に、磯に降りる。オカダウミウシをまず見せてもらい、皆さん、カード遊びの「神経衰弱をするように膝をついて、潮溜りの石の裏を探す。8センチ程のアメフラシ、ヤツミノウミウシ、コネコウミウシ、アカエラミノウミウシ、シロウミウシ、アオウミウシ、ヤマトウミウシやウミウシの卵も見つかる。クモヒトデも人気。浅瀬と深い所、季節により異なったウミウシの種類が生息する。

昼食後、自習組と活動組に分かれ再び磯へ。ほとんどのウミウシは赤ちゃんの時に貝殻を脱ぎ捨てているが、ブドウガイ、アメフラシ類は体内にある。触ってみた。気付かずに踏まれたアメフラシから本当に紫の液が出てきた!その液が水中に広がる様子は名前の由来のとおり雨雲が立ち込めていく様子と似ていた。ウミフクロウ、ニセハクセンミノウミウシ、クリヤイロウミウシ等が新たに見つかる。そろそろ潮が満ちてきた。楽しませてくれた「海の宝石」は記憶の宝箱に入れておこう。(2班作成) 

ひとつひとつ、そっと石をひっくり返し、海の宝石?を探します。 白いリボン状のものはウミウシの卵。寿命は一年くらいと短く産卵後すぐに亡くなる。先生は展示用のウミウシ確保に忙しい。 “アオウミウシ(青海牛)”。二本のツノは触角で花のようなひらひらは鰓。綺麗でゆっくり動く姿はとてもかわいい!







6月19日講座報告

月 日:2019年6月19日(水)晴れ

講座名:深泥池の自然と保全活動の現状(午前)

京都府立植物園見学(午後)

講 師:竹門 康弘先生(京都大学准教授)・鈴江先生(植物園協力会)

場 所:京都深泥池・京都府立植物園(京都市)

本日は日差しが強く蒸し暑い中にもかかわらず、先生は胴まである防水ズボンを履かれ、深泥池について熱く説明されました。深泥池は,京都盆地の北にある周囲15km,面積9haの小さな池です。この池には,西日本の平坦地では珍しい浮島があります。氷河期以来の動植物が今も生き続けるとともに多くの水生植物,昆虫,魚類,野鳥等がいます。この池の水生植物群落を保護するため,昭和2年に国の天然記念物に指定され、昭和63年には生物群集全体が対象になりました。驚いたのはトンボの多さ(60種)で、先生の頭にも長くトンボが休憩。池を覆いつくすほどのジュンサイの葉が池面と空気とを触れさせず水中が酸欠状態となる。先生がその場で水中の溶存酸素濃度測定すると、0.07%でほぼ酸素なしの状態だった。ただ、この7末には計画的にジュウサイを除去する計画があるということで一安心。天然記念物ので手を出せないということもありますがやはり人の手によって保全していくことの大切さを理解できました。
  午後は京都府立植物園へ移動し昼食タイム。ボランティアガイドの方に甲子園球場6個分あるという園内の中から珍しい樹木植物を案内していただきました。トケイソウは個性的な花の形を時計の文字盤に見立てたことからトケイソウ(時計草)の名があり、特徴的な造形美のある美しい花で魅力のある熱帯植物でした。限りある時間で園内を回るにはあまりにも時間が短く、最後にきれいな花、今最盛期のアジサイを見て植物観察が終了となりました。(2班作成)

食虫植物でプランクトンなどを補食する“タヌキモ”。興味津々で触ってみます。 水面を覆う“ジュンサイ”と浮島。美味しいとあの北大路魯山人も認めたジュンサイ。今は天然記念物の為、誰も食すことが出来ない。残念! “バクチノキ” 博打に負けてハダカになったと例えられる。樹皮が剥がれ赤褐色になり、痛々しい!







6月12日講座報告

月 日:2019年6月12日(水)晴れ

講座名:カメの話・博物館見学

講 師:竹中 利明先生(施設学芸員)

場 所:和歌山県立自然博物館(海南市)

自然博物館の大水槽前でゆったりと泳ぐ魚たちを見ながら講義を受ける。館内の大小の水槽には5005000点ほどの生き物が展示されている。圧巻は大水槽で、ガラス幅15m、一枚ガラスの厚み35cm、水量450tの大きな水槽に2530種、100匹程の黒潮域を代表する魚が入っている。中には大きなロウニンアジ等、開館後30年以上泳ぎ続けている魚もいる。(魚の寿命は何年位なのかな?)小型の水槽には小さな魚や甲殻類等が多数入っていて、ゆっくり観察できた。淡水の生物の水槽も有り、生き物の多様性が感じられた。海水、淡水を調整し各水槽に水を送っているバックヤード部屋の見学。餌はアジ、サバ、エビ、イカ、キビナゴ等の冷凍魚類の切り身、配合飼料などを与えている事など、興味深く聞いた。日本で産卵するアカウミガメの研究も行われている。怪我などして保護目的に飼育しているカメは先生のペットでもある。午後は自然博物館から鵬雲胴のトンネルを抜け、三井寺緑道を40分余り歩いて紀三井寺へ。紀三井寺の由来は、三つの井戸「吉祥水」「楊柳水」「清浄水」からきている。本堂、楼門、多宝塔、鐘楼は、県、国指定重要文化財となっており、多くの参拝者が訪れる。山門から三つの井戸を探しながら、全員231段の階段を登り本堂にお参り。(結構キツイ!!)登り切った所から美しい和歌浦湾を見渡せ、境内には和歌山の「ソメイヨシノの標本木」も有り、サクラの開花基準になっている。春にはサクラで見事な名所になる。(1班作成)


大水槽(黒潮の海)の魚を観察中。ロウニンアジ、エイ、クエなどの回遊魚が悠々と泳いでいます。     保護されたウミガメ。他の魚や水槽を爪で傷付けるため予備の水槽で飼育されている。    紀三井寺へお参り。231段の階段が待っています!頑張って登りましょう!







6月5日講座報告

月 日:2019年6月5日(水)曇りのち晴れ

講座名:金剛山の植物観察

講 師:神山 善寛先生(金剛山の植物に親しむ会

場 所:金剛山黒栂林道(大阪府千早赤坂村)

黒栂谷に向かう林道を進みながら、金剛山の植物観察をした。橋を渡った所の石垣にヤブビイチゴがあり、赤い実を採って一粒を頂く。甘くて美味しい。辺りにウツギの白い花を見る。他にも色々なウツギを見たが、赤黒いビロードの様な花が咲くヤブウツギ、真ん中に筒状の花弁と外側に開く4枚の萼があるミツバウツギ、小さい白い花のすぐ下の葉が茎に直結しているマルバウツギ、葉の裏に白い星状毛が密生したウラジロウツギが印象的だった。薄い青色のヤマアジサイも見られた。よく見るガクアジサイは伊豆半島に存在する南方系の種である。スイカズラの花は白色だが2~3日で黄色くなる。花は良い香りがし、いつも花蜂が群がり、花先が黒く見える。手で払うと花蜂が逃げ、花は白くなるがすぐに、また黒くなる。ウラジロマタタビは名のとおり葉の裏が白くて固い。サルナシも同じ種類だが葉裏は白くなく固くない。サルナシはキウィの原種か? 湿った所にテンナンショウをつける。葉が束になった偽茎が紫褐色のまだらな模様でマムシに似ていることからマムシグサとも言う。今日は、61種類のたくさんの植物を観察することが出来、楽しくて有意義な観察講座でした。(1班作成)

「あれは、何ウツギでしょうか?」「ウツギ?ミツバウツギ?マルバウツギ?」遠くからでは見分けが難しい。 ひっそり目立たないところで咲いていた“サイハイラン”。和名は武将が兵を指揮する「采配」に似ていることから由来する。 “サワギク”。 果実は冠毛が集めってぼろくずのようなので“ボロギク”の別名がある。







5月29日講座報告

月 日:2019年5月29日(水)晴れ

講座名:都市公園の野鳥観察③

講 師:仲 淳一先生・掛川良重先生(泉北野鳥の会)

場 所:恩智川河岸・池島遊水地(東大阪市)

 風が心地よい、快晴の中、池島遊水地に向かって歩き始める。左に恩智川が流れ、右に生駒山系が連なっている。「あ!ツバメだ!」「いや、あれは、ムクドリでは?」の声に空を見上げる。しばらく歩くと望遠鏡を備え付
け観察している人々に出会う。田起こしの終わった田んぼや水の張られた田んぼが広がっている。田んぼの中に絶滅危惧種「タマシギ」二羽が巣作りをしている様子を双眼鏡で覗く。ケリ
、ケリイ、と鳴く「ケリ」、「セッカ」「ダイサギ」「アオサギ」「コサギ」等が見られ、川には「ハクセキレイ」「カワラヒワ」が、護岸には「カルガモ」「マガモ」がお昼寝中。「ハシブトガラス」「ハシボソガラス」も健在だ。姿は見せずとも鳴き声だけが届く「ヨシキリ」。夏にはユーラシア大陸に帰るという夏鳥の「オオヨシキリ」は望遠鏡で姿を捉えることが出来た。私たちは23種の鳥を観察出来、探鳥会もなかなか楽しく面白いと思った一日でした。(1班作成)

じっとしていて見えづらいが本日一番の貴重な“タマシギ”の観察です。一妻多夫でメスは産卵後、巣から離れオスが子育てをする コサギが捕食中。足の指は黄色で夏には頭に冠羽が現れ、背の飾り羽は先が巻き上がる。 昼食後、木陰で鳥合わせ。23種の鳥が観察でき、今日は“上出来の観察会”だったようです。







5月14・15日講座報告

月 日:2019年5月14・15日(水)曇り時々雨・晴れ

講座名:芦生の森自然観察

講 師:福本繁先生・鈴木直道先生(ネイチャーガイド)

場 所:美山かやぶきの里
   :京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林(京都府南丹市美山町)

 美山と芦生の森へ初めての一泊研修でした。バスに乗り三時間程で美山かやぶきの里に到着です。雨も止み、素朴で昔懐かしい茅葺屋根ののどかな風景に癒されながら散策しました。丁度、茅葺屋根の葺き替え作業を見ることもでき、先人たちの技術や知恵を伝え、この日本の原風景を保ち続けて欲しいと思いました。
 芦生山の家ではネイチャーガイドの方から芦生研究林の解説を聞き、その後は、楽しい食事と親睦会です。次の日は長治谷までマイクロバスで行き、ネイチャーガイドさん2人に引率され、原生林芦生の森、杉尾峠を目指しトレッキングツアー開始です。途中、大カツラの保存木を観察。オオルリなどの野鳥の声を気持ちよく聴き、ブナやトチの大木、ウスズミザクラ、ハウチワカエデなどの林を歩きました。鹿の食害は深刻で、笹などは消え、鹿が好まないバイケイソウなどが目立ち、そのうえ倒木更新で芽生えた幼木までも食べられていました。モリアオガエルの池では産卵を待つイモリがのんびりと泳ぐ様にクマの冬眠用の大きな穴が開いたトチの木に微笑みました。芦生杉は雪の重みに耐えられるよう柔らかくて粘り強く、過酷な環境で生き抜く植物の知恵に感心しました。由良川の源流を辿り杉尾峠から日本海が見え冠島、毛島など眺めました。現在、京都大学の研究原生林として管理され、珍しい植物や動物、昆虫などたくさんの生態系が存在し、あまりにも広くて深く、緑で覆われた芦生の森の中での大自然を満喫するトレッキングは貴重で大変素晴らしい体験になりました (1班作成)

ちょうど雨も止み、美山かやぶきの里をのんびりと見学。 たくさんの着生木と共に暮らす威厳のある大カツラの保存木の前で撮影。 いよいよ、長治谷からトレッキングスタート!綺麗な空です。
   
ここは昔、木地師(椀や盆などの木工品を作る人)が住みかとしていた所で、ろくろやお墓のあとがあります。
モリアオガエルの池。産卵を待つイモリがたくさん泳いでいます。手前にバイケイソウが咲いています。    杉尾峠を目指しラストスパートです。







5月8日講座報告

月 日:2019年5月8日(水)晴れ

講座名:琵琶湖の環境と薬用植物観察

講 師:藤原 務先生(滋賀県庁職員)・山浦 高夫先生(日本新薬山科植物資料館 館長)スタッフ2

場 所:滋賀県庁(大津市)・日本新薬山科植物資料館(京都市)

