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吟行部会報告


第93回吟行会活動報告

1. 日時: 令和元年1019日(土)

2. 場所: 百舌鳥古墳群巡り(仁徳陵)

3. 参加者: 11

4. 活動内容: 世界遺産に認定された仁徳御陵の外濠に沿って、様々の形や大きさの点在する古墳(培塚)を訪れ、ゆっくりと歩き歴史の深さと趣を感じ取りました。道程約2㎞を1時間ほどの散策でした。雨の予報の中、雨にも合わず予定通りに終了。続いて、御陵の西側にある昼食と句会会場の「徳庵」で、鍬に乗ったステーキランチを賞味後に句会を開始。短時間ながら充実した、俳句の交流が出来ました。

各自のベスト句は下記の通りです

田舎道遠くに煙る秋深し    尚文

身にしむや人影減りし河童橋  粋泉

菊供え墓前ほのかにはなやぎぬ 松薗

池の辺の錦木紅葉映えており  ゆう一

割れ柘榴我が心の臓覗き見ぬ  たけみつ

列島に農家の悲鳴林檎落つ   洋々志

鰯雲生きてるやうに連れだちて まさこ

和綴じ本漁る一日や西鶴忌   ゆき雄

揚げたてのついつまみ食いはしり芋 あきこ

身に入むや「かぶとのはか」の幼な文字 みえこ

身に入むや友に強いられ読みし本 流以

ぽってりと熟れた無花果そっと手に  河笑流

当日句

特選  音もなく濠に溶けこむ鰯雲  洋々志

入選  古墳とて誰やも知れぬ草紅葉 河笑流

  




















第92回吟行会活動報告

1.日時 : 令和元年21日(土)

2.場所 : 信貴山

3.参加者: 10

4.活動 :

 激しい風雨を予想していたのですが、曇空のままに推移し 、順調に寺院見学ができました。出席者10人で、ゆっくり と信貴山と句会を楽しむことができました。

 各人のベスト句は次の通りです。

紅白で何を祝わん夾竹桃  眠童 

ジム帰り歩く目の前赤蜻蛉  尚文

女郎花思わず撫でて山路行く  粋泉

我と犬とろりとろりと夏の午後  松薗

一本道北海道は鰯雲  ゆう一

バス停の案山子動かず人を待つ  たけみつ

秋夕焼け西向く猫の大あくび  洋々志

こほろぎや売地で声を張り上げる  みえこ

どどんどうだんじり太鼓地を沸かす  流以

草ぼうぼう誰が刈るのか秋暑し  河笑流

  当日句のベスト2は次の通りです。

<特選句> 水染める黙(もだ)の榧の実手水鉢  流以

<佳作>  榧の木の奥に花塚信貴の寺  みえこ

  



















第91回吟行会活動報告

1.日時 :令和元年720日(土)

2.場所 :大阪歴史博物館

3.参加者:14

4.活動 :
 当日は梅雨晴のもと博物館10~7階まで大阪の歴史を見 学。句会は同館のレストランで行う。

選句

時刻表夢追いかける夏の夕       眠童

車椅子老女に日傘差す娘        智勲

初夏の朝坂道下る爽快さ        尚文

べたべたと足の裏から梅雨来たり    松薗

箒草こんもり並んで緑地蔵       ゆう一

ひまわりと背くらべ背の伸び背中のび  たけみつ

梅雨晴れ間右往左往の瓦職       洋々志 

胡瓜採る切り口に噴く水の色      まさこ

合歓咲くや古墳の濠の水面にも     ゆき雄

初蝉や病の床に季節知る        あきこ

なかなかに暮れずにいたり夏の夕    みえこ

向日葵に果てなき闇のゴッホ見え    流以

ギンヤンマ凛と止まる枝先に      河笑流

特選

藍色に生駒連山梅雨晴れ間       洋々志

扇投げ嬌声ひびく夏なにわ       ゆき雄

  












第90回吟行会活動報告

1. 日時:令和元年615日(土)

2. 場所:奈良市内庭園巡り

3. 参加者:12

4. 報告

雨天の天気予報が幸いにも外れ、曇り空の中を近鉄奈良駅をスタート。再建されたばかりの興福寺の中金堂を遠めに眺めて、奈良ホテル横の大乗院庭園へ。展望室で庭園を観る。続いては浮御堂を経て、吉城園へ。苔の綺麗な庭園で一同くつろぐ。句会は近鉄奈良駅前の風神で。

5. 選句

紫陽花や一輪咲いて月かわり    眠童

棚田植え恵み雨音千早村      智勲

国々の更衣カラフルミナミ街    粋泉

梅雨ですねその一声になごみけり  松薗

紫陽花は雨を待ち受け空仰ぐ    ゆう一

さくらんぼ君はまだ初々しいか   たけみつ

朔日の晴れたる朝の更衣      洋々志

ひとりきり梅雨のガラスの内に居て まさこ

早乙女や泥田にすっと指輪の手   ゆき雄

ゆるゆると腹太き蛇草に入る    みえこ

紫陽花や終の移り気濃むらさき   流以

若楓一条の光苔に射す       河笑流

6. 当日句

特選: 更衣せし生徒の列の軽やかに 松薗

入選: 青嵐ものともせずに金の鴟尾 ゆき雄

  











第89回吟行会活動報告

1.日時  令和元年5月18日10時~14時30分

2.場所  大阪くらしの今昔館

3.参加者 12名(他投句1名)

 地下鉄天神橋6丁目駅に集合後大阪くらし今昔館に入館し大正・昭和の町並み模型見学・・11時からガイド2名で・2班に別れ江戸時代の 実物の町並み再現を一軒ずつ詳しく説明を受け12時に退館しました。天神橋筋商店街遊歩し昼食・句会のがんこ寿司天満店に移動。

4.選句報告   

 定期便インターホンから茶の香り  眼童

 龍馬里厚い刺身の初鰹       智勳 
もくもくと彩鮮やかに楠若葉    粋泉 

 もこもこの謎のとけたり椎の花   松薗 
古木にも若葉出ずるや令和かな   ゆう一

薄暑光由良の源流照らしめり    たけみつ
風抜けて光りざわめく麦の秋    洋々志
蝦蟇は池ジェツトは空で音合わす  流以
からまつの若葉燦たり大入日    まさこ
列島の若葉の祝す令和の世     ゆき雄
胸ボタンはずして夏来る      あきこ
境内の箒の跡や若楓        みえこ
幾重にも滴煌めく雨後の薔薇    河笑流

5.当日句
 特選
 和服着し姑娘闊歩夏なにわ    ゆき雄
 佳作
 カラカラと鳴る扇風機昭和色   洋々志





















第88回吟行会

1、活動日  H31年4月20日(土) 晴れ

2、場所   和歌山県橋本市、隅田八幡神社

3、参加   16名(内新加入者2名)

4、報告

  橋本駅に集合。バスで10分、門前バス停よりぶらぶら10分で、神社着。鴬や、八重桜が歓迎。国宝」日本最古の「人物画象鏡」で有名。寺本宮司の解説、散策をし、大和街道を通り、JR 隅田駅から橋本駅へ6分紀ノ川畔、明治44年創業の店で、昼食・句会。味にも満足して3時半終了。

5、選句

 新緑に身代わり泥鰌渓流へ         治勲

 昼下がり蝶の舞う舞う畑かな        尚文

 魅了する段々畑も田植えから        粋泉

 うぐいすと邦楽コラボ昼下がり       松薗

 言葉がね五・七・五になる花の春      葉留

 初音なり驚く吾に返事あり        ゆう一

 チューリップ大口あけて空を食み     たけみつ

 肺病んで五百歩だけの花見かな      洋々志

 夏近しステンドグラスの赤き薔薇     まさこ

 値は二倍ちび筍は京生まれ        ゆき雄

 はくれんの流るる車窓ひとり旅      あきこ

 クリスタル抜けて光は虹となり      みえこ

 老樹看る齢九十の桜守り          流以

 ホーホケキョ楷書のような初音かな    河笑流

 うぐいすや右も左も選挙カー        眠童

6   当日句

 特選句  初夏の道真直ぐ空へ隅田の宮  ゆう一 

 佳作   万葉の香りかくして紀伊の春   眠童























   






第87回吟行会

月 日 : 2019年3月16()

場 所 : 住吉大社

参加者 : 14

  早朝からの雨も運よく上がり 天王寺駅集合。チンチン電車に乗って いざ住吉大社へ。車道の真ん中をなつかしい路面電車に揺られ20分弱、鳥居前に到着すると三名のガイドさんがお迎え下さいました。大阪人ならお馴染みの「すみよっさん」説明を受けながら境内を一巡。日本書紀にさかのぼる歴史から本殿の建築様式等々のお話を伺い1800年の祷りを感じ入りました。昨今は、安産のパワースポットとして境内の「誕生石」が脚光を浴びているとのこと。私たちも十数組のお宮参り家族や花嫁行列に出会い,幸せのお裾分けを頂いた後、近くの串揚げ屋さんで昼食と句会、神妙にして楽しい一日となりました。

選句

 吹かれしままに自由に伸びよ新柳      眠童

 春雨に喪服姿の供奉の列                智勳

 花冷えに体動かし待つ火かな          尚文

 春雨に冠る帽子の重みかな             粋泉

 熟年の卒業なしの学びなり             松薗

 あけ放ち家のおくまで春の風          葉留

 春節やアオザイすらり写真撮り         ゆう一 

 卒業歌時代を映し我知らず           たけみつ   

 春のどかフェリーで通うおまわりさん   洋々志

 いただきし水菜のしずく一抱え       まさこ

 山笑ふ異人の列の無人駅              ゆき雄

 卒業の空真っ青や飛行機雲             あきこ

 運転手一人のバスに朧月               みえこ

 春雨に濡れおかれたり竿の靴          流以

☆当日句

特選

 反り橋を歪みて映す春の風            洋々志

佳作

 脚ふるへ反橋おりる春ショール       ゆき雄























   







第86回吟行会  

月  日 : 
2019年2月16日(土)

場 所 : 狭山池博物館

参加者 : 13名  投句者 1名

 先日来の寒さもやわらぎ少し春を感じるような1日

日本最古のダム式ため池と言われている狭山池。その

池の土木遺産をそのまま保存している博物館を見学。

 池をめぐる人と土と水の歴史をボランティアの方に説

明していただきました。


選句 

 群れて来て群れて飛び去る寒雀    眠童

 年の豆歳の数だけ如何にせむ     智勲

 夜明け前一番列車冴え返る      尚文

 雀の子親の姿に似る早さ       粋泉

 傾ぐ木を立てる策なく寒明けぬ    松園

 水仙や葉のひとひねりふたひねり   葉留

 朝日受け囀り止まぬ雀の子      ゆう一

 断舎利の終の棲家は薄紅梅      たけみつ

 節分やズレたお面に爺の顔      洋々志

 春菊を引く二寸ずつ丁寧に      まさこ

 春雷や古書肆天牛斃れたり      ゆき雄

 春菊の苦みの中にあのひとを     あきこ

 早春や波紋残して鯉のとぶ      みえこ

 凍雲の上にあふるる光あり      流以

当日句

 特選

 古の樋も今に継ぐ土手青し      たけみつ

 浅き春狭山にやさしみみず塚     洋々志






   







第85回吟行会  

月  日 : 
2018年1月19日(土)

場 所 : 大阪・堺筋本町一帯

参加者 : 13名

   とは思えないぽかぽか陽気、堺筋本町駅に集合し、近くの大阪商工会議所へ。ここでは「商都浪速」を

築いた3
人の偉大な企業家、五代友厚、土居通夫、稲畑勝太郎の銅像が並んでお出迎え。五代は右手を前に

差し出し、土居は両
手を組んで、稲畑は両手を降ろしているーといった像のポーズの違いを見ながら、各人

の事績を確認しました。
そこから、近くの大阪産業奨励館にある大阪企業家ミュージアムへ。まず、ビデオ

で大阪の企業家精神のルーツを
学んだ後、企業家105人の写真や経歴を巡回して学習。野村徳七、武田長兵衛

、小林一三、松下幸之助、さらに今テレ
ビドラマになっている安藤百福といった錚々たる人物の実像に触れ

て、大阪で生まれた大企業の多いことに誇りを持ち
ました。一方で、それらが近年、東京に本社を移してい

る実態もわかり、一抹の寂しさも。句会は、新年会も兼ねて、
その奨励館の上にあるレストランで。飲み放

題とあって「飲みすぎて、句作は無理」との声も出るほどでした。


選句

 孫娘晴れ着着こなし二十歳春     智勲

 冬日浴びエアコンいらず読書かな   尚文

 夜もすがら円を描きつつ寒の月    粋泉

 赤ん坊誰似彼似と三が日       松薗

 木々無言一点燃えて寒椿       葉留

水仙や(うつむ)き気味に可憐なり       ゆう一

 水仙は腰も曲がらず凛と立ち     たけみつ

 フィンランド雪の朝市ひげ親爺    洋々志

 水仙の旋毛まげしや花未だき     まさこ

 出水野の空切り裂くや万の鶴     ゆき雄

 年女白髪も染めて初テニス      あきこ

 さわりなき空舞ふ凧よ夢ありしか   みえこ

  道の()でここよと呼ぶは水仙香     流以  

当日句

特選

 春近し(もも)の福あれ大阪に       流以

佳作

 企業家の熱き想いを冬浪速      あきこ









大阪商工会議所にある3偉人の銅像
   







第84回吟行会  

月  日 : 
2018年12月15日(土)

場 所 : 師走の浪速巡り

参加者 : 7名  投句者4名

   冬うらら、10時に高島屋の玄関前でサンタロボット達が手拍子や歌でお客さんをお出迎え。私達は反対

 に高島屋を出て千日前道具屋筋、黒門市場、道頓堀リバーウオーク、水掛不動と歩きました。


   なんと朝から外国人の多いこと。私達も黒門市場で中国人?に間違えられたり。お寿司をパクパク。タコ

 焼き屋の前の行列。551の豚まんやシュウマイをバクバク。「好吃好喝」美味しいの声がいっぱい。

 さすが大阪は〖日本いやアジアの台所〗を実感しました。


選句

 初冠雪一句期待し飛び出しぬ     眠童

 クリスマス我関せずと一人酒     尚文

 老いが来て日々忘年の夫婦会     粋泉

 ゆるく生き年忘れする事もなし    松園

 小春日や幼児の列と保母さんと    ゆう一

 平成も我も彼方へ年忘れ       たけみつ

 飾り付け今年二人の聖夜かな     洋々志

 けふの日の揺らぎをままに日向ぼこ  まさこ

 生きて観むまたの万博冬うらら    ゆき雄

 ひと眠り目覚まし止めて冬の朝    あきこ

 鍵穴を捜す手元や花柊        みえこ

当日句

特選

 年用意真つさらな箸買いもとめ    あきこ

佳作

 喧噪の道頓堀の師走かな       眠童






   







第83回吟行会  

月  日 : 
2018年11月17日(土)

場 所 : 久米田池、久米田寺、古墳群

参加者 : 13名

   岸和田市にある久米田池は、僧行基が築造した、大阪府最大の水面積のため池、水鳥のたくさん集う、美

しい風景でした。久米田寺は、池と同時に行基が建立、様々な興隆を経て、江戸中期に再建された、5つの

塔頭からなる寺院、こじんま りと美しく整っていました。お寺のすぐ近くに点在する古墳群5基、埋葬者不

明の放置された、素朴な古墳群、林の中を、どんぐりを拾いながら、巡りました。お天気に恵まれ、青空の

下、池のたくさんの水鳥たちに出会えた、いい吟行となりました。

選句

 柿の実や七十余才の腕のばす     眠童

 道路脇ぎんなん拾う親子かな     尚文

 故郷の匂い薄れてしむ身かな     粋泉

 草の芒先の先まで光る露       松園

 滝つぼに無限大∞描き紅葉舞ふ    葉留

 祠あり山茶花の花供へられ      ゆ う一

 おでんの日父は熱燗母ワイン     たけみつ

 平凡が身に入む齢になりにけり    洋々志

 銀杏の焦ぐる香やふと父の影     まさこ

 古稀の家に産着のにほひ小春風    ゆき雄

 中山道迫りくる山秋や秋       あきこ

 飴色の大根探すおでん鍋       みえこ

 三日月のエッジするどく秋夜切る   流以

当日句

 特選  水鳥の視線遠くに行基立つ    流以

 佳作  小春日や池の餌場で小競り合い  松園










   







第82回吟行会報告  

月  日 : 
2018年10月20日 (土)

場 所 : 天保山ハーバービレッジ

参加者 : 10名及び 投句者2名 

   JRゆめ咲線の桜島駅に集合、徒歩で渡船場へ。大阪市営の渡船で安治川を渡り天保山へ。天保山では日

本一低い山に登頂し記念写真。
大観覧車に乗ると、皆さん子供に還って大はしゃぎ。大阪市内、大阪湾が

望できる心地よさ。その後、ハーバービレッジを徘徊して、
頑固で食事と俳句部会を。楽しい一日でした。

選句

 追っている追われているや赤蜻蛉  眠童

 運動会敬老席を探しけり      尚文

 田に案山子構えりゃ雀笑み漏らす  粋泉

 盗人と蔑みし萩可憐なり      松薗

 秋風にクラリネットの音冴えて   ゆう一

 バトンより先に駆けたい運動会   たけみつ

 茱萸熟れるあいつは昔ガキ大将   洋々志

 野菊群る客はひとりの山のバス   まさこ

 深秋や滅ぶ平家の琵琶語り     ゆき雄

 スカーフに上着もおしゃれ秋の声  あきこ

 田仕事に踏まれし野菊陽を浴びて  みえこ

 運動会頬染め踊ってママを見る   流以

当日句

 特選 秋の風まといゆるゆる渡し船 みえこ

 入選 天高し古鏡の如く茅渟の海  ゆき雄








   







 
公開講座・夏井いつき先生の「日本の近代文学」
   -俳句に学ぶー を受講して

  昨年に続いての規模で第2回公開講座が帝塚山学院大学で開講され吟行部会から松下、村上、杢保、

竹中の4名が受講しました。昨年と同じ内容なので少し不安もありましたが、再受講の方達にも配慮され

中身もより深くでも初級の学生にも(単位取得)理解できるよう充実した講座になっていました。さすが

です。15回(4か月)の長く感じられる期間も終わってみれば早かったです。最終日に投句した全員の

句から特選1位に村上昌子さんの句が選ばれました。入選は松下さん、杢保さん、竹中でした。 

 特選 1本の沢あぢさゐの蒼白き      村上昌子




道後俳句塾2018年   (9月1日~9月2日)

 帝塚山学院大学での公開講座の終了後、夏井先生のお誘いも有り意を決して松下、河田、杢保、竹中の

4名が1泊2日の道後俳句塾に参加しました。今年で14回目を迎えるこの塾は俳句熱も盛んな松山の子

規記念博物館で夏井先生の司会のもと、宇多喜代子先生、黒田杏子先生、松本勇二先生の4名に選評いた

だきました。一日目は事前に投句した2句を歯に衣きせぬ選評で笑いの渦、納得の論評、緊張の後は 先

生方と一緒の懇親会、親しくお話をする事ができました。
二日目は吟行、講師挨拶の後毎年の定点観測地

点である宝厳寺まで一緒に。二軒下の伊月庵
(いげつあん)にてお茶と山田屋まんじゅうのお接待。その後

は、皆さん三々五々。伊佐爾波神社に回ったり中村草田男の墓をお参りしたりしてお昼までに一人一句を

投句しました。午後から四人の先生方の選評が始まり 特選、入選の発表がありました。

*一日目投句で松下さんが特選、河田さんが入選しました。

 特選  背の吾子をジャンプであやす夏の母  松下洋介入選  

 嵐去り四方の窓より夏の風      河田祐一

*二日目吟行で 杢保美智子さん、竹中光子が入選しました。

 入選   木の葉舞う一遍の風宝厳寺      杢保美智子

 入選   はたた神連れ海渡る伊予路かな    竹中光子


100名近い方が参加され最初の人数より大幅に増えましたが若い人、(高校生や小学生)の斬新な句、

俳句の町の雰囲気を満喫して帰路につきました。         (文責 竹中)







第81回吟行会  

月  日 : 
2018年9月15日 (土)

場 所 : 小林美術館、浜寺公園

参加者 : 12名 

  台風21号が残した大きな爪痕 浜寺公園も例外でなく大きな松の根元からの倒木、裂けた木々や運動場

の歪んだ柵、屋根瓦の飛んだ便所 想像以上でした。町の中の小さな美術館、小林美術館の「横山大観とそ

の仲間」を鑑賞して浜寺公園を散策 
曇天でしたが吹く風は心地よく 羽衣青少年センターで昼食の後吟行

となりました。

選句

台風に追いかけられて家路かな      眼童

ばった跳ね水やり手元休みけり      尚文

敬老日稚児の祝意に照れ笑い       粋泉

秋刀魚焼くフランスで妻何食べる     松薗

大海をくぐりし秋刀魚この青さ      葉留

颱風が古代の夜へ引き戻す       ゆう一

敬老の日老いを追いかけ飛び回る   たけみつ

伊予柑や濃緑の玉残る夏        洋々志

弾け出し枝豆の艶白和えに       まさこ

一撃で関空死せり台風禍        ゆき雄

嵐去る蜻蛉ゆらりと我が庭に      あきこ

咲ききった鉢の始末や夏の果      みえこ

大嵐どこで堪えたか虫の夜        流以

当日句

特選

台風禍折れ松癒す子らの声        流以

佳選

新涼や裂かれし松の香にむせび     ゆき雄








   







第80回吟行会  

月  日 : 
2018年7月21日(土)