 午前は、滋賀県庁で「琵琶湖における水質・環境保全」「琵琶湖の全層循環」について説明を受けた。我が国最大の琵琶湖は、近畿1450万人の水源として、また、世界有数の古代湖として、等の様々な価値を持つ国民的資産である。琵琶湖の課題への取り組みは、1972年からの総合開発事業による治水・利水対策を経て、1986年からの湖沼水質保全計画による水質汚濁・公害対策を現在も推進中であり、併せて2000年からマザーレイク21計画が策定され、在来魚介類減少・生態系保全対策にまで拡大している。この間、住民による石鹸運動の展開、工場排水の規制等、県民全体の活動と意識の高揚につながった。小学5年生を対象に、学習船「うみのこ」による1泊2日の宿泊体験学習を行い、次世代につなげている。現在の主な課題は、外来魚の増加・在来種の減少、水草・外来水生植物の大量発生、等であり、住民・企業・研究機関・行政が一体となって琵琶湖を守り、活かす取組を推進している。 午後は、山科植物資料館で説明を受け、珍しい植物を目の当たりにした。創立100周年を迎えた、日本新薬(株)所属で、3000種以上の薬用・有用植物を植栽している。回虫駆除薬の原料となるミブヨモギ、珍しいキソウテンガイ、ウラジロガシ、等。身に覚えのある多種多様の匂いを堪能する事ができた。現在の新薬は、天然由来ではなく科学的に合成されるので、実用の役割は終えた薬用植物が大切に保存され、一般にも公開され、丁寧に案内していただけるのは、歴史的にも文化的にも大変貴重な取り組みだと思う。 (1班作成)

“琵琶湖における水質保全・環境保全”の説明を受ける。 カノコソウ(鹿の子草)鎮静作用、睡眠の改善作用、リラックス効果があり、“命の母”の薬の成分に入っているそうです。 クロバナロウバイ(ニオイロウバイ)。香りの効能は鎮静や精神の安定作用など免疫力を上げる。







4月24日講座報告

月 日:2019年4月24日(水)曇り

講座名:鵜殿の自然観察 

講 師:中島 健太先生・伊藤 修身先生(鵜殿ヨシ原研究所)

場 所:鵜殿(高槻市)

照っていれば日差しを遮るものは何一つ無い、ヨシ原の見学にはもってこいの薄曇り。 ヨシは芽出しの「アシカビ(葦牙)」を過ぎて、「葭(か)」の時期に入り、人の腰辺りの高さに成長した状態で、鵜殿ヨシ原の全体を見渡し、植生を観察するには絶好の季節です。鵜殿は淀川流域最大のヨシの群生地。「セイタカヨシ」と「ヨシ」、似ているススキの仲間「オギ」の違いについて予習し、「セイヨウカラシナ」の群生に迎えられ観察スタート。ヨシ原は淀川の改修工事で水位が低下することによって衰退し、その後の保全活動の取り組み『水をヨシに近づける』ため揚水ポンプ・導水路の設置と、『ヨシを水に近づける』ため生育面を川の水位に近づける地面の切り下げ工事で、河川敷のヨシ群落の推移は1982年調査5%から20%(2011年)へとヨシ原は辛うじて維持されている。河川敷を歩くにつれ、黄色の「ノウルシ」は花盛り、「トネハナヤスリ」はたくさん芽を出し、これらが希少種に指定されているとは思いにくい程でした。「サワトラノオ」は切り下げ工事による『撹乱品種』(土を撹乱後に芽を出し、2~3年で消失する)であることも興味深く聞きました。47種ほどの植物の説明があり、特に「カラスノエンドウ」「スズメノエンドウ」「カスマグサ」の見分け方の丁寧な説明を受けました。また、「カナムグラ」や「ゴキヅル」などのツル植物によって「ヨシ」が枯れていく状況の一端も見ることができました。遠くに比叡山・男山・交野山を眺め、かつての淀川と川と共にあった生活・歴史に思いを馳せる学びの多い一日でした。
  (1班作成)

ヨシ原の中でたくさんの植物の説明を受けます。カサスゲ(傘菅)の観察。菅笠や縄に利用される。 オドリコソウ(踊子草)の群生。皆さん、こんなにたくさんの白色やピンク色のオドリコソウを見るのは初めてで、写真撮影に忙しい。 ノウルシ(野漆)の群生の中をさっそうと歩きます。準絶滅危惧種で花盛りは過ぎ、イボ状の果実も出ていましたが貴重な観察です。







4月17日講座報告

月 日:2019年4月17日(水)曇りのち雨

講座名:金剛山の植物観察② 

講 師:神山 善寛先生(金剛山の植物に親しむ会)

場 所:金剛山伏見林道・ちはや園地(大阪府千早赤阪村・奈良県御所市)

   やや曇り空の下、先生の興味深い植物(ミヤマカタバミ、ネコノメソウ各種、スミレ各種など)の説明を聞き、それらを一つ一つ観察しながら、おデコが地面につきそうな急な念仏坂を2時間かけ必死になって登りました。午後は、本日目玉のカタクリ(ユリ科)とキクザキイチゲ(キンポウゲ科)のお花畑に案内されました。花の広がりもさることながら、カタクリのピンク色の優雅な花とキクザキイチゲの白と薄紫色の可憐な花々に心を奪われ、一方、この花々の保護活動の話には心が揺らぎました。また、他の金剛山の植物の話を聞くたびに先生の博学に驚かされてばかりで、時には本音やジョークも有って楽しい時間を過ごさせて頂きました。帰りのくだり道は、水曜日恒例の雨。お尻が擦りそうでおっかなびっくり、滑らない様に 帰りを急ぎました。次回、もし時間が有ったら、金剛山頂転法輪寺で手を合わせて皆様方の健康と幸せを 祈念したいものです。 (1班作成)

伏見林道を登り始めますが、まだ息切れはしていません。ロープウェイ運休のため、帰りも徒歩で頑張ります! カタクリ(片栗)。スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれ花が咲き終わると地下で休眠。芽が出て7年を要して花が咲く。 キクザキイチゲ(菊咲一華)の群生を見て「わあ~かわいい!」と感激。菊に似た白や青の花を一輪つける。







4月3日講座報告

月 日:2019年4月3日(水)晴れ

講座名:自然観察①開講式

講 師:武田 敏文先生・正野 明先生ほか5名(日本パークレンジャー協会)

場 所:くろんど園地(交野市)

   2年目の最初の講座はくろんど園地での自然観察。安全に対する注意を受けた後、みんなでストレッチ体操をして、さあ出発だ。説明を聞きながら、園地を歩く。急な階段を山側に上ると月の輪滝に到着。上に獅子窟寺があり修行僧が修行していた滝だ。途中可愛い可憐なシュンラン、センボンヤリなどを観察。洞窟前ではタチツボスミ、シハイスミレが一面に咲いている。様々な名前の付いた巨石群を見ながら歩くと水の流れでできたポットホールを見つける。川端にはショウジョウバカマが可憐な花を咲かせている。沢渡の道を過ぎ、広場でヤマザクラの大木の下、鶯の声を聴きながら昼食をとる。いよいよカタクリの花を見に行く。小さな湿地に木のいかだを浮かべたような橋の道があり、ラクウショウ(落羽松)、カタクリ、ミズバショウを観賞する。カタクリは開花するまで7年かかり、今、やっと可憐な花が咲いている。花弁には、蜜標があり虫に蜜があるのを知らせる。スミレやカタクリなどはエライオソームを種子に付着させてアリに巣まで運ばせて、エライオソームを食べた後、種子を巣の近くに捨てる。このように種子は遠くに運ばれる。野草たちは動けないからこそ、子孫繁栄の戦略を考えている。帰りは傍示の里コースを下っていく。大仏建立のための渡来人たちも通った道だ。今日は仲間と楽しい体験ができた一日でした。(3班作成)
可憐に咲くショウジョウバカマ。葉はロゼット状に広がり袴の様である。花が終わった後もそのままの姿で残り夏には緑色の花が咲いているように見える。 カタクリの花を見つけ、一目散に観察。下を向いて咲く花をのぞき込みます。 ミズバショウとラクウショウの咲く八ツ橋湿地でハイポーズ!大阪でミズバショウが見られることに感激。夏には葉が1m以上になり景色が一変する







月 日 : 2019年3月27日(水)晴れ

講座名 : 古墳公園の自然観察

講 師 : 桑野 一幸先生(柏原市文化財職員)
     三浦 誠先生・桝谷 政則先生・桝谷 みよ子先生(かしわら森の会)

場 所 : 柏原市立歴史資料館・高井田横穴公園(柏原市)


   高井田横穴墓群は6世紀後半から7世紀前半に作られたが、大正時代に大阪商工会議所の藤田伝三郎氏(藤田

観光)が、一族の墓を作るためにこの地に道をつけた時に発見され、大正11年に国の指定史跡に登録される。

二上山の火山灰が固まってできた凝灰岩で加工しやすく、山を刳り貫き200基を超える横穴が現存する。天井

はドーム状で、副葬品はなく、人骨も酸性土壌のために溶けてしまい石棺しか残っていない。大きなものは、

防空壕としても利用され、入り口の上部に「大」「家」「ツカ」の表記されている古墳もある。線刻壁画のレ

プリカが展示されていて往時の生活を窺う手掛かりになる。歴史資料館で展示されている火熨斗(ひのし)の

使い方の多様性に、古代の人たちの日常が偲ばれる。


  午後からは高井田横穴公園内の自然観察。タンニンが多く含むナナミノキの葉を炙ってできた黒い環「死環

」を見せていただく。アオハダの樹の巣箱は、落葉すると赤い実がなり営巣を期待。シャシャンボは日本のブ

ルーベリーと言われて美味らしい。ヤブニッケイの葉はニッキの香り、ヒサカキの葉はガスの臭いがする。2

階建てになっている横穴もあり、また公園の一番高いところにある「高井田山古墳」は百済の王族級の人の墳

墓らしい。古墳はすべて「未来永劫、守られるように」と南斜面に作られている。山全体が古墳であり、その

中にある多様な植生を守られているボランティアの方に感謝します。 (3班作成)


横穴の観察。おそらく石材技術を持っている九州の人たちの家族墓地で1つに3~4人埋葬されているらしい。 ネジキ(捩木)の観察。“三大美芽”の1つで枝の先と冬芽が赤く美しいが枝葉は有毒である。 高井田山古墳。日本で最初の百済王族の夫婦埋葬墓地。火熨斗(ひのし)のある方に女性が埋葬か?







月 日 : 2019年3月20日(水)晴れ

講座名 : コケの観察

講 師 : 木村 全邦先生(森と水の源流館)

場 所 : 橿原公苑本館会議室・橿原公苑(奈良県 橿原市)


   午前中はコケについての座学です。「コケ」は「木毛」の意。約4億年前初めて陸地に生きた植物です。コ

ケ植物には蘚類、苔類、ツノゴケ類の三つのグループがあり、日本には約1,700種、世界では約2万種見つかっ

ています。コケ植物には根、維管束が無く花を咲かせませんがオスとメスがあり、受精後、胞子体の蒴の中で

作られた胞子を散布することで増えていきます。先生のとめどないコケにまつわる話を聞き、4億年も生き抜

いてきたコケに学ぶものは沢山あると感心しました。


  午後は橿原公苑でのコケの観察です。山を歩いている時、地面いっぱいに生えているコケを踏んでは可哀そ

うなので端を歩いたり、跳んだりしていましたが、先生は「コケは踏んでいいんですよ!」と話され、自らジ

ャブジャブ踏んで実演。「ああ、踏んでいいんや~」と安心。最初に見つけたのは木に自生しているサヤゴケ

、コダマゴケ。地面に生育するエゾスナゴケをルーペで観ると葉は明るい緑色の星形で、また可愛らしい胞子

体も見ることが出来ました。その後、20種類ほどのコケを観察し、ルーペで観ると、どれも本当に可愛らしく

それぞれ一生懸命に生きているんだなあと愛おしくなりました。(3班作成)



コケ植物ってどんなもの?コケ植物の一生、繁殖方法などを学びます。 まずはルーペの使い方の説明を受けます。ルーペを目に固定してから観察したいものを近づける。太陽は絶対に見ないように。 エゾスナゴケ。水を含んだ時、葉は星形になり、ルーペで見ると美しい。乾燥に強く屋上緑化に使われる。







月 日 : 2019年3月13日(水)晴れ

講座名 : 里山の竹の間伐体験

講 師 : 田淵 武夫先生(富田林の自然を守る会代表)

場 所 : 
滝谷 奥の谷(富田林市)

   「滝谷 奥の谷」は、滝谷不動から西へ入った小さな谷間で、1月9日の講座につづいて2回目です。

午前中は、「富田林の自然を守る会」の屋根裏部屋での講義です。パワーポイントを使った画面を見ながら、

竹についての多面的な説明を聞きました。「竹は木か草か?」、「竹と笹の違いは?」、「世界の竹の分布」

、「筍は何日くらいで竹になるか?」、「竹の花は、何年に一回咲くか?」、「花が咲いて、どうなるか?」

…身近な植物なのに、知らない事だらけです。竹は、ヨーロッパやアメリカには全く生えていないそうです。

 竹に関する現在の大問題は、竹藪が周囲に広がり続けていることです。人間の手が入らなくなった里山が

、竹に浸食されているのです。近い将来、何らかの対策が必要なのではないでしょうか。

  昼食後は、南側の山に入って竹の間伐を体験しました。筍を収穫するためには、間伐が必要なのだそうで

す。以前に檜の間伐を体験しましたが、竹は空洞なので切りやすく、一人で5本も切り倒した受講生がありま

した。倒した竹は数本に切り分けて、谷まで運びました。
(3班作成)