場 所 : 和泉野、久保惣美術館

参加者 : 13名

   13名の参加。幹事として、この暑さにも負けず、皆さんにお集まりいただき、頭の下がる思いでした。

行く先は、和泉野でしたが、極力炎天下を避けて、熱中症予防に細心の注意を払いました。観光ボランティ

アの方にもお願いして、散策の時間を半分ほどの1時間以内に短縮しました。見学地は、「いずみの国歴史館

」(テーマ;和泉史-人のくらしの物語)「久保惣美術館」(テーマ;地図 エクスパンション!-西洋古

地図を旅する)の2か所でした。
句会は、緑が丘自治会館。帰路は、あまりに暑いので、バスを利用して和泉

中央駅まで、15分ほどで帰りました。


 各人の選ばれた句、選ばれた当日句は次の通りでした。

・草茂る墓や親父の怒り顔      眠童

・夏休み妻子帰郷で一人身に     智勳

・炎天下見渡す畑我ひとり      尚文

・瓜もみに箸を走らす夕餉かな    粋泉

・点許し夢散る空にほととぎす    松薗

・つりしのぶ不意をつかれし震度六  葉留

・雨上り道に転がる干蚯蚓(ホシミミズ) ゆう一

・山崩れ集落朽ちて草茂る      たけみつ

・野も山も光となりて梅雨明ける   洋々志

・瓜揉みや酢の効き卓に風を呼ぶ   まさこ

・隠したる地酒も出して胡瓜もみ   ゆき雄

・蚊取香腰につるして庭仕事     あきこ

・箸置も硝子に替える夏料理     みえこ

・父危篤車窓で急(セ)かす蝉しぐれ   流以 

 当日句

・特選 炎昼やのこぎり屋根は昂然と ゆき雄

・佳作 この猛暑よくぞ集いし友垣や ゆう一








   







第79回吟行会  

月  日 : 
2018年6月16日(土)

場 所 : 大和郡山

参加者 : 12名 

 からりとした梅雨晴れの天候に恵まれ、大和郡山で

の吟行会を実施しました。
郡山城天守閣跡から、若草

山がすぐそこに望め、距離の近さに驚いてしまいまし

た。


 各人の選ばれた句と、当日句の特選、佳作は次の通

りでした



・みずみずし水なす漬を一かじり  眠童

・打水や暖簾潜りし店の中  智勳

・古を思い苺を潰しけり  尚文

・ふと仰ぐ凌霄の花空にあり  粋泉

・あでやかな浴衣姿の乙女子よ  松薗

・半夏生うなじの白さ舞子はん  ゆう一

・駆け出しの浴衣の足はスニーカー  たけみつ  

・夏入日海を焦がして届くかな  洋々志

・門前に水打って待つ夕べかな  まさこ

・御田植や紅き腰衣が水に映え  ゆき雄

・和箪笥に眠る浴衣や初恋の  あきこ

・廃屋に紅き凌霄風に揺れ  みえこ


 <当日句 2句>


特選 ・皐月闇傾城宿のガス灯(あかり)  洋々志

佳作 ・万緑の転用石の無念かな  ゆき雄





   







第78回吟行会  

月  日 : 
2018年5月19日(土)

場 所 : 河内長野 花の文化園

参加者 : 14名 

  爽やかな好天に恵まれ、初夏の花々を観察しながらの部会でした。ガイドの本田さんは植物については非

常に博識の方で、私たちが日頃知らない
芝生の花の観察や、花の咲いている向き(上、横、下)が花によっ

てなぜ違うのか等々、俳句も忘れて、植物学習を楽しみました。

選句

 麦秋の中つっぱしる新幹線   眠童

 街路樹や匂いと青き新緑に   智勲

 帰り道暫し止まりて楠若葉   尚文

 薄暗き谷間に明かり花卯木   粋泉

 葉桜や木々に紛れて知らん顔  松薗

 もうひと駅歩きませんか楠若葉 葉留

 楠若葉八百年の今もなほ    ゆう一

 腕伸ばし背伸びし吾子の柏餅  たけみつ

 鍬を止め背伸ばす老夫夏来たる 洋々志

 風薫る空のキャンバス飛行機雲 早苗

 もこもこの若葉の彩や太る山  まさこ

 限りなき無垢と言ふべし水芭蕉 ゆき雄

 柿若葉陵墓の道に万葉歌    みえこ

 もみじの手比べて勝る柏餅   流以

当日句 特選

栃の葉の葉筋光りて夏来たる  洋々志








   







第77回吟行会  

月  日 : 
2018年4月21日(土)

場 所 : 枚方宿場町

参加者 : 15名  

  真夏の様な好天に恵まれ会員15名全員参加となりま

した。初めての事です。
 

 枚方宿は見どころも多くボランティアガイドの案内

2時間半京街道を町歩き
しました。



  選句

 箱根路は十日遅れの花見かな     眠童

 落ちてなほ色の重さや落椿      智勲

 春嵐帽子おさえて橋渡る       尚文

 柔らかく命膨らむ春の雨       粋泉

 佐保川の流れのままに花筏      松薗

 さざ波に素足が揺れる磯遊び     葉留

 二人連れインスタ映えの春の浜   ゆう一

 枝垂れ落つ川面に流る春麗ら   たけみつ

 ひと片もひと枝一樹も花見かな   洋々志

 春野菜あれもこれもと道の駅     早苗

 麗らかやベランダの猫伸びをせる  まさこ

 鍬三種そろへ八十八夜かな     ゆき雄

 菜の花見人は染まりし花となり   あきこ

 滝のごと風に揺れをる山の藤    みえこ

 すずめの子我と並びて雨やどり    流以

当日句 秀作

 淀川の流れのごとく春は往く     眠童






   







第76回吟行会  

月  日 : 
2018年3月17日(土)

場 所 : 荒山公園(泉北ニュータウン)

参加者 : 12名  投句2名 

  近場であったので遅めの集合で多治速比売神社から

荒山公園へ。 
好天に恵まれ予想に反し紅梅の満開に

感激。
 ゆっくり花見をしながら吟行ができました。

良い句ができました。
 
 

選句

 草餅が店先飾る道の駅      眠童

 命日や母を思いて春愁      智勲

 水温む万物すべて動きけり    尚文

 草餅や野辺の香りを包みをり   粋泉

 官僚の哀しき眼春椿事      松薗

 やわらかや母とつくりし草の餅  葉留

 春愁の空見上げれば友の顔   ゆう一

 古道行く仲間の笑顔水温む  たけみつ

 握る手に今生かされし我がの春 洋々志

 沢山の感動の後春愁       早苗

 花菜漬すずめは土を啄ばみて  まさこ

 草餅にチョンといたずらホーホケキョ 宗孝

 水温む池のさざ波あちこちで  あきこ

 天上の青さ貰ひていぬふぐり  みえこ

当日句

 秀作 雨あがり凛と紅さすのこり梅 宗孝




   







第75回吟行会  

月  日 : 
2018年2月17日(土)

場 所 : 史跡高井戸横穴公園・歴史資料館

参加者 : 12名   

  羽生選手、宇野選手金銀おめでとう。天候にも恵まれ、また珍しい古墳の中をガイドの案内で、線刻壁画など見学でき、

良い句ができました。
 

選句

 人待つホームと線路風光る             智勲

 山歩き紅梅一輪見つけたり             尚文

 往く人や一瞥二瞥門の梅               粋泉

 山茶花の枝から枝へ影を追う             松薗

 ブラウスのフリル柔らか風光る            葉留

< div> 幼声紅白帽に風光る             ゆう一

 残り豆枡の隅にも春立ちぬ           たけみつ

 春立てり新居の匂いバス通り           洋々志

 尉鶲別の時間の流れけり              まさこ

 亀池の主のあくびや春の風            ゆき雄

 寒晴や青と白との地平線              みえこ

 
早起きを驚かせたり春の雪             眠童

当日句

秀作

 春寒し薄陽に浮かぶ手斧跡           洋々 志

佳作

 春の風木立揺して古墳群              智勲

 横穴の一基一基に春の足              粋泉

 大宇宙古墳の上は春うらら               ゆう一








   







第74回吟行会  

月  日 : 
2018年1月20日(土)

場 所 : アベノハルカスと四天王寺

参加者 : 10名   

   年が改まり初めての吟行。古き歴史と近代建築アベノハルカスの16階から平成30年の上町台地を見て

まいりました

選句は以下の通りです。

・小さな手正月餅を丸める手      眠童

・初詣我が干支だよと犬が吠え     智勳

・千両に囲まれ暮らす我家かな     尚文

・石段を三代で行く大晦日       ゆう一

・宅配にお節の出番遠のきぬ     たけみつ

・背を屈め風花の道母の道       洋々志

・お正月輝く夜空スーパームーン    早苗

・鍋焼の火をとろくして電話とる    まさこ

・年賀状「今年限り」と字の乱る    ゆき雄

・鍋焼きと決めて息子の帰り待つ    あきこ

・空に向く冬芽育むぬるき陽よ     みえこ

当日句の特選

・日向ぼこ七坂巡り老いの坂     たけみつ

当日句の佳作

・ハルカス背に寺町巡る冬日和     早苗

・冬麗水煙けむる歴史坂        ゆう一

・ハルカスの見降ろす古寺や春隣    ゆき雄





    芭蕉の墓







第73回吟行会  

月 日:12月16日(土)

場 所:仁徳天皇陵古墳と堺市博物館

参加者:13名

 天気は曇りでしたが、風もなく思ったより寒くはありませんでした。仁徳天皇陵古墳の周辺を少し

散策し、博物館で古墳について学びました。百舌鳥古墳群の雄大さを体験できるシアターや古墳群

を上空から360°のパノラマで見渡せるⅤR映像体験をしてドローンに乗った気分になりました。

選句は以下の通りです。

・銀杏やこれも無常の軽き音       眠童

・河豚の鰭解りし如く干されしや     智勳

・今は過去二人仲良く炬燵かな      尚文

・独り酒今宵は温き掘炬燵        粋泉

・色褪せてなお芳しき小菊かな      松園

・ひとりよりふたりがよろし炬燵かな   葉留

・若き日のポインセチアのある窓辺    ゆう一

・荒星や昴を追って君は逝き      たけみつ

・山茶花や新選組の無念墓        洋々志

・野良猫の淋しい声に落葉舞う      早苗

・近づけば膨らみ笑う冬木の芽      まさこ

・老いてなほポインセチアのやうな君   ゆき雄

・うたた寝の炬燵の中は猫も居り     あきこ

・ふぐ鍋やこの温もりは四帖半      みえこ

当日句の特選

・悠久の濠静かなり櫨もみじ       洋々志

日句の佳作


・陵や濠に絵を描く散紅葉        ゆき雄







 







第72回吟行会  

月 日:11月18日(土)

場 所:池田市・逸翁美術館、落語みゅーじあむ

参加者:13名

 「北摂の俳句文化と落語の里を訪ねる」をテーマに、池田市の各施設を巡りました。逸翁美術館で

は開館60周年記念展「ひねもす蕪村 絵と俳句」が催されており、学芸員の展示解説を聞きながら

俳画創始者・蕪村の世界に浸りました。その後、名酒「呉春」の蔵や旧加島銀行などを見学。落語

みゅーじあむでは「出前寄席」として天満屋光太朗さんによる「持参金」を鑑賞、抱腹絶倒のひと

ときを過ごしました。

選句は以下の通りです。

・ときめきのフォークダンスや落葉舞う 眠童

・紅葉狩り二人に舞い落ち恋落葉    智勲

・落葉掃く妻の姿に安堵せり      尚文

・庭の辺に咲いて気づくや石蕗の花   粋泉

・廃屋の屋根落ちるとも実る柿     松薗

・庭に来て遊べやちちち寒雀      ゆう一

・父亡きて戻る家なき石蕗の花     たけみつ

・夕闇を誘うがごとく石蕗の花     洋々志

・吊るし柿九度山の柿思い出し     早苗

・枯蟷螂網戸にすがる日和かな     まさこ

・キャンパスの一隅照らし石蕗の花   ゆき雄

・帰り花路傍にそつと笑みこぼれ    あきこ

・冬菊の一輪置きて無人駅       みえこ

当日句の特選

・芭蕉忌や蕪村も呼びて宴囲む     たけみつ

当日句の佳作

・のたりとはいかぬひと世や蕪村の忌  ゆき雄







 







第70回吟行会  

第71回吟行会  

月 日:10月21日(土)

場 所:司馬遼太郎記念館

参加者:11名

 台風が近づく雨の中、東大阪市の住宅街の一画にある、司馬遼太郎記念館に行って来ました。司馬の自宅と、

安藤忠雄設計の地下一階を含む二階建てのコンクリート造り、ゆるやかな円弧を描くガラス壁、大ステンドグラス

の、美しい建物です。そこ に、高さ11メートル、吹き抜けの壁面いっぱいの大書架、2万冊の蔵書の展示、雑木

林風の庭に、秋の花も咲き・・・ ”たゆたふて蔵書世界や秋の雨”でした。 小ホールで、司馬を知るビデオ上映、

本を視聴し、ゆったりと館内で時間をすごし、雨を歩いて、句会会場へ、の一日でした。

選句は以下の通りです。

・ 台風やSNSで見舞いくる         眠童

・ 秋しぐれ寂しさ増すや砂利道は     智勳

・ ニュータウン空地に伸びる芒かな    尚文

・ 隣家の灯ぽっと明かりて渡り鳥     粋泉

・  ザクロ裂けルビーのような実のあふれ 葉留

・ 秋祭ソウリャで跳ねる白き足袋     洋々志

・ 窓を開けしばし聞き入る虫時雨     早苗

・ 山に酔ふ下りし宿のきのこ飯      まさこ

・ 新酒酌む当ては塩ゆで落花生     ゆき雄

・ 庭草や雨に沈みし秋の暮        あきこ

・ 秋の暮セピア色なり七十年       みえこ

当日句

 特選  この国のかたち危ふし萩こぼる  まさこ

 佳作  屹立す書架に二万や秋惜しむ  ゆき雄







 







第70回吟行会  

月 日:月16日(土)

場 所:和泉 宮之上公園、いずみの国歴史館、久保惣美術館

参加者:13名

  雨のなか、桃山大学のキャンパスの中を通りいずみの国歴史館、久保惣美術館を見学しタクシーで句会の場

所の古民家心庵へ。食事前突然今日誕生日の人がいますとの声に皆がハッピーバースデー~と合唱というサプ

ライズがあり、和気あいあいの中楽しく句会を行いました。

選句は下記の通り

   首すじを一筋二筋秋の風         眠童

   秋晴れや山の匂ひの傍に着き      智勲

   ケーブルを待つ身に耐える残暑かな  尚文

   茜さすビルの傍ら草紅葉         粋泉

   白髪して兄弟揃い墓参り         松薗

   約束の場所までつづく草紅葉      葉留

   みちのくの空の青さよそばの花     ゆう一

   焼き栗の匂い誘われ袖引かれ     たけみつ

   百日紅ひとひら載せし無縁墓      洋々志

   遠き日と変わらぬ駅舎墓参り      早苗

   萩挿して卓にこぼるる夕べかな     まさこ

   墓参り古民家そば屋跡もなし      ゆき雄

   緑濃き茂みの中や草紅葉        みえこ

 当日句の特選

   今日生きて北斎みたり秋湿       みえこ

 当日句の佳選

   浮世には喜寿の祝いと萩の花     たけみつ









 







公開講座・夏井いつき先生の「日本の近代文学」
   -俳句に学ぶー を受講して

 TV番組「プレバト」で一躍有名になった「夏井いつき」先生の俳句講座が、4月から7月にかけ

て計15回開講され、シニアの吟行部会からは、河田、水田、竹中、松下の4名が受講いたしました。

夏井先生はTV同様に、明るく、歯切れよく、少し毒舌を交えた楽しい講義で、受講学生が約30

、一般聴講者が約60名(ほとんどがシニア世代の女性、男性は数人)が、楽しく熱心に受講、回が

進むにつれて先生は直ぐに名前を覚え、名指しで質問されたりして、より親密さが加わり益々楽し

く盛り上がりました。受講内容で教えていただいた内容は:

1.俳句を詠む(作る)力と同じくらい他人の俳句を読み解く力が大切。

2.俳句には「一物仕立て」と「取り合わせ」技法がある。「一物仕立て」は観察力と描写力が大  切で難しい。「取り合わせ」は季語と季語とは全く違う物の組み合わせで、発想力、感性が大  切。尻から俳句(中七、下五から作り、最後の季語を考える)で作りやすい 

3.句材は日頃の生活や、人との会話に沢山あり、それに気付く事が大切。5WIHにも配慮 

4.季語をどこに入れるか、語順を変えるなど、によって句の深みがなど。

 もっともっとたくさん習いましたが、私たちにとっては、ややオーバーフローでした。何度か、

講義の内容で句を詠んだり、写真を見て句を詠んだり、音を聞いて句を詠んだりと盛沢山でしたが

私たちの提出句は評価の対象にならずに、全員が自信喪失気味で最終講義に臨みました。私たちが

最終の講義で提出した俳句の兼題は「日」で、この俳句を対象にした、選考の「句合わせ会」が行

われました。その結果、特選5句の中の1句に小生の句が選ばれ、秀作15点ほどの中に河田さんの

句が選ばれましたので、紹介いたします。

    特選  春愁や五年日記の一ページ   松下洋介

    秀作  百日紅花をとりまく声せわし  河田雄一

 今回の受講では学生さん達の発想のすばらしさ、固定観念や常識に捉われないひらめきには驚き

ました。因みに特選5句の中3句が学生さんでした。来年も講義があればぜひ受けてみたいと思って

おります。
(文責 松下洋介)







第69回吟行会  

月 日:7月15日(土)

場 所:駒ケ谷・河内ワイン館

参加者:10名

  梅雨晴れの猛暑日。駒ヶ谷駅から、旧家が並ぶ竹ノ内街道を歩くこと数分。河内ワイン館に到着。1階で展示

即売ワインを試飲し、2階のサロンでしばし休憩。
親切な女性ガイドの説明で、ゆっくりとワイン工場を見学し最後

に集荷した
ばかりの葡萄をいただく。とても甘~い。その後直営のレストランで昼食。飲み物はスパークリングワイ

ンから始まり、順に白、赤の各種ワインを6種。
句会をすっかり忘れて、皆さんご機嫌。昼食後にサロンに戻って句

会を始めると
さすが皆さんは、熱心に本日句を詠み、選句で議論しました。

選句は下記の通りです。

思い出の手紙書籍を土用干し     智勲

 帰宅してほつとひと息裸足かな    尚文

 ふれあいの灯に和む夜店かな     粋泉

 青虫と日々闘いて青ぶどう       松薗

 扇風機強さも向きもまゝならず      ゆう一

 波めがけ脱ぎ棄て駆け抜く裸足の子   たけみつ

 凪る海裸足に伝う砂の味        洋々志

 ベランダのトマトカラスが先に食べ  早苗

 反り返るさみどりのかま子蟷螂     まさこ

 独り言金魚に愚痴る昼下がり     あきこ

 青田道並び行きけり傘の花       みえこ

当日句:特選2句

 ぶどうの実熟女が樽で眠り込む    たけみつ

 ワイン飲み和飲楽しく夏料理     早苗 




 







第68回吟行会  

月 日:月17日(土)

場 所:長岡天満宮、粟生光明寺

参加者:12名

  関西の3大学問の神様の1つ、長岡天満宮と粟生の光明寺に出かけました。天気にも恵まれ、長岡

天神駅からふるさとガイド2名の案内で長岡天満宮の大鳥居をくぐり天満宮へ、長岡天満宮の辺りは

、道真が生前に在原業平らと共に、しばしば遊んで詩歌管弦を楽しんだところ。 神使いの4頭の牛

にご挨拶「良い句が出来ますよう」。八条ヶ池の水上橋を歩き花菖蒲を愛で光明寺へ徒歩で行く。昼

近くまで40分近く暑さも厳しくなってきたが ガイドが木陰の多い安全な道を優先してくれ
 我々

と年代も近かったので、話しやすく楽しく歩けました。後半は少しバテぎみでしたが光明寺は緑も多

く 秋の紅葉の楓が有名ですが初夏の楓の青葉も目にやさしく印象的でした。本堂、阿弥陀堂を拝観

してふるさとガイドと別れ、お昼は光明寺近くの豆腐料理屋で美味しい料理を頂きつつ、みんなで一

句 吟行しました。

                     
                     

選句は以下の通りです。

紫陽花や小さな庭で大いばり      
眼童

梅の実を獲る頃だよと妻庭に       智勲

我が庭に嫁いで三十路額の花       粋泉

老鶯の美声の限り昼下がり       
松薗

ランドセルガチャガチャ鳴るや田植道 
ゆう一

田植え機も歳には勝てぬS字条   
たけみつ

機械植え老夫の口に田植え唄         洋々志

紫陽花のひとえだ切る手雨にぬれ       
早苗

きゃらぶきを煮る香漂ふ日暮れかな      
まさこ

蛍火やゆの字きの字を奔放に          ゆき雄

軽トラも走る働く田植えかな           
  あきこ

代田澄み電車の灯り映し行く          
  みえこ

当日句特選

敷石も緑に染まる寺薄暑            ゆき雄

当日句佳選


光明寺ガイドの笑顔初夏の風          眼童

夏楓影をふみつつ光明寺            
みえこ

木漏れびの石だんのぼり風涼し         あきこ

夏木陰カメラ目線の鯉二匹           洋々志




 







第67回吟行会  

月 日:5月20日(土)