ソーラー発電、薪ストーブ、土壁、秘密基地のような部屋での講義。屋根から光が所々漏れていますが雨漏りは無いとのこと。 焚火を囲んで食後のテータイム。昼食は豚汁、焼き芋、竹ご飯で体も温まり間伐体験にいざ出陣! 竹を倒す人、小分けに切る人、運ぶ人 みんなで手分けして頑張りました。乾燥させチップにする前の大変な作業です。







月 日 : 2019年2月27日(水)晴れ

講座名 : 動物園見学

講 師 : 西岡 真先生(天王寺動物園 獣医)

場 所 : 
天王寺動物園(大阪市)

   「動物の餌とウンチ」についての講義を受ける。動物観察では堂々たるシロクマのイッちゃんが雪の中の

おやつを探す可愛い仕草と、レッサーパンダの可愛い食事風景に癒しの時間を過ごした。動物園では餌はバッ

クヤードで大まかに作って、各獣舎において細かい調整作業後、食事をさせる。コアラは特殊で他の動物が食

べないユーカリの葉(毒素が有る)を食べる。解毒しエネルギーに変換するため2m程の盲腸が有り、また、

水は飲まずユーカリから水分を獲る。動物のウンチの標本を前にしての解説。草食動物は肉食動物に襲われる

危険があるので、直ぐ逃れるよう小さなウンチを早く排泄する。キリンは安全な場所に行って反すうしてゆっ

くり食べる為、ウンチには繊維が残っていない。ハイエナは骨ごと食べるのでウンチは白く、レッサーパンダ

は食べたものがそのままの色で排泄される。個体毎に特徴的なウンチが有るようである。縄張りの主張のため

サイはウンチを踏んで歩き回り、カバはまき糞をする。講座の最後に講師は問いかけてくれました。人類は植

物が長年かけて地中に閉じ込めたCO2を、化石燃料の消費で大気中に放出し、温暖化を進め、北極ではシロク

マの生息域が狭められている。カンムリシロムク(バリ島)は人間の開発による生息地の破壊、ペット用とし

ての乱獲、密猟などにより生息数は激減している。どう思いますか?


  動物園は単に人間のレクリエーションの場だけでは無く、動物の生態を知ることにより共生していく道を学

ぶ場でもあるように感じた1日でした。(3班作成)


国際ホッキョクグマの日のイベント見学。雪のプレゼントにシロクマの“いっちゃん”大喜び!地球温暖化で絶滅の危機に直面しています。 レッサーパンダの中では新米のメスの“さくやちゃん”。次は私の番かなあ~リンゴが大好き! 水辺では冷えないようにいつも片足立ちのフラミンゴ。体が赤いのは餌から色素を摂取するからです。







月 日 : 2019年2月20日(水)晴れ

講座名 : 自然観察の視点

講 師 : 菅井 啓之先生(京都光華女子大学 こども教育学科教授)

場 所 : 
栂文化会館・西原公園(堺市)

   午前は「自然観察の視点」というテーマで座学。自然観察というと物の名前を覚えたら良いと思っている

人が多いが、自然は人類が誕生する前から存在したもので、あとから名前を当てはめたにすぎない。そして名

前を知っても、わかったことにはならない。花咲くヒラドツツジを見ても、その後の実を付け、種の生長まで

は見ていない。いのちのありかた、営みを自然から直接学ぶ「自然を読む」ことが自然観察である。いのちあ

るものには全てに存在する意味がある。世界最小のウニや23ミリの微小貝も広い海の中で同種のものに出会

い子孫を残す“不思議”に感動する。そしてお互いのいのちをあるがままに受け入れ、共存していくことが大

切なのだと学ぶ。


  午後からは西原公園での観察。アイリスの葉は二つ折にピタッとくっついているが、内側が表、外側の両面

が裏で、ネギも外側が裏で内側のヌルッとしたところが表という。では私達はアイリスもネギも裏しか見てい

なかったのか!? モミジバフウにまだ実が残っているのは、時期をずらして落ちるからという。天変地異に

よって全滅するリスクを避けるため、と聞いて感心。木の根元は落葉が溜まらず陰にならないから苔が可愛い

芽を出し密集して生えている。反対にカシのどんぐりは落葉がないと芽が出ないので苔と対照的。又あちこち

に倒木が目立つ。樹木は地上部と地下部の量が同じでないと生きていけないことが良くわかる。実物を観て、

触れて不思議と驚きの連続。気づくことの喜びと同時に“自然観察は楽しい”と実感した一日でした。

                                        (3班作成)

マメウニの殻。小さい穴が肛門、大きい穴が口。先生が砂浜で一粒ずつ拾い上げられたもので、台風で出会えた貴重な資料です。 アイリスの葉っぱの観察。二つ折れになっていたとは知らなかった!見えている方は 表か?裏か?どっちでしょうか。 クスノキの倒木。公園の木は移植する際に支柱根を切るので倒れやすいそうです。倒れても、精一杯、生きようとしている姿にエール!







月 日 : 2019年2月13日(水)晴れ

講座名 : 環境対策施設見学

講 師 : 各施設担当者

場 所 : 
舞洲スラッジセンター・舞洲工場(大阪市)

   大阪市舞洲スラッジセンター(下水処理工場)を午前に見学した。アラビアンナイトの世界を思わすよう

な豪華な建物で、玄関先には設計に携わったフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏の「私は自然との

調和をはかりながら生きてゆかねばならない」が掲げられ、施設の環境思想が読み取れた。大阪市内には直径

6.5
mの管を含め総延長4,950㎞が敷設されている。下水は各家庭から下水道処理場を経て10時間程で処理水と

して河川に放流される。残った汚泥はスラッジセンターに送られ、溶融炉で1,3001,400℃の熱でスラグ化し

、下水管敷設工事の埋戻し材として有効利用されている。下水に高分子ポリマーを入れ水と汚泥ケーキに分離

する実験には驚かされました。

 午後の舞洲工場(清掃工場)もフンデルトヴァッサー氏の設計による建物で、破砕と焼却施設から構成され

ている。焼却処理能力は450tX2/日で、900℃以上の温度で焼却しダイオキシンの発生を抑え、臭いも除去し

ている。収集物は焼却後、重量で1/5、容積で1/15の残渣となり、無害化したうえで大阪湾に埋め立てられる

。また収集された金属類等は自動分別され再生利用に回されている。

  私たちは、この見学で両施設にかける負荷をできるだけ小さくし、自然と共生していけるよう日常生活を見

つめ直す良い機会を与えられたと思いました。(3班作成)

青空にそびえる煙突と溶融炉。空と海の青に溶け込み、将来への夢と希望を表しています。 粗大ごみを大きなツメのクレーンで持ち上げます。まだまだ使える物もありもったいない! 地球の息吹や炎を感じさせる舞洲工場の外壁。あの仮装窓は遥かなる未来の扉に思える。







月 日 : 2019年2月6日(水)雨のち晴れ

講座名 : 絶滅危惧植物入門と剪定実習

講 師 : 本田 高史先生・森 由紀子先生(大阪府立花の文化園職員)

場 所 : 
大阪府立花の文化園(河内長野市)

   前の座学は植物の多様性保全について学んだ。私たちは生態系により化石燃料等色々な資源とその過程

から多くの恩恵を受けている。生態系の中にいる生物も又複雑に絡み合っている。植物は光合成を得るために

背丈を伸ばして光を奪い合う。美味しい桜餅、あのサクラの葉には他の植物の育成を妨げるクマリンという毒

素が含まれている。カンコノキとハナホソガの絶対送粉共生の不思議な関係等も興味深い。生態系を維持する

ためには、多様性(生態系、種、遺伝子)が必要。例えば、牡蠣を養殖する人は海中のプランクトンを増やす

ため、山に木を植える。日本に自生する約7500種の植物にうち25%が絶滅危惧種に指定されている。植物が減

っているその原因は人の生活が影響していると考えられる。私達は今後も自然からの恩恵を次の世代に渡して

いかなくてはならない。花の文化園などの植物園では様々な角度から多様性保全に取り組んでいる。

  午後は基本的な剪定の講義を受け、雨の止んだ現地に移動。まずキンモクセイ5本を剪定。「車枝などは栄

養の邪魔になるので、遠慮なく切っても良い」との言葉を受け、皆の大胆な剪定が始まる。いつの間にかキン

モクセイはスッキリした風情になったが少し不安になる。次はセイヨウカンボクの剪定。「花芽があるので少

し気を遣って」と注意を受けるが、だんだん大胆になり終了。木の姿を見ながら木の声を聴いて場所を間違え

ないで地道に切る。なんだか“木育て”も“子育て”と一緒だなあと思った。(3班作成)


 
これは松に寄生するマツグミ(赤い実が食べるグミに似ている)。寄生された松は枯れにくいそうです。“マツグミの恩返し” 雨も止み、足取りも軽く、やる気満々で剪定実習場所に移動中。 青空の下、セイヨウカンボクの剪定。どの花芽を残そうか?どこから切ろうか?迷います。







月 日 : 2019年1月30日(水)晴れ

講座名 : 地球環境問題と私たちの未来

講 師 : 厳 圭介 先生(桃山学院大学 社会学部教授)

場 所 : 栂文化会館・西原公園(堺市)

   『地球温暖化の現状・社会への影響と今後の予測・太陽エネルギーの可能性・持続可能な生活に向けて』

について学んだ。1800年代の産業革命以来の化石燃料(石炭・石油)の使用、森林の破壊、プラスチックごみ

の増加等により、二酸化炭素量は増え続け地球温暖化の原因になっている。現象として海水温度の上昇、海面

の上昇である。氷河の表層が溶けることにより、海面は年に平均3㎜上昇し、これからも加速していく。温暖

化による社会的現象は猛暑・干ばつ・台風の大型化・国土の損失・降水量の増加・生物の絶滅リスクの上昇・

生息環境の劣化・多くの生物の北上などである。
持続可能な社会にするためのキーワードは太陽光・風力発電

・地熱の利用 木材(森林面積を増やす)・植物等である。
温暖化対策はこれから未来の人々のために今を生

きている私たちが取り組まなければならない課題だと思います。

  午後からソーラークッカーを使ってエコ料理。天気も良く、ソーラークッカーの反射板が眩しい。中央に手

を置くと温かい。程なくして、目玉焼きが出来上がり、皆で少しずつ分け合い試食。おいしい!私の子どもが

小学生の時の夏休みの自由研究で、保冷箱にアルミを反射板にして、太陽光でゆで卵を作ったことを思い出し

た。思っていたよりも早く、焼き芋とアツアツのご飯が出来上がり、賑やかさの中でおいしく試食した。改め

て、太陽光熱のエネルギーに感動しました。(2班作成)


ソーラークッカーいろいろ。カルピカや先生お手製のもの、簡単に作れるものなど。

太陽光の恵みに感謝し、アツアツのご飯をみんなで試食。美味しかった!
グレートバリアリーフの珊瑚の白化現象。酸素を作り出せないので海の生態系のバランスが失われるそうです。







月 日 : 2019年1月23日(水)晴れ

講座名 : 野鳥観察②

講 師 : 野上 豊彦 先生・市川 勝三先生・山西 治朗先生・仲 淳一先生(泉北野鳥の会) 

場 所 : 狭山池(大阪狭山市)

   天気晴朗なれども風強しの狭山池を一周しての探鳥会でした。最初に、講師より見つけた野鳥を皆で同定

するコツを教わりました。

・大きさ比較:スズメ、カラス、ドバトなど誰でも知っている鳥をものさし鳥にして比べる。

・鳴き声で選別:さえずり、地声など(しかし、声での見分けは難しい)

・羽の色

・クチバシの色、形

・環境と季節:どこで?いつ?(公園、林、池の近く、四季、朝昼夕など)

 観察スタート。まず、目に入ったのが池の主のように中の島でたむろしている数羽の“カワウ”の面々。た

った一羽でも他のカモ“ヒドリガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ”達にお構い無く悠々と泳

いでいる“カワアイサ”。潜ったかと思うと思いがけない所から顔を出す“カイツブリ”や“カンムリ(冠)

カイツブリ”。岸辺の干潟には、“大中小のサギ”達の揃い踏み。“アオサギ”は少し離れて兄貴分の風格。

西除川の流入河口では珍しい“セグロセキレイ”と近くでパッと飛び立った“カワラヒワ”56羽。春の訪れ

を待つ“ヒバリ”が西池畔の日だまりで日向ぼっこ。お弁当を食べながら見上げた空には“ミサゴ”が羽を広

げ、皆の見守る中、黄色い長い足で稲株畑を散歩する3羽の“ケリ”。西除川の流出河口の奥まった木陰には

“カルガモ”や“コガモ”がかくれんぼ。この日、先生に案内されながら31種類もの野鳥を確認することが出

来ました。
これまでの探鳥会を通して想う事は、野鳥も私達人間も他の生物も、お互いせめぎ合いつつも、こ

の地球を住みかとしている大切な隣人同士と言うことです。(2班作成)

「いるよ、いるよ。」「どこ?どこ?・・いた!いた!」「綺麗な羽の色だね!」こんな会話が聞こえてきそうです。 カワウ、ヒドリガモ、ホシハジロなど人工島に群がる水鳥たち。 鳥合わせ。探鳥できた野鳥も出来なかった野鳥も1羽1羽、その鳥の特徴やエピソードを聞きました。







月 日 : 2019年1月16日(水)晴れ

講座名 : ネイチャーゲーム

講 師 : 井上 健太郎先生(ネイチャーゲーム指導員) 

場 所 : 堺市立栂文化会館・西原公園(堺市)

   ネイチャーゲームとは「シェアリング ネイチャー」(自然の喜びをわかちあおう)をキーワードに、自

然から体感し感動した事を分かち合い学ぶことが出来るゲームです。
まず、最初のゲームは「わかりやすい 

かくれんぼ」。折った折り紙を持って、西原公園に。森の小動物たちが身を守るためにどのようにして隠れて

いるかを想像し、決められた区域内に折り紙を隠します。その後、天敵となって一定の方向から折り紙を探し

ますが、擬態など知恵を生かし、工夫した隠れ方もあり、すぐには見つけることができませんでした。

 2つ目のゲームは「森の色合わせ」。18色を印刷したカードを持ち、三人一組で同じ色の物を何色探し出せ

るかな? ぴったりの色の物を見つけるのは難しくて、三人の話し合いが重要。


 3つ目のゲームは「サウンドマップ」。折りたたんだ白紙の中心に印を付けて、ここを自分の位置とし、目

を閉じ、耳を研ぎ澄ませて、聞こえてくる音を言葉ではなく、記号や形などで表し、音の地図を作りました。

音の地図を見せ合い、教え合いをしながら、情報のシェアリングが出来ました。

 4つ目のゲームは「木の葉のトランプ」。二人一組で二枚のシートに各々共通点(色、形、大きさ、種類等

)のある探した物を貼って同じカード(トランプ)を作り、神経衰弱ゲームで楽しく遊びます。木の葉、花、

木の皮まで有り、素敵な綺麗なカードが出来ました。


 5つ目のゲームは「フォールド ポエム」。四人一組になり8つに折りたたんだ(フォールド)紙に、順番

に言葉を入れて、書くと折りたたみますが、見えるのは前の一行と本人のこれから書き入れる一行のニ行のみ

となります。最後は全部開けてグループごとに読み上げました。それぞれ特徴が出ていて、面白い詩が出来上

がりました。この五つのゲームを通して、自然への気づきや感動を分かちあって共に喜び、井上先生の楽しい

話に笑い、子供の頃に戻って遊んだ一日でした。(2班作成)

何個集まった?すごいね!“森の色合わせゲーム”が終わり、情報交換して自然の喜びを分かち合っています。(シェアリング ネイチャー) 食後のお昼寝ではありません。耳を研ぎ澄まし自然の音を聞いて音の地図を作ります。(サウンドマップゲーム) 神経衰弱ゲームで最後に全部揃って、こんなに綺麗なカードが出来ました!(木の葉のトランプ)







月 日 : 2019年1月9日(水)晴れ

講座名 : 春の里山観察とお粥作り

講 師 : 田淵 武夫先生(富田林の自然を守る会代表))  

場 所 : 滝谷 奥の谷(富田林市)

    今日の講座は「里山観察とお粥作り」。七草粥を食べたことはあるけれど、採集からお粥作りまでの経験

のある人は少なくて、貴重な体験ができそうです。先生より里山地域の概要説明で、以前はミカン畑とのこと

、今は森、時の流れを感じました。ライフラインが通じてないため、電気はソーラー、トイレはバイオ、水は

雨水他、つい自分の生活の便利さ・楽さを痛感。春の七草の資料を見ながら皆で採集スタート。名前は言えて

も、摘み取ることは難しい。手馴れた人はさすがに多く採集。採集した七草らしきも含め、先生の同定を受け

、それを、女性チームが料理、釜に七草粥が完成。お漬物、玉子焼き、梅干し、唐揚げ、昆布も添えられ、各

自のお椀には湯気の立つ七草粥、そしてワイワイガヤガヤと楽しそうな会話もすすみ、奥の谷はさながらラン

チバイキング会場。七草粥を食べると邪気を払うとの言い伝えがあります。参加の皆さん、この一年無病息災

が約束されそうです。

午後は奥の谷の裏山の散策です。途中、竹炭の窯があり、竹炭の作り方の説明を受けます。今も消臭剤等に

利用されています。尾根を歩く中で、左右の斜面の違いの説明を受けました。人の手が入らないと森は照葉樹

、竹林に
遷移していき、最終的には社寺林・鎮守の森になりバランスの悪い生態系、小動物が生きづらい状況

になってしまいます。いろいろの原因で里山保全が難しくなっていますが、生物多様性の視点でこれからもこ

のような活動が重要になってくると教わりました。

 講習終了後、カニまでついた最高の懐石料理で新年会!お酒も入り皆さん、ほのかに赤い顔、いろいろ会話

もすすみ、親密さも深まったようです。今日も一日楽しく過ごすことができました。(2班作成)


食べられるかどうか、毒がないか、など先生に同定して頂きます。七草はこちらに分けましょう。 自分たちで摘み取った七草粥と持ち寄りのおかずでランチタイム。心も体も温まり、満足、満足。 間伐された木の皮を皆で賑やかに剥いて、1本干してきました。どこかで木の階段に使われるでしょうか。







月 日 : 2018年12月19日(水)晴れ

講座名 : 気象と天気

講 師 : 三橋 功治先生(株式会社三隆国際気象 代表取締役)  

場 所 : SAYAKAホール(大阪狭山市)

   ここ数日の冷え込みは少しおさまり、この日の気温は最高13℃、最低4℃ 降水確率0パーセント。

SAYAKA
ホールへの足取り軽く到着。初めに「気象はわかりづらいし、わかるものではない。」という言葉を聞

き、ほっとして肩の力が抜けたように感じた。 前半は先生が支援・協力しておられる発展途上国であるバン

グラデシュなど、それに関連するODAJICAなどの話を混じえながら気象庁(現在は国土交通省管轄)の組織

、気象情報の流れ、世界気象機関など普段聞けない内容を話され、そ~なんだとものしりになった気がした。

当然のように目にしている気象予報が多数の気象予報士のおかげで私たちに発信されていることを改めて実感

し、ありがたいと思った。その後、いろいろな警報、危険度分布、避難情報の種類と避難行動など近年多発す

る災害時に知っておくべき話を聞いた。特に【指定緊急避難場所】と【指定避難所】を区別しチェックしてお

こうと思った。今後のために準備しているといざというときにあわてなくてよい。午後の講座はいろいろな雲

の種類を聞き、【雲を見て、天気を予想しよう】の後で、少しお遊び心の入った天気の推定クイズ。天気図を

見て、○月○日の天気を読み取る、次に、「高層天気図」を見ながら翌日の予想をするという難題に取り組ん

だ。(???が頭の中を飛び交った。)天気予想をするため各気象観測が自動化されている部分は多いが、緻

密な部分は判断が必要で、やはり人の作業だと聞き、感心しました。天気予報の裏側には私たちが知らない多

くの活動がまだまだあることだろう。そう思うと、関係機関の方々に感謝したい。この日の夜、子どものころ

、近所の友だちと下駄や靴を飛ばした遊びを思いだした。♪あーした てんきに なーれ♪(2班作成)


 
この雲の名前は?羊雲です。低い位置に発生する高積雲で明日は雨かな? 実況天気図や気象衛星ひまわりの画像を見ての指定場所の天気の推定。う~ん、難しい! この数字は何でしょう?数値予報天気図です。コンピューターで自動作成されたものだそうです。







月 日 : 2018年12月12日(水)曇り時々雨のち晴れ

講座名 : 農業体験③

講 師 : 四日 克彦先生 他スタッフ数名(ゴールドファーム)  

場 所 : 北阪農園・神於山農村公園(岸和田市)

   今日も小雨からの作業が始まった。男性はハウスの解体、女性は昨年「なにわの伝統野菜」に認証された

難波葱が育つ畑の草抜き。この葱は7月の農業体験時に採取した種で、ゴールドファームの方が苗床で10セン

チ程に育て、9月の体験で定植したものです。今では25センチ程になっていたが、害虫駆除用に木酢液のみ使

用の無農薬栽培と、さらに台風と日照不足のため生育は良く無い。しかし来年1月から3月頃には50センチ程

になるらしい。女性はサツマイモの蔓の山に混じったビニールシートの回収、材木や廃材の移動。休憩時には

建てかけの小屋の話を先生から伺った。次はみんなで9月6日に植えられた鞍馬大根の収穫。力も要らず次々

簡単に抜けた。30㎝近い物から10㎝に満たない物まで様々。大きな大根20本程をからし漬用に、その他は皆で

分け、お土産に戴いた。神於山農村公園に移動。朝とは違い青空になったが風は冷たい。昼食時、先生から試

食用に提供された鞍馬大根のからし漬は、歯ごたえも良く甘さと辛さのバランスが良かった。この試食は受講

生にこの味を記憶させるためと戴いたレシピ通りに作ればこのような良いからし漬けができる意図が見えまし

た。からし漬体験は皆さん賑やかに素早くアッという間の出来事。台風による甚大な被害にもめげずに、金胡

麻・鞍馬大根・難波葱等の希少品種を守り育てるゴールドファームのスタッフの皆様の強い思いが伝わってき

た。片手には自然への畏敬の念、もう片手には鞍馬大根とからし漬。大地の恵みに感謝しつつ帰路についた。

2班作成)


 
台風で倒壊したハウスの留め金外しの作業です。 今日のメインイベント、大根の収穫スタート!大ぶりの大根はからし漬けの講習用に残りはお土産に戴きました。 “八つ切り?”“違う違う四つ切や!”賑やかな大根切り。あっという間にからし漬けの作業終了です。皆ですればとにかく早い。







月 日 : 2018年12月5日(水)快晴

講座名 : ネイチャークラフト

講 師 : 北尾 祐介先生・三枝 茉莉先生(堺自然ふれあいの森 スタッフ)

場 所 : 堺自然ふれあいの森(堺市)

   今日の講座は「ネイチャ-クラフト」の創作、最近のシニアの方々に「手作り~」が人気になっている。

脳の活性にいいのかもしれませんね!午前はクラフト材料集めと冬が訪れたふれあいの森の散策。サァー出発

!堺自然ふれあいの森は5月、7月に続き3回目の訪問で、皆さんの段取りは抜群、手慣れたもの。材料集めと

先生の説明を聞く。同時に耳と手を動かすのは大変でした。

先生からこんなお話がありました。

・シリブカガシ(尻深樫);別名はイッチンどんぐり

・イヌツゲ;役に立たない・・・どうして?

・南天;赤い実・薬用になる

・ヤマハゼ;ウルシの仲間

・ネズミサシ(鼠刺し);とげをネズミの撃退に利用?

・キクイムシ(木食い虫);里山の現代病になっています!

・ヤマモモ;昔の人はシンボルツリーとして利用!