場 所:野田恵美須神社 他

参加者:13名

  朝から雲一つない青空。気温30度に近い暑い一日。JR野田駅10時集合。参加人数13名。全員定刻

に揃う。野田の新旧入り混じった街並みと野田藤を巡る。残念ながら、花は散った後。たくさんの藤

棚を見て回りその再生と保存の取り組み、住民の熱い想いを知る。大正時代初期に建てられた、当地

の旧家「あまべ」 で句会。鎧兜が飾られた大広間で、ゆったりと俳句会を開く。最後に、今月の兼

題にもある新茶の句が多い中、宗考さん(部員)のご好意で、本格的なお茶(お濃ゆい茶とお薄)をた

っぷり所望し、みなで頂戴しました。各人の4句より選ばれた句と当日句13句より選ばれた特選句

句を紹介します。

各人の選句     

富士川や黄砂にかすむ富士の山     眠童      

数百の川面に泳ぐ鯉のぼり        智勲      

お出かけにタンス開け閉め衣更え    尚文      

筍や畑と知らずに頭出し          粋泉      

封切ればふるさと香る新茶かな      松薗 

風少し暖簾ゆらす薄暑かな         葉留    

全山を覆う香りや花蜜柑          ゆう一     

筍や十二単衣のかぐや姫          たけみつ    
祇園町新茶が香る昼下がり        洋々志     

野に遊ぶ鶯もおり鵜殿かな        早苗    

急峻の谷は石楠花燃ゆる朝       まさこ     

闊歩する就活女子や街薄暑       ゆき雄     

来し速さ藤垂れる間に夏来る       宗考     

肩までの髪を束ねて夏来る        みえこ

当日句 特選2句     

匂ひたつ藤のたもとに寄する吾子    たけみつ   

藤豆も意匠とならむ野田城址       宗考


  

 







第66回吟行会  

月  日 : :2016年4月15日(土)

場 所  :  平群の里

参加者 :  14

   平群の里の吟行に行きました。大阪から見れば、信貴山の向こうにある静かな里ですが、ここにもニュータウンがいくつもできています。桜の開花が遅かったので、あちこちに桜が残っていて、時々花吹雪が舞っていました。竜神信仰の名残の勧請綱、金勝寺の磨崖仏、竜田川の淵に伝承の残る河童伝説などを訪ね、かんぽの宿で昼食を取り、句会を行いました。
選句結果は以下のとおり  

特選

 渦巻きて無住寺覆ふ落花かな (ゆき雄)

佳作

 散る花やこんな小寺に行基影 (粋泉)

 山笑ふきれいな風や立田川 (葉留)

 花浴びし吾に微笑みし磨崖仏 (洋々志)


各人のベスト句     

・おたふくのようにふくらみ山笑う (眠童)     
・花見来て子供集まる屋台かな   (智勲)     
・入学の祝いを渡し虚ろなり    (尚文)     
・すかんぽを折ればスポンと音返る (粋泉)     
・少女子の足音軽く山笑ふ     (松薗)     
・一幅の絵に仕立てたし春霞    (葉留)     
・ハルカスは霞かかりて低くなり  (ゆう一)     
・猫のごと伸びをしながら朝寝かな(たけみつ)     
・箸袋一句詠み込む春の宿     (洋々志)     
・着る服に迷い迷いし花の雨    (早苗)     
・手庇のあべのハルカス春霞    (ゆき雄)     
・親と立つ夢いっぱいのご入学   (宗考)     
・草を引きまた草を引く春の庭   (あきこ)     
・すかんぽやあの日あの道寂しかり (みえこ)
  



 

 







第65回吟行会  

月  日 : :2016年3月18日(土)

場 所  :  堺市南部 南宗寺、他

参加者 :  14


   好天に恵まれ堺東駅よりボランティアガイド とともに堺中心部の文化財をめぐりました。 ガイド

のわかりやすい説明と笑いを誘う芸人並みの話術で全員楽しめました。美々卯で昼食後、句会実施し散

会しました。

選句結果は以下のとおり  

春うらら友手づくりのかぶら漬   眠童  

一畝に汗水たらし耕せり      尚文  

種蒔きや手に集中のひと時ぞ    粋泉  

水温む群来る鮒の口忙し      松薗  

卒業の胸に一輪破顔あり     ゆう一  

春の味苦みが良いと酒が言い  たけみつ  

雲一つ春愁乗せて流れけり    洋々志  

卒業や袴姿の小学生        早苗  

春愁や眩しき昼のガラス窓    まさこ  

着流しの力士のにほひ春の雨   ゆき雄  

種まきや啄ばむ鵯に糸を張る    宗孝  

テニス女子コート駆け抜け春の風 あきこ  

囀やリュック一列棚田道     みえこ  

当日句  

特選  築地塀火の色とどめ春の寺 ゆき雄
  

佳作  戦に燃ゆ築地のこるや花曇 まさこ
   
 
   


 

 







第64回吟行会  

月 日:2017年2月18日(土)

場 所:道明寺天満宮・道明寺

参加者:12名

  当日は曇り空でしたが、幸い雨も降らず気候も寒くなく有意義な一日でした。道明寺天満宮で国宝

を拝観・その場所で神主様の色々な説明を受けました。その後宮内の梅園で紅梅・白梅の花(3~5

分咲)を見学しました。昼食後・道明寺の国宝十一面観世音菩薩立像を拝観


 句会場所:藤井寺市市民会館分館


選句は以下の通り

田舎道名のみの春もまた楽し    眼昌

雲模様日々に代わりし冴え返る   智勲

菜の花を埋もれる写真孫の声    尚文

風花や空の大河を流れ行く     粋泉

寒木立鳥群れ来て日暮れかな    松園

早春やマリンブルーの瀬戸の海   ゆう一

梅覗き結願うれし朱印帳      たけみつ

今朝もまた春の足音聞きたくて   早苗

布団干し眩しき朝に香る梅     まさこ

風花や吹く芽も息も震えてる    宗孝

あちこちで鼻近づける梅見かな   あきこ 

川辺に音符の如く寒雀       みえこ

 当日句

特選  国宝と併せ愛ぜるや梅の花   粋泉

佳作  道明寺春待ちわびた人の群れ  眼昌


   







第63回吟行会  

月  日 : :2017年1月21日(第3土曜日)

場 所  :  石切劔箭神社

参加者 :  10 名

 寒中にも拘らず、暖かい一日。石切駅から神社の参道を歩きながら、おでんや赤飯等の湯気と香りの誘惑を振り切って、石切劔箭神社に到着。お参りの後、神社の禰宜さんに神社の歴史などを詳しく拝聴。その後は駅前のカラオケ喫茶で新年会を兼ねての選句会。いつも通り、お勉強とお食事で和気藹々でした。

選句は下記の通り。

・背を伸ばし自慢の大根売る農夫   眠童

・冴ゆる夜満月見上げ足早に      智勲

・冬晴れやひとり窓辺で昼寝かな    尚文

・我が齢一つ重ねて去年今年     西川

・大根の飴色に煮え酒の燗       松薗

・時のごと雲停まらずに去年今年   ゆう一

・また来てね友の声背に去年今年   たけみつ

・冷え冷えと冴え冴えわたる明けの月  洋々志

・薄氷にめだかの安否問ふてみる   まさこ

・大根漬け樽から上げて朝粥に     あきこ

・干蒲団顔を埋めて陽の香り      みえこ

当日句 

・特選 大楠が見おろし冴ゆる百度石  たけみつ

・佳作 神社へと店並み下る冬の道   西川

 


 
 
 







第62回吟行会  

月  日 : :2016年12月17日(第3土曜日)

場 所  :  中之島周辺と国立国際美術館(ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち)

参加者 :  14 名

顔半分隠す気分の冬帽子         眠童

・牡蠣焼きの匂いを惜しみ渡船場      智勳

・葉牡丹を植える喜び今年又        尚文

・天上の北斗も被る冬帽子         西川

・紅葉散る吾も入らん露天風呂       松薗

 うずみび
・埋火を掻き出す祖母や網の上      ゆう一

    こうべ
・羅漢さま頭寄せ合い冬帽子        たけみつ

・賀状書き終わりし時の燗冷まし      洋々志

・炭おこしよもやま話に花が咲き      早苗

・枯茅やただそこに立つ陽を纏ひ     まさこ

 ・冬帽をまたも忘れて戻る店       ゆき雄  

・鱈茶漬け底味あると父が云う       宗孝

・クリスマス孫よりはしゃぐ品選び     あきこ

・鱈の鍋荒れたる海や日本海       みえこ

当日句

特選
          みなび
・冬晴れや浪花の街を見学しや      智勳

佳作

・銀杏散る商都の誇り淀きらり       ゆう一

 
中央公会堂前 

 

 
 
 







夏井いつき句会ライブ観戦記


  毎日放送の人気番組「プレバト」で、芸能人の俳句をメッタ斬りにして毒舌先生として有名になった

女流俳人、夏井いつきさん。彼女を講師にした句会ライブが先日、帝塚山学院大学狭山キャンパスで開

かれ、吟行部会の有志4人が参加しました。
 人気は今や全国区とあって、会場は一般と学生計300

人で満員。彼女の「追っかけ」と思われる女性軍団も。テレビでは舌鋒鋭く迫りますが、この日はユー

モアをたっぷり盛り込み、笑顔を振りまきながら2時間、熱演しました。


 俳句の基本的な作り方として「最初に季語を除く12音を考えて、フレーズを整え、最後にそれに合

う5音の季語をくっつける」と説明。それを頭に入れて、全員が1句ずつ提出しました。驚いたのは、

彼女がそれを選んでいくスピードです。10分もかからずに、300句を振り分けていきます。
最終

的に特選5句、入選約20句を選句。特選では作者との対話を交えて、作品解説を行いました。なお、

その特選に筆者のものも入りましたので、恥ずかしい次第ですが、紹介させていただきます。今年の正

倉院展で展示された天平時代の「大幡残欠」に鮮やかな黄色が残っていたことを表現したものです。


 石蕗(つは)の黄や正倉院の大き裂(きれ)


 なお、余談ですが、彼女は来年度から同大学の客員教授に就任するそうです。

                                    (文責・渡口 行雄)







第61回吟行会  

月  日 : 2016年11月19日(第3土曜日)

場 所  :  
河内長野観心寺

参加者 :  13 名 

当日の選句は次の通り

・待ちわびしスーパームーンは時雨けり   眠童

・冬日向窓辺に寄りて本を読む        尚文

・さりげなく立冬ひと日過ぎにけり       西川

・立冬やそろりそろりと老夫婦         松薗

・歩くこと考えること時雨道           ゆう一

・茅葺きの苔も落ち葉に隠れたり       たけみつ

・深々と時雨吸込む苔の庭          洋々志

・立冬や年の早さに老いの坂         早苗

・薪の火や揺るる火かげと冬籠もり     まさこ

・立冬や干して真白き隼人瓜         ゆき雄

・口切りや照葉集いて茶事祝う        宗孝

・庭掃除落ち葉の山にまたひらり       あきこ

・箒とめ落葉一枚陽にかざす         みえこ

当日句

・如意輪に逢ひたさ募るしぐれ寺       ゆき雄

  境内の紅葉は素晴らしかったです。

  

 







第60回吟行会  

月  日 : 2016年10月15日(第3土曜日)

場 所  :  和歌山県かつらぎ町  天野の里、丹生都比売神社。

参加者 :  12名 

選句結果

  柿穫りてズボンで拭いてかじりけり      智勲

  流れ雲暫し休息秋思かな            尚文

  土壁の塀に安らふ蜻蛉かな          粋泉

  マンションへ吹き抜ける風刈田道       松薗

  ぬすびとはぎ可愛い花が招く罠        ゆう一

  赤蜻蛉一列ならび道しるべ          たけみつ

  光る穂が風に波立つ群れススキ       洋々志

  久しぶり気持ち浮かれて野分晴れ      早苗

  手をつなぎたき人遠く芒生う          まさこ

  兵馬俑眉毛の先に秋思あり          ゆき雄

  こぼれ萩音も立てずに風さみし        みえこ

  叱る親すり抜け孫は蜻蛉追う          眠童

 当日句選句

  本殿の朱の色映えて秋うらら          ゆう一

   
 

     







第59回吟行会  

月  日 : 2016年9月17日(第3土曜日)

場 所  :  伏見稲荷大社と石峰寺

参加者 :  12名 

  外国人に人気ナンバーワンの観光地、伏見稲荷大社に行きました。境内は1番鳥居、拝殿、本殿、

千本鳥居と朱色に染まっています。その後石峰寺に行きました。庭には秋の草花(女郎花、萩、紫式

部、杜鵑草など)が咲き、裏山に五百羅漢があります。画家伊藤若冲が下絵を描きました。とても蒸

し暑い日でしたが五百数体の石像は長年の風化により表情、姿態が一段と趣を深め、安らぎを覚えま

した。

          

当日の選句は次の通り

・仏壇に香り残して下げる桃       眠童

・日の出前向かう畑の残暑かな     尚文

・遠花火踵を返す背に打つ       西川

・初盆やなむなむなむと小さな手    松園

・橅林光やわらか秋の空         ゆう一

・霧深し妖怪どもの舞台あり       たけみつ

・稔る田に赤い帯締め彼岸花      洋々志

・霧雨で見えぬ大山さがす旅      早苗

・秋茄子の漬かりて紫紺の香り満ち  まさこ

・朝顔や高架の下をほしいまま     ゆき雄

・リオ五輪世界は一つ花火の輪    あきこ

・孫帰る残暑の一服静かなり      みえこ

当日句

千の朱を秋風ぬける伏見かな     西川

                 石峰寺竜宮門前にて
   







第58回吟行会  

月  日 : 2016年7月16日(第3土曜日)

場 所  :  伊丹市の柿衞(かきもり)文庫、旧石橋家、旧岡田家住宅

参加者 :  12名 投稿参加者  


  俳諧資料の収集で知られる柿衞文庫では、ちょうど特別展「芭蕉」が開かれており、学芸員の説明を

聞きながら、新しく見つかった芭蕉の直筆などを鑑賞。俳聖に刺激されて、皆さん、今後の精進を誓っ

ておられたようでした。 古民家の旧石橋家や酒蔵の旧岡田家は、豪壮そのもの。天井には巨大な梁が

走り、炎天とも無縁で、快適な空間でした。食事は白雪酒造直営の「長寿蔵」で。地ビールや冷酒が

進みすぎて、「えっ、句会をやるの」との声も聞かれました。

当日の選句は次の通り

・雨すだれあがりて蝉の合唱団     眠童

・眩しいと日射に叫ぶ初夏の朝     智勲

・夕焼けをしばし止まりて眺めけり   尚文

・端居して旅路の端をふと思う     西川

・バーミヤン仏毀(こぼ)たれ夕焼けぬ 松


・土用干し染まりし梅のやわらかさ   ゆう一


・夕焼けの雲の色布身にまとう    たけみつ


・池面刷く驟雨に惑うアメンボウ    洋々志


・くちなしの匂ひ誘われ回り道     早苗


・空蝉や樹皮にすずなり天仰ぐ     まさこ

・尾根を越え谷を渡りて蝉時雨     ゆき雄


・手をとめて端居する我日に幾度    宗孝


・雲の峰一人登りし夫逝く       あきこ


・愛犬ののびたる姿夕端居       みえこ


当日句


・ビール飲み酒倉楽し句会かな     尚文



柿衛文庫前にて 







第57回吟行会  

月  日 : 2016年6月18日(第3土曜日)

場 所  :  松伯美術館、大和文華館(近鉄奈良線学園前駅)

参加者 :  9名   

  松伯美術館は、上村松園、松篁、敦之三代の作品を持つ、建物も庭園も美しい、小さな個人美術館で

す。自然や女性の美しさに心打たれ、日本画の魅力を堪能してきました。大和文華館は、美術と自然の

調和をテーマとする東洋美術の専門館、今回は、涼を呼ぶ美術 ー滝・鯉・龍ー の企画展中でした。


当日の選句は下記の通り。

・大輪の紫陽花開く小道かな     眠童

・朝日浴び苺摘み取り急ぎ足     尚文

・枇杷の種口よりつるりぽろり落ち  西川

・女さす男もささん日傘かな      松薗

・平安宮栄華を映す花菖蒲      ゆう一

・雲競う山を蔽いし日傘かな      たけみつ

・初枇杷の黄金のうぶ毛掌に優し  洋々志

・苗代田ながめながめのバスの旅  早苗

・うら木戸の下駄と十薬月に照り   まさこ

・花菖蒲しぶきに映える雨の中     あきこ

・夏衣ペダルも軽く走りゆく       みえこ

当日句

・時間待ち揺れてたなびく額紫陽花  尚文

・梅雨晴れや豊かな絵画三世代   早苗

 
       







第56回吟行会  

月  日 : 2016年5月21日(第3土曜日)

場 所  :  富田林寺内町

参加者 :  12名  

寺内町は17世紀中頃から明治にかけての町家が多く旧杉山家住宅、仲村家住宅など文化財としての価

値の高いものが多く町そのものが日本の優れた文化遺産として保存地区に選定されて
いる。天気も良く

ボランティガイドの説明を聞きながら吟行。じないまち交流館で句会。

当日の選句は下記の通り

銀色に新玉葱が光る朝        眠童

絵筆持ち描くキャンパス夏浅し    智勲

武具飾り部屋の賑わい初端午     粋泉

この晴れ日しばし留めん夏浅し    松薗

老鶯が呼び掛けて来る町の角     ゆう一

かぶと折るほっぺふくらむ端午の日  たけみつ

被災地の便りは未だ春ならず     洋々志

川風に吹かれて嬉し鯉のぼり     早苗

桐の花ひときわ高し何ゆゑに     まさこ

山路ふみ仰ぎて見れば桐の花     宗孝

手土産の新茶に弾むクラス会     あきこ

山裾に色重ねたり桐の花       みえこ

当日句

夏陽受け商家の誇り寺内町      ゆう一

うけつがれ大黒柱に衆の汗      宗孝

 







第55回吟行会  
月  日 : 2016年4月16日(第3土曜日)

場 所  :  夕陽丘・新世界

参加者 : 14名   

  暖かな春の一日。天王寺界隈の古刹、愛染かつらで有名な「愛染さん」から 阪神タイガースの守り

神「駒猫」がある「大江神社}へ、神社横の「愛染坂」を下って、残る天王寺七坂(清水坂、天神坂)

を散策。道端では藤が満開。その後真田幸村ゆかりの「安居神社」「茶臼山」に立ち寄り、新世界へ。

ジャンジャン横丁を通り、句会会場へと意趣に富んだ吟行となりました。お昼は串カツ御膳で軽く乾杯

。選句会に続き、俳句の基本の勉強会などと皆さん頑張りました。


当日の選句は下記の通り。

茅葺の屋根に花びら吉野山    眠童 

新婦持つ甘い香りのスイトピー  知勲 

花冷えや畑の花も萎みけり    尚文 

囀りの恋歌を拾い里歩き     粋泉 

うたた寝の醒むれば外は花吹雪  松薗 

花散るや古木堂々存在す     ゆう一 

手を上げて遠足の子ら足かろく  竹中 

濡れ光る若葉震わす滝しぶき   洋々志 

春の雲乗っていきたい夢の国   早苗 

春眠の雨戸あくるや鳥の発つ   まさこ  

瀬戸内の小島のえくぼ山桜    ゆき雄 

うたに乗せ何を祈ろう春の雲   宗孝  

ふるさとの母の笑顔や春の雲   あきこ 

春の雲あれは羊と指し行く子   みえこ 

当日句 

幸村の果てし社に桃一枝     洋々志さ


 
       







第54回吟行会  
月  日 : 2016年3月19日(第3土曜日)

場 所  :  和歌山城(和歌山市)

参加者 : 12名、投句1名   

   心配した天気も雨が上がり、全員予定通り、和歌山城下に集合。ボランティアガイドの小畑さんの

案内で、わかやま歴史観、天守閣を見学し、わかやまの歴史を学ぶ。桜まつりのぼんぼりも吊るされ、

開花直前のお城の公園や庭園をを散策して2時間たっぷり和歌山城を堪能した。お腹も空き、吉宗公ゆ

かりの名庭園がある「あおい茶寮」で「不増不減」のおもてなし料理に満腹。まさに花よりだんごでし

た。後で気が付き、美しい由緒あるお庭を拝見。そして句会となる。。


当日の選句は以下の通り。

古里に学舎もなく寒椿      眠童 

朝雲は薄氷なりし空模様     知勲 

水温む収穫めざし草むしり    尚文 

青丹よしならまち照らす花ミモザ 松園

我一人山の斜面は長閑なり    ゆう一

雛仕舞い遅れし我が家孫二歳   洋々志 

幼き日土手で遊んだよもぎ摘み  早苗 

蛤の汁に孫娘の眼揺るる宵    まさこ 

モネ展の余韻の中や蓬餅     ゆき雄 

松風に魚紋の九谷水温む     宗孝 

バス降りてふと足元のいぬふぐり あきこ 

甍越し風の色染めミモザ咲く   みえこ 

草餅の味も然るもの色も良し   粋泉  

当日句 

雨上がりしずくの中に春宿る   洋々志 

虎伏に紅差す椿てまりうた    宗孝 

 








第53回吟行会  ならまち巡り

月  日 :
 2016年2月20日(第3土曜日)

参加者 : 11名   

   雨が激しくならないかと心配しながらの吟行でした。幸い帰るまで、小雨程度ですみました。ボランティアガイドの

案内で「ならまち」を巡りました。「格子の家」では、東大寺二月堂のお水取りに使った松明が飾られていました。はか

らずも、ここで松明にまつわる話を、ガイドの人に聞くことができました。句会は奈良市音声館(おんじょうかん)の会

議室で、ゆっくりとできました。


 メンバーのベスト句は次の通りです。  

  これからと思う心に春浅し    智勲 

  山里の廃屋囲む梅五本     松薗 

  大楠の葉冷たかろう冬の朝   ゆう一 

  寝ぐるみを纏い出を待つ辛夷かな  洋々志  

  辛夷咲く浮き立つ気持ち胸に秘め  早苗 

  花辛夷孤高の白の震えつつ  ゆき雄 

  蕗ひとつ土をもち上ぐ雨水かな  まさこ 

  ゆうき湧く大地と歌う花辛夷  宗孝  

  手を合わせ庭の欅に子の受験  あきこ 

  豆撒きの声も聞かれず鬼笑ふ  みえこ 

  サクラサク電文を手に明日へ立つ  粋泉  

  <当日句の一席>  

  元興寺塔の建ち跡梅さかり  みえこ   

  以上です。次回は、和歌山城です。おたのしみに!