狸の糞を発見!家族で同じ場所に脱糞とのこと。昼食後、今日のメインイベント;ネイチャ-クラフト(リ

ース)作り。まずは練習にススキを使ってのネズミ作り。簡単なようで難しいです。サァー 次は、各自お手

製の葛のつる台を使ってリース作り。これは自由課題のため、意外と創作意欲をくすぐられたのか?皆さんは

夢中で真剣になりました。集中のあまり無言! 会話も一休み!次に「どんぐりでネズミ?製作」、玄関にで

も飾れそうです。最後に自作のクラフトを持ち、集合写真を撮りました。皆さんの「幸せ」の顔、顔、顔!心

が癒された一日でした。(2班作成)


                   

       散策風景(材料集めと先生の説明を受けます。)      皆さんの力作のリースです。

自作のリースを持ち、皆さん、満面の笑みでした。







月 日 : 2018年11月28日(水)曇り

講座名 : 野鳥観察①

講 師 : 野上豊彦先生・山西治朗先生・掛川よしえ先生(泉北野鳥の会

場 所 : 大泉緑地(堺市)

  野外での冬鳥や留鳥の野鳥観察(バードウォッチング)。観察を始める前に先生から双眼鏡の調整の仕方、

観察時の「静かにそっと」等のフィールドマナーの講義があった。探鳥リストを持って観察開始。最初は鳥を

よく観察できると言う「水浴び場(バードバス)」に行った。頭上に小さな「ヒヨドリ」が木に止まっていて

、双眼鏡で観察しようとするがよく移動するので中々捉えられない。難しい。「メジロ」「シジュウカラ」等

を観察している途中、珍しい「オオタカ」がいるとの情報があり、コースを変更して現地に急行。先生の探鳥

用望遠鏡でやっと観ることができた。翼を少し広げて凛々しい顔。その後、日本の野鳥で最小と言われている

長い尾の可愛い「エナガ」、「百舌鳥の速贄(はやにえ)」と言われ、大阪のシンボルの鳥である「モズ」、

頭泉池では「マガモ」「カルガモ」「ヒドリガモ」「オオバン」、珍しい「アカハジロ」等を観察。カモ類は

渡り鳥で、夜はここでは安全な池の蓮の間で寝るとのこと。先生は突然飛び出した鳥を見て「ハクセキレイ」

と瞬時に同定された。素晴らしい。これもいつも観察されている成せる業(わざ)か。最後に野鳥のイラスト

で特徴等の講義と鳥あわせをした。参加人数以上の32種類も観察できたので「大成果」。リストにないアカ

ハジロ・オカヨシガモ・カンムリカイツブリの野鳥も観察できた。野鳥の可愛さと逞しさを感じられた楽しい

野鳥観察でした。(2班作成)

 
 
「どこどこ?」「あそこあそこ!」「いたいた!」 黄葉の中、鳥をレンズに合わせるのは難しい。 頭泉池では一番数が多いヒドリガモ。ピューピューと泣きそれぞれに違う羽色で個性的。 シダレヤナギの上のアオサギは上から獲物を探しているのかな。







月 日 : 2018年11月21日(水)晴れ

講座名 : 紅葉と冬芽の観察

講 師 : 栗谷 至 先生(大阪自然環境保全協会理事)

場 所 : 和泉シティプラザ・宮の上公園 (和泉市

  午前の座学では「樹木の季節変化」「葉の色の変化」「冬芽の状態・各部の名称」「ブナ科とニレ科の見分

け方」そして「ドングリの見分け方」の講義。落葉樹は「開葉期→展葉期→着葉期(光合成)→落葉期」と1

年サイクルで変化。落葉前に葉の中の栄養分を回収して幹や根に蓄える。副産物として葉緑素(緑色のクロロ

フィル)が分解され、緑色の葉から紅葉、黄葉、褐葉に変化し、美しい景色を織りなす。紅葉する理由(目的)

は「落葉する直前に養分を回収し組織を守る説」「害虫に対する戦略説」等が言われているが結局は解らない

とのこと。植物の不思議さと逞しい一面を感じる。午後は宮の上公園で植物観察。モミジバフウやメタセコイ

ヤは、紅葉の色に鮮やかさを欠いていたのは秋に暖かい日が続いた影響かもしれない。イロハモミジは、高い

所では紅く、中ほどは黄色で、下は黄緑色になっていた。上空から日光が当ることで、上は温度が高く下にな

る程温度が低くなるためとのこと。面白い変化である。アラカシやクヌギ等のドングリを「検索表」を見なが

ら調べた。ドングリの形や殻斗の形で同定したが、アラカシとシラカシ、クヌギとアベマキ等よく似たものの

判別は中々難しい。先生の和やかな駄洒落と、時には脱線しながらの講義はたいへん楽しく、いろいろな「気

付き」に出会えてますます植物に興味を持った。天気の良い日に野外を歩きながら、四季の自然に触れ、自然

を観察するのは楽しいものだ。(2班作成)


 
イロハモミジにうっとり。グラデーションの紅葉が美しい。 モミジバフウ(アメリカフウ)を見上げます。 クヌギのどんぐり。りっぱな座布団(殼斗)です。







月 日 : 2018年11月14日(水)晴れのち曇り

講座名 : きのこ入門

講 師 : 下野義人先生(三重大学大学院協力研究員

場 所 : ノバテーホール・長野公園 (河内長野市)

  午前の座学では、スライドを交えての説明。生物学的な定義に基づくと、キノコ(茸)は、厳密な意味にお

いては植物に分類することはできないと考えられ、動物と植物のどちらにも分類することができない菌類とい

う第三のグループに属する。石炭はどのようにしてできたのか?現在も同じような条件で石炭ができるのか?

答えはノーである。当時古代には分解者の腐生菌が存在しなかった。落ち葉や木材が分解されずに堆積し、石

炭となることができた。キノコが環状に生える不思議な現象「フェアリーリング」(妖精の輪)。キノコ菌が

散って段々と輪を描く状態でキノコが生えてくる。午後からのキノコ採集でこのフェアリーリングが確認でき

た。午後は長野公園へ移動し、班ごとに分かれて採集し先生に同定して頂いた。木にへばりついているオオミ

ノコフキタケを最初に見つけることができた。その後続々とチリメンタケ、大きなハナビラニカワタケ(プル

ンプルンで美味しそう)を採集。 話は変わって、本日は先生の誕生日でした。イギリスのチャールズ皇太子

と同年で誕生日が同じだということ。密かに年齢をチェック。年齢よりホントお若いのに皆が驚き!!拍手と

ハピーバースデイを皆で合唱し誕生日をお祝いしました。寒い中、先生に同定して頂きましたが、同定できな

いキノコもあり持ち帰って調べるとのことです。専門家の方でもキノコは難しいのだな~と感じました。やは

り素人は安易にキノコに手を出すなということですね!(2班作成)

 
きのことは?の説明を受けます。 たくさんのきのこが採集でき先生は同定に忙しい。 これがきのこ?ツチグリ(土栗)







月 日 : 2018年11月7日(水)晴れ

講座名 : 奈良公園の巨樹観察①

講 師 : 甲斐野 幸一先生 他スタッフ2名(グリーンあすなら

場 所 : 奈良公園 (奈良市)

 本日は気温24℃まで上昇、半袖でも快適な講座でスタート。

1.アラカシは、葉っぱの上半分の鋸歯が荒いのでアラカシと呼ばれる。

2.サクラは葉の付け根にある蜜腺で蟻を誘い、道中のダニや毛虫を捕らせる。

3.マツの葉は何億年前は葉が1枚だったが、光合成を多く得るために長い年月を経て2枚になった。

4.サクラの木は皮目から息をしている。(知らなかった~)

5.イチョウの葉は鴨の足に似て生きた化石とも呼ばれている。

6.木の高さの測定、器具を使っての実測。腕での簡易的な測定方法も教わる

7. 鹿が口の届く雑草・枝葉を食べるので(独特な景観:Deer Line)公園は約2億円の草刈りの経費削減。鹿  
 と人との共存が保たれている。

8.グループ分けをしての名前ゲーム。関連する共通点は何か?「山」「川」「木」等の文字が苗字に含まれて

 いると分かり、自然との関わり合いが深いことを示す。

9.ムクロジは仏教文化とともに日本に入ってきて、実は数珠になり、実の皮はサポニン成分が含まれているの

 で石鹸となる。

10.ナンキンハゼは紅葉の時期、赤が綺麗で人気であるが、外来種、「原則駆除」となってしまった。

 木は枝を切られたり、幹に穴が空いたりした時、自分自身を守るために傷口を修復する。脳が無いのになぜ

働くのか?傷口が空気と触れて反応するといった説があるらしいがまだ科学的には証明されていない。今まで

考えもしなったことが身近なところにまだまだ存在するのだなあと感じた次第です。先生は我々に「木の気持

ち」を熱く語られ講座が終了しました。(2班作成)


ナンキンハゼの紅葉は公園で1番人気ですが、シカは好まず増えすぎて困っている。 天を仰いでいる?指の先をイチョウの木のてっぺんに合わせた底辺が木の高さです。 シイノキの空洞。穴を塞ごうと自ら努力している。






月 日 : 2018年10月31日(水)晴れ

講座名 : 金剛山の植物観察

講 師 : 神山 善寛先生(金剛山の植物に親しむ会

場 所 : 金剛山ちはや園地 (大阪府千早赤阪村・奈良県御所市)

  金剛山ロープウェイ「金剛山駅」を降りると気温は9度、想像以上の寒さで、太陽の光を浴びて、なんとか

寒さをしのげることができた。金剛山の植生、落葉や紅葉の仕組みのレクチャー後、秋の金剛山植物観察をス

タート。この時期、山頂周辺のちはや園地には、花は少なく、樹木や木の実、草の実を主に観察した。イロハ

モミジ・ウリハダカエデなどの紅葉をはじめ、テンナンショウ、ツルリンドウ・ユキザサ・ツルウメモドキな

どの実を観察した。ノコンギク・シロヨメナ・アキチョウジ・イヌタデ・フシグロセンノウ・センブリの花な

どが辛うじて残っていて、合わせて50種類以上の草木が観察できた。観察している所々にヤマガラが飛び回り

、手のひらを出すと人懐こく寄ってきて、餌をせがんできた。冬に向かって餌をせがむ練習らしい。ヤマガラ

を相手に山頂に向かい頂上の手前(奈良県側)で、空を見上げると風でそよそよ揺れるブナ林の素敵な紅葉。

しばしたたずみ、癒しの時間と空間に心が洗われ、秋の金剛山植物観察を終了しました。
1班作成)

 

フシグロセンノウ(節黒仙翁)。野草では珍しい朱赤色の花。

紅葉をバックに集合写真。寒さを我慢してニッコリ。

テンナンショウ(天南星)の実。赤いトウモロコシ?美味しそうですが有毒です。






月 日 : 2018年10月24日(水)曇りのち晴れ

講座名 : ブナ林の保全

講 師 : 弘田 純先生(大阪みどりのトラスト協会/ブナ愛樹クラブ代表)他スタッフ数名

場 所 : 和泉葛城山 (大阪府、和歌山県の境)


  和泉葛城山の標高650m付近から頂上(858m)に茂る天然のブナ林は貴重な森林として大正12年に国の天然

記念物に指定された。ブナは平均気温が613度の涼しい地域で生育し標高1000m以下ではほとんど見られな

いことから、生育の南限と言われる。幹は白っぽく葉脈が10本前後のホンブナと、幹はやや黒っぽく葉脈が15

本前後のイヌブナがある。成長は非常に遅く、日当たりの具合で異なるが、日陰ではH5年の種が24年経ってや

っと1cmの幹で高さが60cmにしか育っていなかった。幹の断面には年輪が見られず材質が非常に硬い。種は6

7年周期で豊作となり、リスや昆虫が食べきれなかったものだけが地面に落ちて発芽し300年程かかり大木に

なるとの事。ブナ林が貴重な所以である。昼食後、3班に分かれて間伐の実習。足場と周囲の確認、倒す方向

をしっかり設定し、手鋸で作業。受け口の寸法や追い切りの方法など、沢山のノウハウがある。輪切りのヒノ

キのお土産は風呂に浮かべると檜のいい香りが大変心地良いとの事。イヌシデ、タラノキ、ヒバ、リョウブ、

コシアブラ、タカノツメの木やツルリンドウ、センブリの可憐な花なども沢山観察する事ができた。台風の影

響で大木がたくさん倒れ、一度の災害で数百年の営みが無になる自然の厳しさを実感した。(1班作成)


霧がかかって美しいブナ林のコアゾーンを眺め、説明を受けます。 作業小屋の前でハイポーズ!装備は万全です。 倒れたヒノキに一目散!枝落としに頑張ります。







月 日 : 2018年10月10日(水)曇りのち雨

講座名 : 甲山の自然観察

講 師 : 大橋正規先生(武庫ネイチャークラブ)


場 所 : 甲山森林公園(兵庫県西宮市)

  今にも泣きだしそうな空模様の中、先生の興味深い説明を聞きながら、多くの樹木に囲まれた甲山森林公

園の自然観察。紅葉した葉と緑の葉の両方が見られるホルトノキが出迎えてくれた。甲山のなりたちにも興味

をひかれた。花崗岩は大阪城の石垣にも使われ、今でも木々の間に残っている。途中、イイギリの赤い実に微

笑み、ツクシハギ、ヒヨドリバナ、チジミ笹、センニンソウなどを観察。日本の古き良き時代のお歯黒の話が

有り。女性が出産した後、虫歯になりやすいのでヌルデの虫こぶに多く含むタンニンを歯に塗ったとの事。理

にかなった口内衛生管理の為と知り感心した。展望台で昼食。晴れていれば近畿の山々が見えたのに残念。予

想より少し早い雨降りの為、午後に予定していた「仁川百合野町地すべり資料館」の見学は中止、観察コース

を変更して、予定を早めて講座を終了。又近い将来に快晴の下、先生の膨大な知識の伝授を心から願うばかり

です。
1班作成)

枝垂れて咲く、ツクシハギ ヌルデの虫こぶにはアブラムシが多数詰まっています。 お歯黒の説明に興味津々です。







月 日 : 2018年10月3日(水)晴れ

講座名 : 昆虫入門

講 師 : 山本捺由他先生(京都大学大学院 理学研究科)


場 所 : ファインプラザ大阪(堺市)・光明池緑地(堺市・和泉市)