第52回吟行会  
月  日 : 2016年1月16日(第3土曜日)

場 所  :  堺北中部  阪堺線沿い史跡

参加者 : 13名   

  当日は快晴、最高の天気に恵まれ、参加13名とほぼ全員出席。ボランティアガイドの案内により南

海高野線、浅香山駅から阪堺線沿い
史跡(清学院、山口家住宅、本願寺堺別院、妙国寺)を歩き、大仙

公園にて昼食、句会。盛会に終了した。


当日の選句は以下の通り。


ささやかに注連飾りして明日を待つ    眠童     
初夢を秘めて笑いし過ぎし事       智勲     
書初めに我家賑やか孫の声        尚文     
古里はここと決めたり日向ぼこ      松薗     
冬枯れや小さき草にいぶきあり     ゆう一     
様々な申を連れ来る賀状かな      洋々志     
食べた餅数えたころが懐かしい      早苗     
冬木の芽光を纏い天を突く       まさこ     
老いの家やほんの二寸の鏡餅      ゆき雄     
梅一枝思いのままや招く福        宗孝     
文庫本開いたままの日向ぼこ      あきこ     
腹を出し路傍の猫も日向ぼこ      みえこ     
冬枯れにふわふわまるし雀かな      粋泉   

当日句     

南蛮に今も夢馳せ小正月        ゆう一

 
       







第51回吟行会  
月  日 : 2015年12月19日(第3土曜日)

場 所  :  岸和田城近郊(台車記念館・岸和田城)

参加者 : 12名   

  一年最後の月で・・寒さ覚悟していましたが幸い当日は天候は良く晴れ・風もなく暖冬でしたので 会員一同12名楽しく
散策できました。その後選句と忘年会を兼ねて岸和田城お堀の側の「がんこ五風荘」楽しいひと時を楽しできました。


句は以下に列記いたいます
 


 木枯や空家が増えた街を抜け        眼童 

 風に舞い落ちて踏まれし落葉かな      智勲
 

 町歩き葉刈りの音よ師走かな         尚文 

 母偲ぶ読経線香冬の京            松薗
  

 若き子ら歓声我に春を呼ぶ          ゆう一
  

 熱燗を喉で味わう至福どき          洋々志

 枯れ葉舞う山の辺の道静かなり       早苗  

 木枯らしの果てはあるのか山遠し      まさこ
 

 マフラーをまちこ巻きする老夫人       宗考  

 熱燗や亡夫の笑顔目に浮かぶ        あきこ 

 マフラーに顔を埋めて君想う         みえこ
  

 木枯らしに面と向かいて闘志湧く      よしお   


当日句(今回は2句選句でした)  


 覚めやらず祭りの熱気冬の街        あきこ 
 

 だんじりの岸城の社冬寒し          洋々志   
 
       






第50回吟行会  和歌山県九度山町

月  日 :
 2015年11月21日(第3土曜日)

参加者 : 10名   投句2人

  週末に雨が続いており、心配していましたが、この日は好天。 南海高野線も、高野山への行楽客を中心にほぼ満員、

九度山駅でも 沢山降りました。  目指す柿山までは、別の団体と同行。うまそうに色づいた大きな富有柿を見ながら散策

約40分。 一面柿だらけでした。既に採り終えたのは「ひらたね柿」で葉は紅葉真っ盛り。  柿農家のご主人に「柿ジュー

ス」の作り方を教えていただいたり、採りたての柿をお土産に頂きました。 昼食は、「おやつの時間」という店で、九度山産

の食材で作った「九度山ランチ」、 もちろん柿の葉寿司が付いていました。 引き続きここで選句。帰りに駅まで持ってきて

いただいた差し入れの柿を頂き、柿まみれで帰路につきました。

選句

   手間かけずひっそりと咲く菊もあり    眠童

   別れ際風吹き来たりて落葉舞い     智勲

   落葉踏み独り訪ねる古刹かな      尚文

   廃屋の柿の実たわわ夕日差す      松薗

   大輪に育てる愛や菊花展         ゆう一

   遠き友今年も届く菊便り          洋々志

   移りゆく刻(とき)の早さや秋の風     早苗

   壁紙は青空高く柿暖簾           まさこ

   落葉たきけむりやさしく野に香る     宗孝

   秋深し木々の谷間に赤き帯        あきこ

   朝びえに色づく柿の赤さかな       みえこ

   朴落葉跨ぐ歩幅を広げけり         粋泉

 







第49回吟行会  斑鳩の里・法隆寺

月  日 :
 2015年10月17日(第3土曜日)

参加者 : 11名   投稿参加者1名

  前日の天気予報では雨が予想されていたのに、とても良いお天気、古都の空気、古い文化財の薫りを、存分に味わって

来ました。 ボランティアガイドさんに、歴史や、建造物、仏像などの詳細な解説をいただきました。知らなかった事実を知る

ことにわくわく しながらの見学、参拝となりました。句を詠むことを忘れてしまいそうでした。 時間の予定が2時間半を超

え、足元も疲れて、法隆寺iセンターに戻り、斑鳩茶房にて、食事と句会でした

選出句は次の通り  

・タクト振る瞬時の
(しじま)良夜かな  眠童  

・願い事高く思えば秋晴れる      智勲

・木漏れ日に足元照らす野菊かな   尚文

・家売りて父祖の地遠し秋の暮れ   松園  (投句)

・濡縁を素足で歩く薄紅葉        ゆう一

・翅休め怠げ
(だるげ)蜜吸う秋の蝶    洋々志

・秋刀魚焼く母の背中に 老いを見る  早苗

・秋刀魚焼くあぶらの荒ぶ火の音や  まさこ

・名水の水無瀬の杜の茸かな      ゆき雄

・窓開けて風とおはいり金木犀     宋孝

・ぐい呑みに演歌聴きつつ焼き秋刀魚 あきこ

・床の間の野菊一輪部屋明かり     みえこ 


当日選句は次の通り 

・秋曇り松の参道法隆寺          ゆう一







第48回吟行会  利休のふるさと堺(大阪府堺市)


月  日 : 2015年9月19日(第3土曜日)

参加者 : 8名   投稿参加者3名

  「秋高し」という感じの好天に恵まれ、堺の中心部を散策。観光ボランティアガイドの案内で「八方にらみの

龍」で有名な南宗寺、郷土の偉人・千利休と与謝野晶子の世界を学べる「さかい利晶の杜」、さらに山之口商店

街や開口神社なども巡って、中世の自由都市・堺に対する理解を深めた。午後からは
市役所21階の展望喫茶で句

会を開いた。

選出句は次の通り

また来ると孫のなぐさめ晩夏かな  眠童
早秋の山雲を見し墨絵なり     智勲
母の逝くごうごうと鳴る野分かな  松薗
あれほどの猛暑も何処秋彼岸    ゆう一
原爆忌祈る少女は凛として     洋々志
秋草や出番が来たと輝けり     早苗
秋彼岸柄杓に入り日赤々と     まさこ
まさに貴腐ドイツワインの夜長かな ゆき雄
獺祭忌まねからすすむはいくみち  宗孝
秋草や摘みて供えて語りかけ    あきこ
秋彼岸つなぐ心に紫煙立つ     みえこ 

当日選句は次の通り
彼岸花赤々ともえ晶子色      あきこ







第47回吟行会  五條新町、天誅組史跡(奈良県五條市)


月  日 : 2015年7月18日(第3土曜日)

参加者 : 9名   投稿参加者1名

  台風の影響で前日まで大雨警報が発令されており、荒天が心配されたが、晴れ女(男?)の祈りが実り、台風

一過の好天に恵まれた。国の重要伝統的建造物群保存地区にある「栗山家住宅」などの古民家や、戦争で工事が

中断された「五新鉄道」跡、明治維新のさきがけとなった「天誅組」の史料を展示した民俗資料館を見学。中世

から近世までの我が国の激動の歴史に思いをはせた。午後から古民家「まちなみ伝承館」で句会を開いた

選出句は次の通り

羅や肌にやさしい風抜ける     眠童
板の間に座りたがるや夏の客    松薗
うし蛙木魚にあわせ読経する    河田
絽が似合う媼が急ぐ雨上がり    洋々志
衣更え学生たちで知る季節     早苗
高速路駆くれば雷視界裂く     まさこ(投句)
日盛の墓地の供花は足湯かな    ゆき雄
母の綺羅道行となり守られし    宗孝
軍服の紙魚の写真や何語る     あきこ
過ぎし日のヘッセの紙魚に夢かさね みえこ


当日選句は次の通り

夢のせるあつきまぼろし五新線   みえこ

   







第46回吟行会  杭全神社、平野町散策


月  日 : 2015年6月20日 (第3土曜日)

参加人員 : 11名 

  梅雨の晴れ間で、暑さも適当な散策日和。先ずは「大楠」と「夏祭り」で有名な、杭全神社に参拝し,俳句上達をお願いする。続いて、

府内最大の本堂の大念佛寺、蓮と駄菓子の博物館がある「おもろい寺」全興寺などを巡る。さすがに庶民の街の平野は、三味線の音が

裏路地まで聞こえ、古い格子戸の街並みが私たちを魅了する。選句会場は加美駅裏の「がんこ平野郷」。和気藹々で選句に興じる。
 各人の選出句は次の通り

・伊勢路行く窓一杯に植田かな   眠童
 

・網戸越し家の灯火風情あり    智勲 

畑より急ぎて帰る初茄子          尚文
  

自転車と風切る少女夏帽子        松園
  

紫陽花のぼんぼり揺れて花あかり   河田  

黴燻る御堂に古き佛たち          洋々志 

くつ音や幾多の巨樹と苔のみづ    まさこ 

大植田汽車の音まで映しけり      ゆき雄  

夏衣所作涼やかに一服の茶       宗孝  

潮風にどこまで逃げる夏帽子      あきこ 

つばさげて想いをかくす夏帽子     みえこ 


当日選句   下校時にお帰りの声夏の街   松園
   







45回吟行会  和泉野巡り(久保惣美術館、松尾寺) 


月  日 : 2015年5月16日(第3土曜日)

参加者 : 参加者10名 投稿参加

  前線通過の影響で、あいにくの雨の中、和泉中央を出発。しかし、出発と同時に小雨となり、しっとりとした吟行となりました。久保

惣美術館では、書画、絵画、工芸品等を鑑賞、緑あふれる庭園や茶室を見学、しばし文化美にひたれました。天台宗松尾寺では、高

岡住職のご厚意で金堂内を見学、拝観、丁寧な講話を拝聴、佛の妙智を感得しました。その後、当日の句会の場所「心庵」へ。

 

選出句は次の通り。
  • 行く春や搭乗口へ急ぐ孫       眠童 
  • 校門の鮮やか模様余花の雨     尚文  
  • 緑陰を天蓋として首堂        たけし  
  • 當麻寺傘の内なる牡丹かな     松薗   
  • 百八の石段の上夏木立       河田  
  • いにしえの大和のみやこ風薫る   早苗  
  • 独り来て鄙の道はた忍冬      まさこ  
  • 薫風や和服の妻の洗ひ髪     ゆき雄  
  • 風薫る雲井の鶴に雅坐す     宗孝  
  • 色あせておよぐ鯉にも風薫る   みえこ 
  • 投句   サングラス眩しき君と初デート  あきこ 
  • 当日選句  新緑の門をくぐりて講話かな   眠童