  午前中は「昆虫ってなに?」をテーマに講義を受ける。およそ4億8千年前に誕生し、15千万年前には

今いる昆虫のグループ(目:もく)が出揃った。ゴキブリやトンボは比較的原始的な昆虫で3億年前にはいま

した。生物の中で、最も種類が多く100万種以上(記載種のみ.推定では500万種以上)で日本には約3万種程

生息する。脚が6本あり頭部・胸部・腹部の3部からなる生き物である。先生はハンミョウを専門に研究して

おられる。ハンミョウは路上で人が歩くたびに前方に少し進んでは止まり振り返る仕草を繰り返す動きをする

ので、別名「みちおしえ」とも言われる。シロスジメダカハンミョウはシダの茂る森で裸地の少ないところに

住み朽木に巣穴を作る。カワラハンミョウは砂漠や河原に生息し地表の高温を避ける為に足が長く、白い土地

に生息するものは白色で,黒い土地に生息するものは黒色です。因みにセッケイカワゲラは雪山に生息し白で

なく黒色です。ウサインボルト選手やチーターよりハンミョウの方が足が速いのには驚いた。「昆虫の今」の

まとめとして、人間活動により、日本固有種など多くの昆虫が絶滅の危機にさらされ危惧されている。午後か

らは外の草むらに出て、バッタや蝶、コオロギなどを採集し観察と同定をした。そう広くない場所だったが、

思ったより多くの昆虫がいて、驚いた。皆さん疲れを知らない子どもに返った様に、はしゃいで虫取りを楽し

んだ。そして私たち人類も他の生き物もいのちの繋がりで生きていることを学び(生物多様性)、この地球上

には不必要な生物はいないという大切な視点に気づくことができた。(1班作成)



昆虫とは?を学びます。 大きな網を振り回して昆虫採集に夢中。バッタがたくさん飛んでいた。 クビキリギス:指に噛みついたのを無理に離そうとすると首が取れるそうです。






月 日 : 2018年9月26日(水)曇りのち雨

講座名 : 農業体験②

講 師 : 四日克彦先生 他スタッフ数名

場 所 : ゴールドファーム(北阪農園 岸和田市)

  愛彩ランドに集合した途端に先日の台風の話題、被害状況や停電が続いたことなど、口々に。6台の車に分

乗し、畑ゴールドファームへ。前回、休憩や荷物置きとして使わせてもらったビニールハウスは、台風でビニ

ールの殆どが飛び、辛うじてフレームが残っているだけ・・・。もう1つのハウスは跡形もなくなっていた。改

めてこの度の台風の威力を感じた。班ごとにサツマイモの芋掘り、胡麻畑の草取りと土壌作り、胡麻の殻取り

・ふるいかけ、難波ネギの定植をした。台風の直前に急遽、刈り取って干してあった胡麻の殻取りは、量が多

くて大変! 茎を棒などに打ち付けて胡麻を落とす仕事は、農家では昔からこうして家族総出でやってきたの

だろう。粉が舞い上がる中、懐かしい歌を歌い続けて励む女性グループもあり、賑やか。最後には全員で取り

掛かり、やっとのことで胡麻の殻取り・ふるいかけをやり終えた。芋掘りでは、大きな芋を堀出し、歓声を上

げる人あり、「腰が・・・」「足が・・・」とぼやく人あり。10センチぐらいに育った難波ネギの定植を始める頃

に雨が降り始め、植え終わる頃には本降りになった。やっぱり13期生は雨と共にある。昼食時には柿を、帰

る時にはたくさんのサツマイモを頂戴して帰路につきました。(1班作成)


 
流れ作業で効率よく、刈り取った後の胡麻の根っこを抜きます。 たくさんのサツマイモの収穫。腰痛、膝痛の後遺症を気にかけながら・・ “あともう少し”と励ましあい、胡麻落としに歌声と共に頑張ります。







月 日 : 2018年9月19日(水)晴れ

講座名 : 天体入門

講 師 : 中島健次先生(那須香大阪天文台 天文台長

場 所 : すばるホール(富田林市)

  午前は“太陽と月”“惑星と衛星”“夜空の春・夏・冬の大三角形、秋の四辺形”“望遠鏡”等の講義でし

た。特に太陽と月のうごきの講座は記憶に残りました。太陽は朝、東の空からのぼって西に沈む。影の向きは

太陽と反対に昼は北、夕方には東に向く、これを利用したのが日時計。夏の太陽は空高くなり暖かく、冬はお

昼頃でも夏に比べて低く寒くなる、北極と南極を結ぶ地軸なるものが傾くからです。月は太陽と同じように東

から西へ、これは太陽や月が動いているのでは無く、私達のいる地球が北極の地軸から見て反時計方向に周っ

ているからです。走っている電車の中から景色が動いて見えるのと同じ理屈です。地球と月と太陽の位置の変

化によって月の光があたっている所が見え、月は三日月から半月になり満月へ形が変わります。新月から次の

新月になるまで29.5日かかり、昔は1カ月として暦にしていました。月が地球に最接近した際にみえるスーパ

ームーン、1ヶ月に2回満月になるブルームーン、皆既月食で月の表面が赤っぽくみえるブラッドムーン。こ

3つが重なったスーパーブルーブラッドムーンが35年ぶりに今年1月31日に出現し、特別な夜を見られた方

も何人かおられました。午後からはプラネタリウムで宮沢賢治の銀河鉄道の夜を鑑賞。ドームいっぱい360

に広がる銀河のパノラマ、天空の汽車に乗車したかのような夢の体験をしました。現実に夢見てられた方も、

宇宙に出会えた素敵な1日でした。クイズ:望遠鏡で絶対見てはいけないものは太陽と他人窓。(1班作成)


 
超 青い、超 赤い月。スーパーブルーブラッドムーンです。 天体望遠鏡、どのように覗きますか?ウン千円で購入できるそうです。 プラネタリウムの投影機。夢?の映像に酔ったのか少しふらつきます。







月 日 : 2018年9月12日(水)曇り時々雨

講座名 : 淡水魚入門

講 師 : 佃 十純先生(加呂登池自然クラブ

場 所 : 大泉緑地・加呂登池(堺市)

  大型台風の影響で大泉緑地公園の大木も倒れ、その惨状を目の当たりにした。講師の佃先生は「凡そ600

なぎ倒されたが、でも大木の根を見るいい機会ですよ。」とも話された。「淡水魚入門講座」はまずは、カタ

クチイワシ・ウルメイワシの煮干しの解剖です。各々の名前の謂れを聞きながら、イワシの鼻を探した。頭部

2つに割、飴色の脳と白い耳石を見つけることができた。胴体も2つに割、内臓や背骨を観察。白紙上にはボ

ロボロになったイワシ、何だか可哀そう。後半は淡水魚の講義。メインは姿かたちが類似しているメダカとカ

ダヤシの関係。卵胎生するカダヤシが生後2カ月で水草に産卵するメダカの生息を脅かしている現状。見分け

方はひれの違い、メダカの尻びれは旗状、尾びれはバチ型、カダヤシの尻びれはメスがうちわ状、オスが棍棒

状。メダカとカダヤシの混在した写真を目を凝らして見ても見分けは難しかった。午後は2組に分かれて、加

呂登池の淡水魚捕獲。先生から「網の仕掛け」「網すくい」「ザリガニ釣り」の仕方をユーモアたっぷりに説

明して頂いた。胴付長靴を履き、トラップを持って、池の中へ。30分後、モツゴ・タモコロ・ヨシノボリ・ザ

リガニ・カダヤシ・メダカ・スジエビなど大量の淡水魚を捕獲。しかしメダカは1匹で「メダカがカダヤシに

絶やされる危機」の現状を知ることが出来た。今回、子どもの頃を思い出し、楽しい時間があっという間に過

ぎ、講座が終了しました。(1班作成)


ユーモアたっぷりに、イワシの解剖の説明を受けます。 転ばないようにそろそろとトラップを仕掛けに池の中へ進みます。 大漁に大満足!この中にメダカは何匹?







月 日 : 2018年8月1日(水)晴れ

講座名 : ビオトープ入門

講 師 : 木村進先生(大阪自然環境保全協会理事・たんぽぽ調査事務局

場 所 : 大阪府立泉北高校(堺市)

  快晴、総勢23名が泉北高校の門をくぐる。先生は15年前泉北高校の一角にコナラの林を背景にビオトープを

作られ、今なおビオトープのネットワークに心を配られている。まず生徒たちが生育に取り組んでいる、三時

草、タデ、ステビア、しのぶの木等の見学。名も知らぬ私はすべて雑草木に見える気恥ずかしさである。さあ

ビオトープの見学です。ヒメガマ、ヨシ等が水面より背が高く伸び、アカメヤナギが池を見下ろしている。季

がくればオオミクリの花、ヒシ、ガガブタの花が咲き、交尾中のイトトンボが見られるという、まさに生きも

のの暮らす場でした。移動した教室では、ビオトープより採集したオオカナダモ(水草)、ゾウリムシ、ミド

リムシ、ボルボックス、ミジンコ等の微生物の観察。顕微鏡の焦点を合わせ覗く。「不思議!」「きれい!」

「かわいい!」「今日は皆、科学者だ!」の声が上がった。午後の講義はビオトープ造成から今日までの13

間、観察を継続し、ビオトープの環境条件の測定を常に行い、蓄積されたデータを基にして、多様な生物が生

息できるように心がけているという先生のお話。学校ビオトープは豊かな人間性を育成するための情操教育の

場である。今まで関心がなかったビオトープに心を寄せた一日であった。(1班作成)


 
ビオトープ(Biotop)って何?動植物の環境保全の話に熱心に耳を傾けました。 ビオトープ池での実地学習、ザリガニ、メダカ、池の水を採取 「見えた!見えた!ボルボックス、ミジンコ ゾウリムシ・・・」







月 日 : 2018年7月25日(水)晴れ

講座名 : 河口・干潟の生物

講 師 : 山田浩二先生 (貝塚市立自然遊学館研究員)

場 所 : 近木川河口・貝塚市立自然遊学館(貝塚市)

  毎日、熱中症警戒警報の続く中、貝塚の近木川(こきがわ)の干潟再生地(海水と淡水が混ざった汽水湾土

)での講義。干潟再生地には、絶滅危惧種の生物が棲み、ワンド(湾土)が河口にあれば、きれいな水が海に

流れるため、「干潟の環境を取り戻そう」(干潟生物が「水を浄化する」)と全国的に干潟の再生に乗り出し

ていることや地域の人たちが触れ合える場所づくりを目指していることなど干潟の役割、重要性を知ることが

できた。干潟再生地では、泥の穴の中から次々とハクセン(白扇)シオマネキが出てきて、片方のはさみを何

度も何度も動かしているカニの姿は、まるで私たちを歓迎しているかのようでした。手作りの釣り竿にちくわ

を付けたタコ糸を岩の間にたらしてのカニ釣りやウオッチング。クロベンケイガニ・タカアシガニ・コタバカ

クガニを採集。二色の浜に近い河口にも移動し、干潟の生き物探しを楽しんだ。ヤドカリ、ミミズハゼ、イシ

マキガイ、ケフサイソガニなどを採集。最後に貝塚市立自然遊学館を見学し、管内の生き物や自然の発見がつ

まっている展示物や標本を見て、学習。みなさん、今日1日猛暑にめげず、頑張りました。
(1班作成)


白い大きな鋏脚を振り上げるハクセンシオマネキ(絶滅危惧種)オスの恋ダンスを観察中。 汽水ワンドでのカニ釣り。なかなか釣れないので手で摑まえ、採集する方も。 投げ網漁の網の投げ方の特訓中。







月 日 : 2018年7月18日(水)晴れ

講座名 : 地質観察

講 師 : 佐藤隆春先生 (大阪市立自然史博物館・外来研究員)

場 所 : ラブリーホール・石川・千代田神社(河内長野市)

 今までの講義は動物や植物の生き物が対象でしたが、今回初めて生き物以外の大地(ジオ)がテーマでした

。午前中の座学で、約1500万年前に形成された瀬戸内火山帯の一部の証である嶽山と汐ノ宮に分布する溶

岩、石川の河原に転がるさまざまな岩石、気の遠くなるような時間をかけて、石川がつくった地形・段丘を学

んだ。午後から、石川の河原へ行き、先ず溶岩を観察、規則正しく並んだ柱状節理を直接触り、溶岩の破片の

中に極小粒の夜会のエメラルドを見つける事ができた。溶岩の近くの水辺には、地中から湧き上がる炭酸ガス

の泡を観察できた。次に、河原の石ころを観察、砂岩・礫岩・花崗岩など現物を見ながら
石の成り立ちや性質

などを
学んだ。最後に、近辺を散策しながら段丘の存在と成り立ちを先生の丁寧な説明で学ぶ事ができた。

1500万年、それ以前から僅かずつ今も続いている大地の活動の中で、我々は生かされているのだと考える

と、小さな人間と大きな大地のありがたさと不思議を感じました。暑さは大丈夫ですか、休憩しましょう、と

常に我々に気遣いされながら、下見、通り道の草刈りまでされた佐藤先生に心から感謝です。(1班作成)



猛暑の中、足元に気を付けて、石川の河川敷の溶岩を観察します。 柱状節理から割って頂いた溶岩を手に取って観察できました。 汐ノ宮公園。あそこに見える崖は1500万年前にできた河岸段丘です。







月 日 : 2018年7月11日(水)晴れ

講座名 : 両生類と爬虫類

講 師 : 木下裕美子先生 他スタッフ2名(堺自然ふれあいの森スタッフ

場 所 : 堺自然ふれあいの森(堺市)

 午前は両生類と爬虫類を比較しながら、次の事を学びました。両生類は体外受精で卵は殻がなく柔らかい、

皮膚は
鱗はなく粘性があり、皮膚呼吸により水辺で生息する。爬虫類は体内受精で卵は殻があり硬い、皮膚は

鱗があり肺呼吸で水辺でなくても生息できる。中でも、カメの卵が28℃以下だとオス、28~29℃でオス

メス両方、30℃以上ではメスに決まる事とか、両生類のイモリは泳ぐため尻尾は太くて長く、爬虫類のヤモ

リは皮膚が厚く尻尾は細くて長い。蛇のヤマカガシがヒキガエルを捕食し、ヒキガエルの毒を貯めて自分の毒

にして身を守る事がある。爬虫類のトカゲには手足があるが、土中で生きる蛇は手足が退化して無くなった。

トカゲはまぶたとは別に瞬膜があり目を守る。蛇にはまぶたはないが大きい透明なウロコがあり目の汚れや傷

を防ぎ、目玉を直接動かしてピントを合わせるなど聞き面白かった。午後から外に出て、運よくマムシ・カナ

ヘビを捕獲し、マムシの尻尾と胴体の境目を、カナヘビは第3の目と言われる頭頂眼痕を確認する。シュレー

ゲルアオガエル、トノサマガエル、ヌマガエル、オタマジャクシも捕獲・観察する。オタマジャクシは先に後

足が出て、次に前足は成長した右足が身体を突き破って出て、その後エラ穴から左足が出てくると教えてもら

いびっくり仰天する。いつもなら蛇など怖くて、直ぐ逃げてしまうが、皆さんと楽しい体験ができました。




カエルの苦労ゲーム。ゲームを通して(又は体を動かして)生態系のバランスについて考えました。
まむしと知らず確保。念入りに観察できたので次に遭遇しても大丈夫。 トノサマガエル、ヌマガエルの赤ちゃん、ヤゴ、カナヘビとニホントカゲなど採取。







月 日 : 2018年7月4日(水)雨時々曇り

講座名 : 農業体験①

講 師 : 四日克彦先生 他スタッフ数名(ゴールドファーム)

場 所 : 神於山農村公園・北坂農園(岸和田市)

  13期生初めての農業体験ですが、あいにくの天気の中、午前中はみんなで難波ネギの種子を選別し取込んだ

。一説では、[鴨なんば蕎麦]のなんばはネギとの事。難波がネギの産地で有った事から、ネギを[難波]と呼称

したらしいです。暗黙の了解で持ち帰った種で皆さんの口を唸らせる日が待ち遠しいです。午後は難波ネギ畑

の見学と、西瓜畑のアライグマ避けネット張りの作業。北坂農園では一面に開花した金ごま畑の見学。ごまの

花の可憐さに心癒されました。雨天の中、束の間の全員で力合わせてのジャガイモ掘り作業で、童心に返っ

てとても楽しかったです。聞くところによると、12期生の皆様が作付けして頂いたジャガイモに一同感謝申し

上げます。梅雨の最中、今回は天候には恵まれませんでしたが、四日先生の吉本にも勝るオヤジギャグの連発

に心和ませていただきました。私たちがジャガイモの作付けをする時も、14期生の皆さんがジャガイモの収穫

を喜んで頂けるように励みたいと思います。(1班作成)



ネギ坊主をふるいにかける手つきは徐々にうまくなる。 殻と種の選別機、「唐箕」を使っての作業はなかなか面白い。 ジャガイモ堀スタート。たくさんお土産に頂きました。







月 日 : 2018年6月27日(水)晴れ

講座名 : 磯の生物観察

講 師 : 睦谷一馬先生(水産技術センター スタッフ)

場 所 : 水産技術センター・豊国崎(泉南郡岬町)

  多奈川駅から徒歩25分、水産技術センターへ。始めに、水産技術センターの紹介ビデオを見て「海を見守る

・魚を調べる・海辺を再生する・魚を増やす」ための当センターの取り組みを学習しました。先生は展示物の

パネルを使って大阪湾の地形や魚種、浅い水深に適した漁法など話され、その後、私たちは栽培漁業センター

を見学。それぞれの大きな水槽を覗き込むと、クロダイ、トラフグ、ヒラメの稚魚がたくさん泳ぎ回っていま

した。クロダイの別名“ちぬ”の由来、フグの歯を切るわけ、ヒラメの習性・カレイとの違いなど興味深い話

を聞いた。大阪湾のプランクトンを顕微鏡で観察後、大阪湾の海洋環境の諸問題の講義を受け、水産技術セン

ターの役割が大きいことを再確認。午後、大阪に残された貴重な自然海岸“豊国崎海岸”で一人ひとり、小さ

なバケツを持ち、磯に棲む生き物を観察しました。波打ち際の石をひっくり返すとカニやヤドカリたちが右往

左往、愉快な生き物たちが飛び出してきます。「きらめく波に日常の憂いさが洗われ、足元が濡れるのも構わ

ずカニと戯れる最良の時を過ごせた。」(一口感想より)
 


トラフグの稚魚の水槽前で養殖の説明を聞きます。仲間を傷つけないよう歯切りの作業が行われます。

何が出てくるかな?海に足を浸すのは久しぶりです。
たくさんの生き物が採取でき、先生に同定して頂きました。







月 日 : 2018年6月20日(水)雨

講座名 : 浜辺の植物観察

講 師 : 木村進先生(大阪自然環境保全協会理事・たんぽぽ調査事務局

場 所 : せんなん里海公園(泉南郡岬町・阪南市)

  午前中は海岸断崖に生えるウバメガシ、トベラ、マサキ、ヒメユズリハ、シャリンバイ、珍しい日本ダンチ

クの葉を触り、「分厚いなあ」「硬い」「緑が濃い」とその特徴に気づき、先生は極度の乾燥、強風、海水の

飛散、直射光に耐え、厳しい環境でも生育できる植物の戦略を説明された。断崖風衝地のツワブキ、オニヤブ

ソテツなど草丈の低い植物も観察。午後は海岸環境の特徴と植生、塩分による浸透圧に強い植物や水分保持の

為、根を長く伸ばす植物のレクチャーを受けて、浜辺の植物観察。砂浜のハマヒルガオ、ハマボウフウ、コウ

ボウムギ、ハマゴウを、観察。海水に浸かる場所にはハマサジ、イソヤマテンツキ、ホソバハマアカザが生育

し、汽水域に向かって植物が帯状に群落を作っている様子を確認。岩場には外来種のナルトサワギク、アメリ

カネナシカズラも植生していた。途中、ヤマモモの実を見つけ、手を伸ばし味わう。大阪府下で2か所しか生

育していないヒトモトススキの希少価値を知った。自然海岸ではアオサやハマダイコンを観察、最後にオカヒ

ジキの試食で終了。終始、雨の中での観察ではあったが、厳しい自然環境の中で生育できる術や知恵を身に着

けた浜辺の植物に出会えて良かった。



イヌビワの実の中には蜂の幼虫が住んでいます。食べる時には気を付けましょう。

一瞬、雨が止みました。オカヒジキ、ハマダイコン、流れ着いたアオサ 美味しそうです。味見しましたが、しょっぱかった!
降りしきる雨の中、断崖のウバメガシを見上げ、午後からはハマサジの説明を聞きます。







月 日 : 2018年6月13日(水)晴れ

講座名 : 緑化入門

講 師 : 池田栄子先生・井上昌美先生(NPO法人グリーンカレッジ大阪)

場 所 : 堺市都市緑化センター・大仙公園内の日本庭園(堺市)

  軒下の緑化、夏の風物詩の吊りシノブ(しのぶ玉)作りに挑戦した。先生の穏やかな話しかけで部屋は和み

、丁寧な説明で制作の手は進み、一人ひとり満足度?%の吊りシノブを作ることが出来た。でも完成は今の見

栄えではなく、数年後、銀色の根が伸び、美しく生長した吊りシノブです。枯らさないようにトキワシノブの

特徴や育て方、世話する心を学んだ。制作後、先生の案内で都市緑化センター内の四季の庭、里山の庭(ホタ

ルの庭)、吉祥の庭、果樹園など植物テーマパークを歩き、スモークツリー、夏ツバキの花、ラクウショウの

呼吸根や半夏生の色彩など各々の草木を観察することができた。また草木にまつわる話や関連する短歌を紹介

され、特にユズリハの前では河井醉茗の詩「ゆずりは」の一部を読まれ、「人の世も同じね、次の世代に全て

を譲るために私たちは・・」心に染み入る話でした。午後も先生の案内で緑豊かな大仙公園内の日本庭園を鑑

賞した。池を挟んでのオカメザサの築山が美しく、穏やかに流れる石津渓沿いを歩き、園内の至る処にアジサ

イの花を見ることができ、風情ある花菖蒲の池を渡り、伝統的技術を駆使した園内を一周し、癒しのひと時を

過ごすことができました。



形、大きさは様々ですが、オリジナルの吊りシノブが出来ました!

久しぶりの晴れの講座で足も弾みます。大仙公園の日本庭園に向かいます。
緑化センターと日本庭園に咲く花々(ギンバイカ、菖蒲、アジサイ、半夏生







月 日 : 2018年6月6日(水)雨

講座名 : 信太の森の自然観察

講 師 : 田丸八郎先生(信太の森FANクラブ)

場 所 : 信太の森ふるさと館、信太の森(和泉市)

  葛の葉伝説で知られている“信太の森ふるさと館”で「大阪の生物多様性のホット・スポット“信太山丘陵

”はどんなところだろう?」をテーマに丘陵の成り立ち、歴史・文化、自然環境、保全運動やその活動につい

て学びました。また四季折々の景色や動植物の姿をスライド写真で紹介され、50種超える絶滅危惧種が生息す

る信太山丘陵がどれだけ価値あり、未来の子どもたちにも見せたい場所であることを知りました。午後は信太

山丘陵へ。木々の間を通り、山道を下り、湧水湿地の惣ヶ池湿地が近づいてくると、住宅街の騒音は聞こえな

くなり、耳にする自然の音が心地よくなりました。木道の杭に時の流れを感じましたが、惣ヶ池湿地はまさに

大阪のオアシスです。「どんな生き物だって頑張って生きているのですよ。」しかし、トキソウ、サギソウ、

カスミサンショウウオの卵塊など希少動植物を採集する心無い行為があることを知らされ、切ない気持ちにな

りました。草原地に向かう途中にニホンアカガエルに出会い、遠くでホオジロの鳴き声を聴きました。「生物

多様な信太山丘陵の里山的自然環境を子どもたちに!」と草原地での田丸先生のメッセジーは心に響き、微力

でも何等か力になり、数年後の里山自然公園開園を皆で喜びたいです。自然環境保全の大切さを学ぶことがで

きた1日となりました。


 
鏡池に蓮の花が、でもここに有ってはならない植物です。 惣ケ池湿地の池には絶滅危惧種のカスミサンショウウオとかニホンアカガエルが住んでいます。 ヒメジョオンのお花畑で保全活動のお話を聞きます。







月 日 : 2018年5月30日(水)雨

講座名 : 里山入門

講 師 : 後北峰之先生(堺自然ふれあいの森 館長)

場 所 : 堺自然ふれあいの森(堺市)

  後北館長の幼少の頃の話に笑顔で相槌を打ち、鎮守の森、集落、ため池、農地、草地という里山(田舎)の

風景を思い浮かべた。しかし生活様式の変化や農地の基盤整備とともに里山風景は減少し、里山の価値が失わ

れようとしている。里山文化の継承の場としての森づくりを進めている当館の取り組みに共感することが多く

あった。4班に分かれての「みんなのトンボ池」周辺の開発計画立案はどの班も説得力があり、活発なデスカ

ッションができた。予算面をクリアすれば採用されそうな立案であった。午後は木々に囲まれた尾根道を歩き

、左右の自然の機能回復するゾーンと常緑化整備ゾーンを見比べ、「80年前の里山をめざす」当館の取り組

みを見ることができた。歩く道々で林床の蘇り、小鳥やフクロウの巣箱、オオスズメバチの巣、樹液に群がる

虫たち、イヌサンショウとナミアゲハの幼虫、シリブカガシの老木の恵み、枯れ木にキノコ、カヤネズミの住

処、麦秋の麦畑、シュレーゲルアオガエルの鳴き声など里山が育んでいる命の営みを感じることが出来た。雑

草地となっている田畑で足を止めて、しばらく沈黙。「人間の考えひとつで環境が変わる。」館長さんの言葉

に深く頷きました。


 
フクロウの巣箱が遠くに見えます。先月、巣立ちましたが、たくさんの人が写真撮影に訪れます。
“みんなのトンボ池” 周辺の開発計画案を班毎に発表します。 雨の中に咲くささゆり。かたつむりとカエルの出現にホッとしました。







月 日 : 2018年5月23日(水)雨

講座名 : 鳥類入門

講 師 : 仲 淳一先生・市川勝三先生・山西治朗先生泉北野鳥の会)

場 所 : 新金岡公民館

   「素敵な鳴き声だなあ、と散歩時、ふと!気づくことがありませんか?」と仲先生からの問いかけで始まっ

た。身近な鳥を思い浮かべながら、今までの野鳥との出会いの話や鳥の特徴、歴史、分類などの基礎知識を学

んだ。その後、一人ひとり双眼鏡を手に、野鳥の会のスタッフの皆さんの手ほどきを受けながら、双眼鏡でピ

ントを合わせる実技講習を受けた。「耳で探す、目で観る、気配を感じる」の探鳥の仕方、楽しみ方には野鳥

や自然に迷惑をかけないフィールドマナー
“やさしいきもちが大切だということも学んだ。午後からは理想

的な都市公園の探鳥地“大泉緑地”での探鳥会でしたが、生憎の雨で中止となった。野鳥観察の動画・資料を

もとに更に野鳥のことを知った。鳥のクイズをしながら、ハシブトガラスとハシボソガラス、ハクセキレイと

セグロセキレイの見分け方、三鳴鳥の1羽オオルリやキビタキの特性など教えてもらった。仲先生の撮影・編

集のオーストラリアの野鳥、堺近辺の野鳥、淀川河川敷飛来のコミミズクの観察動画鑑賞後、大泉緑地で探鳥

できる42種類の野鳥のレクチャーを受けた。今回は雨で探鳥会は出来ず、残念な思いですが、次回の探鳥を楽

しみにしたいと思います。


 
双眼鏡の使い方、選び方を学びます。ピントを合わせるのは難しい。 午後も雨のため仲先生撮影の野鳥の動画鑑賞会。オーストラリアの野鳥は美しい。 晴れていたら探鳥できる野鳥の説明を聞きます。ウグイスとメジロを間違えないように、ミサゴは英語でオスプレイ。などなど。







月 日 : 2018年5月16日(水)晴れ

講座名 : 哺乳類入門

講 師 : 早川篤先生(大阪自然環境保全協会理事

場 所 : 河内長野ラブリーホール・長野公園

  午前の講座では、狂言・落語・万葉集・浮世絵・民話など日本文化に登場する動物を取り上げ、モモンガは

子どもが怖がる動物 狐の鳴き声で労働時間が決まる 山くじらとはイノシシ・シカの肉などその内容は興味

深く、当時の人々の生活と動物との繋がりの話に引き込まれた。哺乳類の約40%はネズミの仲間だが、家ネズ

ミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)は3種類で残りは野ネズミ。その野ネズミがいなくなれば生態

系が崩れる。絶滅危惧種のトゲネズミ・ケネガネズミが琉球諸島に生存。午後は河内長野公園で、盛り土や穴

を見つけて動物の痕跡の着眼点を学んだ。盛り土は、人工的なものでしたが、穴はモグラの穴で、暗闇の中を

動き回るモグラの姿を思い浮かべた。「バックは出来るのかな?」「尻尾は?」のつぶやきの声に、モグラの

はく製を使って体の構造や特性を説明され、親近感を抱くようになった。イノシシとシカの脚や頭骨、ウサギ

の前脚と後脚、コウモリやノウサギの骨格標本などはく製を実際に手にすることで生態の違いがよりよく分か

った。先生の心地よいジョークに笑い声が絶えず、しかし野生の動物の接触の仕方や生態系の崩れを考える講

座でした。


 
フィールドサインを探しに出発です。けものみちを発見。覗き込みます! 雄鹿のりっぱな角といのししの頭骨です。
もぐらの穴、発見。立派な手と鼻としっぽを頼りに穴の中を前後に動き回ります。







月 日 : 2018年5月9日(水)雨のち曇り

講座名 : 植物入門(木本)

講 師 : 栗谷至 先生(大阪自然環境保全協会理事

場 所 : 堺市立栂文化会館・西原公園

  座学では「広葉樹・針葉樹・落葉樹・常緑樹」「葉・幹・枝の構造や成長のメカニズム」「樹木の生存戦略

と遷移」など栗谷先生のスローな駄洒落を交えた話を聴き、「樹木とは何?」について学んだ。競争優位に立

つための生存戦略は時間的優位、空間的優位だけでなく、ブロック塀の隙間で生きる植物(ニッチ確保)も動

物と共生している植物も生存戦略であり、脅威を感じる植物の逞しさに驚いた。午後は西原公園でのフィール

ドワーク。落葉樹のケヤキと常緑樹のヤマモモの葉を観察。クスノキの枝をルーペで覗き込み、先生の指先に

「これが芽鱗痕です。」ニセアカシアの葉を手にして、マメ科特徴の奇数羽状複葉を確認した。自然起伏の雑

木林に入り、カシ・コナラ・クヌギの樹皮の違いを観、木肌に触れて、硬さや冷たさも感じ取った。「アラカ

シ・シラカシ・アカガシは葉の形や鋸歯の違いで見分けるけど、ムズカシ!」「えっ!」ノゲシの綿毛が舞い

上がる先にウワミズザクラの花を見つけ、しばし眺めた。コブシのギザギザのない葉とサクラのギザギザの葉

を見比べ、全縁と鋸歯を確認した。聞きなれない芽鱗痕 羽状複葉 鋸歯も実物を観察でき、樹木の観察の面

白さを味わうことができた。


 
ニセアカシアの葉っぱを手に、一枚の葉っぱが進化して複数の小葉(奇数羽状複葉に、何のため?議論しました。 桜の花を楽しんだ後にも、葉柄の付け根に甘―い 蜜線ができます。 さあ、これから森の中を探検します。どんなたくさんの木と出会うでしょう!







月 日 : 2018年4月25日(水)雨のち曇り

講座名 : 植物入門(草本)

講 師 : 木村進先生(大阪自然環境保全協会理事・たんぽぽ調査事務局

場 所 : 堺市立栂文化会館


  午前中はタンポポを中心にして、植物全体を見通す講座です。木村先生から頂いた、「西日本のタンポポ」

資料は長期間にわたるデータが蓄積され、その豊富さに驚くことばかりでした。タンポポには色んな種類があ

り、外来種セイヨウタンポポと在来種カンサイタンポポの特性や特徴を比較することで育つ環境の違いを知る

ことが出来ました。タンポポの花びらは何枚?(
5枚)レタス ゴボウ ダイコン、ヒマワリのうち、タンポ

ポに最も近縁の植物は?(レタス、)などタンポポの七不思議の話にも引き込まれていきました。

 午後からは先生手作りの「野草ミニ図鑑」を手にして、雨上がりの西原公園へ。五感を使っての野草観察で

す。ハルガヤの葉を揉みながら匂うと「桜もちのような甘い香りする」、草花名の語源も面白く、白詰草(ク

ローバー)は荷造り用に詰めた草、「ブタナ」も「ヘクソカズラ」も可憐な花なのに、洒落た名前に出来ない

ものか?スイバの葉をしがんだら「酸っぱいなあ」スイバの花穂をルーペで観察して雄株・雌株の同定もしま

した。見慣れた野草を1つ1つ観察し、どの野草も生きる知恵を持ち、その知恵のメカニズムに驚くばかりで

した。野草に対する視点や姿勢が変わっていきそうです。




木村先生のクイズ式の楽しいタンポポ講座です。


雨上がりの新緑の中、カラスのエンドウか?スズメのエンドウか?熱心に聞き入ります。
白詰草(シロツメ草)・シロバナタンポポ・牧牛の食欲そそるハルガヤ







月 日 : 2018年4月18日(水)曇り

講座名 : アウトドアでの安全

講 師 : 平木祐治先生
日本赤十字社救急指導員)

          他スタッフ  (森山一美 防災士)

場 所 : 堺市立栂文化会館

  野外活動での留意点やキズ・ケガの処方法を実技を交え教えていただきました。スズメバチに要注意で黒

っぽい服装は避け、白っぽい服装を着用することや開放性の傷は新鮮な水で傷口を洗うことなどです。三角

巾では、二つ折り・三つ折り・腕への巻き方や吊るし方・本結びを二人組になって実技練習をしました。

 午後からは 「そばにいるあなたしか救えない命がある」をテーマに、人形や簡易の器具で胸骨圧迫(心

臓マッサージ)の仕方やAED使用方法を学び、胸骨圧迫では「強く、早く、絶え間なく」を念頭において、そ

のリズムを体験しました。息切れする場面もあり、「その人が動き出すまで」「救急隊員が来るまで」と、

救える命は「時間との勝負」、緊張感が部屋に漂いました。最後にシェイクアウト訓練①姿勢を低く②頭を

守る③動かないを基本にして身を守るトレーニングをしました。避難場所では①食べる②寝る③出す の確

保が大事で、③に関する簡易トイレの実物を紹介していただきました。「備えあれば患いなし」非常食・非

常用グッズ・連絡方法・避難場所等を私たちも各自で再度確認する必要がありそうです。


手作りの三角巾で包帯を作ります。なかなか難しい。お化けではありません。頭に包帯を巻く練習です。 災害時に役立つ簡易式トイレです。 1分間に100回心臓マッサージ、救急車が来るまで交代で頑張ります。







月 日 : 2018年4月11日(水)曇り

講座名 : 自然の見方と観察

講 師 : 田中広樹先生

場 所 : 堺市立栂文化会館

  いよいよ、2年間の講座のスタート、これからの自然観察の心構えとして、自然の見方、とらえ方の5つの

視点を講師の田中広樹先生に教えていただきました。

五感(観る・聴く・嗅ぐ・味わう・触れる)+心を使って観る。

同じところを観る。移り変わりに敏感になり、季節を感じる。

アリの目、鳥の目などいろいろな視点で観る。

繋がりを観る。目に見えない営みに気づき、すべてのものは繫がる。

生き物の一生を観る。

早速、栂文化会館周辺の草木の観察をしました。ウバメガシの新芽を観て、触る。「どうして新芽は茶色な

んだろう?」先生の何気ない話しかけにハッ!としました。「花見は桜だけじゃないよ。」と話されて、モ

ミジの赤っぽい小さな花、イチョウやマツの木の雄花・雌花など木の花を観察しながら、具体的に自然の見

方、とらえ方をフィールドで学びました。午後からは西原公園で自然観察。落ち葉を座布団にして座り、沈

黙の1分間。通り過ぎていく風、木の葉の揺れる音、どこかでの鳥の囁き、木漏れ日、ふと、浮かんだ思い

出などつぶやきが広がっていき、ほんのひと時ですが、“センス・オブ・ワンダー”の世界となりました。

その後、グループで4色の自然探しや野草(キュウリ草)の名前付けゲームを通して、身近な自然との触れ

合いを味わい、会話も弾みました。最後に田中先生から「自然の大切さ、生き物の素晴らしさ、命の尊さを

わかる人になってください。」とエールを頂き、講座を終えました。

クスノキの葉脈三本の根元にダニ(共生)部屋があります。 ふかふかの落ち葉の座布団に座って1分間ゲーム。自然を五感で感じます。 お花畑(キンポウゲ、たんぽぽ)で自然観察。








月 日 : 2018年 4月 4日 (水)晴れ

講座名 : 開校式とガイダンス     

講 師 : 当カレッジ(理事・スタッフ)

場 所 : 堺市立栂文化会館

  桜の花びらが解き放たれるかのように青空を舞い、桜の若葉が美しく、大阪シニア自然カレッジ13期生のスタートに

相応しい開講式の日となりました。カレッジ設立の経緯や当時の様子、講座内容などカレッジの運営について新谷代表理

事からユーモアを交えながら話がありました。「ハッ!とした感動を大切にし、楽しいシニアライフを!」その思いを共

有できたように思います。スタッフ及び担当理事からは 受講の約束、年間計画、4・5月の活動内容、保険、ホームペ

ージなどの説明があり、その後、「今日の記念写真」を撮りました。「はい、チーズ」午後からは受講の動機、今までの

体験や趣味など一人2分~3分で自己紹介をして頂きました。「へぇーすごい!」「面白いなぁ」とつぶやきが聞こえて

きたり、笑顔がこぼれたり、緊張の糸がほぐれていくような時間となりました。皆さんのスピーチに拍手です。班別打ち

合わせでは会話が弾み、さらに和やかなムードとなりました。来週から始まる2年間の講座を楽しみにして、13期開講

式を終了しました。  

 

  新谷代表理事のお話を熱心に聞きます。

班別会議ではそろそろ和やかなムードになりました。
ピカピカの13期生です。いよいよ今日からスタートします。