44回吟行会  住吉大社界隈


月  日 : 2015年4月18日(第3土曜日)

参加者 : 10 名

  418,快晴の中、新加入の仲間3人も参加して、住吉大社界隈をボランティア・ガイドの説明

を受けながら巡りました。 住吉大社は、古代から住吉津に出入りする船の守り神をまつる神社でし

た。江戸時代、紀州の豪商紀伊国屋文左衛門の奉納したという帆柱が、今も保存されていました。


市民交流センターでの句会の結果は次の通りです。

  • 八重桜滴の下を通り抜け        眠童    
  • 婆様の葉っぱビジネス山笑う     たけし       
  • 山笑う地蔵に告げし子の慶事     松薗    
  • 岸辺打つ波の軽さや春の音      河田祐一
  • 行く春が賑ぐ庭を残しけり       洋々志
  • 行く春や人それぞれに詩があり    早苗
  • 飯蛸とふき炊き合わせ亡夫と飲む  まさこ
  • 疎水行く船は分けゆく花吹雪     ゆき雄
  • 初体験俳句詠む我若緑        あきこ
  • むかいみて気持ちほっこり山笑う  今井孝江            (見学は参加。句会は句のみの参加。)

  (当日句)  十三の仏見守る熊野街道   洋々志 

  今回から、当日句のみは、参加者全員の出句から
     一句選ぶことにしました。  

   







43回吟行会  大阪城梅林


月  日 : 2015年3月21日(第3土曜日)

参加者 : 8名

  本日は天候に恵まれ、大阪城梅林にて格好の俳句日和でした  南東入口の桜は満開 植木市が

並び薀蓄が洩れてくる 石垣は草萌え 
濠には残っているのか 残されてしまったのか 春の鴨がそ

こそこ 又大阪城リレーマラソン本日開催  さすがに梅林は遅咲の摩耶紅などを除き いわば

後期高齢者の様子だったが 香が残りそれなりの風情であった


 俳句の選考結果は次のとおり

 眠童    お返しは四人別々ホワイトデー  
  
 たけし     声届く限りを目途(もく と)揚げ雲雀  
 
 松園  
   山焼いて植えし檜よ父は亡し 
 
 はるこ     草も木も芽立ち支度に雨やさし  

 洋々志    好美(はおめい)大阪城は梅の中  

 早苗      石垣に歴史刻みし春の風   

 ゆき雄     蒲公英を汁に散らして祝い膳      

 河田      蒲公英の満面の笑み
青空へ
   







42回吟行会  竜王渓


月  日 : 2015年2月21日(第3土曜日)

参加者 : 10名投稿参加1名) 

  本日は天候に恵まれ、格好のハイキング且つ俳句日和でした 清らかで豊富な水と、碧帯びた岩

が織りなす竜王渓の素晴らしい景観を観察 且つ堪能 地元の人の、温かいおもてなしのサプライズ

に感激 帰りには、土産を頂きました。



 俳句の選考結果は次のとおりでした。

眠童   雪高野赤い帽子の地蔵尊 
 

智勲     川清く山の枯木や天を刺す
  

尚文     裏庭に薄氷張りて孫の声
  

たけし    ミモザ咲く坂の町なる異人館  

はるこ    潮騒をてのひらに聞くさくら貝
  

紀々     山焼きの飛び火し給ふ吾と君に 

洋々志    近づけばミモザと見紛う娘あり  

早苗     お洒落して出かけてみたい春便り  

ゆき雄    薄氷のやうな逢瀬のありし時 

河田     寒晴や枝さしかわす命みる 

野中     蕾つく木立に透けて余寒あり

   







41回吟行会  大蓮池公園・桜井神社


月  日 : 2015年1月17日(第3土曜日)

参加者 : 10名投稿参加1名) 

  寒中ながら比較的にしのぎよい日差しの中、大蓮池に遊ぶキンクロハジロ・カルガモ・ヒドリガモなど観察しながら片蔵

の桜井神社へ。国宝拝殿や境内を散策したあと堺・青少年の家へ。昼食をとり、午後会議室を借りて句会を開きました。

外では雪が舞っていました。

 
  選出句は次のとおりです。  

虎落笛背中伸ばせと妻の声      眠童 

鍋の中分けてとる者すくう者     智勲 


着膨れて国宝眺め立ち尽くす         尚文  

外国(とのくに)に住めど雑炊捨てうるや     たけし

空冴えて北斗七星掌の上に      はるこ

星冴ゆるはやぶさ
(ツー)に思ひ馳せ    紀々

雑炊で終りを告げる宴かな      早苗  

冴ゆる夜はわが獺祭の地酒かな    ゆき雄

朝日さし白壁に枝冴ゆる       河田祐一


そっと添う手袋の上のもどかしさ   野中 

投句  月凍る家路に急ぐ宴帰り       洋々志

   







40回吟行会  大阪北浜界隈


月  日 : 2014年12月20日(第3土曜日)

参加者 : 10名 

   師走の1日、「近代大阪の源流を探る」をテーマに、レトロな建物が残る大阪の中心部の北浜を歩きました。最初は国

重文の「小西家住宅」(旧小西儀助商店社屋)を外から見てから、「神農さん」で知られる少彦名神社で健康を祈願。その

境内の「くすりの道修町資料館」では江戸時代から薬の町として栄え、今に息づく道修町の営みと歩みを探りました。福沢

諭吉ら多くの有為の人材を輩出した「適塾」(国重文)では蘭学・医学の貴重な資料に目を通して、激動の幕末に思いを馳

せました。最後に明治
34年に船場商人が建てて、我が国の民間幼児教育のさきがけとなった大阪市立愛殊幼稚園(国重文)

へ。ここも外からの見学でしたが、重厚な木造建築に浪速商人の心意気を感じました。
午後からは難波で忘年会を開き、鍋

の湯気立つ和気あいあいとした雰囲気の中、各人の作品を酒の肴にして、俳句談議に花を咲かせました。

 

   以下が、参加者の選ばれた句です。 (投句2人を含む)。

寒波てふ槍が列島ねらいうち  藤浪眠童
  
枯葉舞う風に誘われ遠回り   智勲   
紅葉散るシャッターチャンス待ちにけり 尚文   
野良帽の掛かる故郷枇杷の花   きた たけし
  
北浜に明治の息吹冬の雨    はるこ  
年甲斐もなくワクワクと年の暮れ  松下洋々志  
何事もなかったように山眠る    早苗  
軋む戸の外にきらりと冬の星    緑風  
ふるさとは潮風受けて枇杷の花   河田祐一  
母に書く太字の葉書年の暮れ    松薗  
母の香とたどりて行けば枇杷の花  紀々  
廃屋に香のみ放つや枇杷の花    ゆき雄 
   







39回吟行会  杉村公園 


月  日 : 2014年11月15日(第3土曜日)

参加人員 : 10

   南海御幸辻駅に10時集合、徒歩にて杉村公園へ、入口近くに橋本市郷土資料館があり入館。展示品は意外と多く見応え

あり。公園内散策。紅葉も見頃で芝生広場では菊花展も開催されていた。ここ数日寒い日が続き、天候が心配だったが当日

は寒さも和らぎ まずまずの好天であった。

      以下当日選ばれた句です。 

ガラス拭き写る我が顔秋深し  緑風 

下り坂落葉の傾斜踏みしめて  智勲 

今日も又おでん食いつつ夢気分 尚文 

奥能登の釜屋の空を波の花   北たけし

庭先に落ち葉積りて人住まず  松薗 

カメラ追うポーズで応ふ七五三 はるこ 

なにげない布団干しに幸みつけ 早苗 

落葉ふむ音聞きたくて落葉踏む 細田紀美代 

カイツブリ波紋の外にまた波紋 松下洋々志 

冬枯れの廃校前に一人佇つ   ゆき雄


   
     
 






38回吟行会  光明池 野鳥の森


月  日 : 2014年10月18日(第3土曜日)

参加者 : 8名(1名投句) 

   秋晴れの快晴のもと少し紅葉の始まった光明皇后ゆかりの池を眺め小鳥の囀りを聞きながらの吟行。 

 公園で昼食をとり、木陰で句会をしました。

   以下が、参加者の選ばれた句です。  

今日もまた俳句作りで夜なべかな   緑風  

母の里笹に巻いたる秋刀魚寿司   智勲 

稲刈って坊主になった棚田かな    尚文  

登り窯ありし斜面や草紅葉      北たけし  

きりもなや母の語りの夜長かな    松薗  

人生や日暮れ燃え立つ草紅葉    細田紀美代  

秋高く届く園児の嬉し声        松下洋々志  

嵐来る二日続きの秋刀魚かな    藤波眠童 

鶏頭やいま一度(ひとたび)の燃ゆる恋 ゆき雄 

母さんの夜なべの歌も遠くなり    早苗

   






37回吟行会  仁徳天皇陵、大仙公園(日本庭園)

月  日 : 2014年9月20日(第3土曜日)

参加者 : 10名

   夏のお休みで、8月は吟行会が無かったためか、会員の皆様は満を持しておられた結果が、過去最多の出席人数の10名参加

につながりました。百舌鳥駅に集合後、仁徳陵では堺市のボランティアガイドさんから詳しい説明を聞きながら、お濠の白鷺も私たち

の目を楽しませてくれました。その後、大仙公園内の日本庭園では、花の少ない時期ではありましたが句材を求めて散策をし、お昼は

御陵前の、カフェレストラン「いろは」の個室で食事をしながら参加者どうしで、選句をしてワイワイガヤガヤと楽しいひと時でした。

 以下が、参加者各人の選ばれた句です。(あいうえお順)  

海岸のベンチにごろり秋の風   緑風  

生きて世に派生感じる秋の風   智勲  

図書館に人集まりし残暑かな   尚文 

なんとなく二面石見る秋思かな  北たけし  

ふと見れば炎数本葉鶏頭     松薗  

初恋の君がいそうな盆おどり   細田紀美代  

薄紅葉眠るが如き堀の水     松下洋々志 

人生の午後を楽しむ風の盆    早苗  

秋彼岸経読む僧の声高し     はるこ  

廃寺が深き秋思の初めなり    ゆき雄

   






36回吟行会  西原公園とスマイルセンター 


月  日 : 2014年7月19日(第3土曜日)

参加者 : 7人参加

   19日の吟行部会は、栂、美木多の西原公園と、スマイルセンターで7名の出席で行いました。暑い中ですが、近場という事

もあって、時間と体力に余裕があり、為になる話が沢山飛び交い、とても勉強になりました。和気あいあいの内に、時は過ぎ、早めの

解散となりました。スマイルセンターを紹介して下さった、水田さん、ありがとうございました。

     それぞれの方の選ばれた句は、下記です。 
  
 子らあそぶ声をも消してせみしぐれ    藤浪眠童   

 夕立に外見る男思案顔           尚文

 蜩と峠下れば母の待つ           松薗

 夕立に足をとられて回り道         水田早苗

 錆色の高炉を覆う夾竹桃          ゆき雄

 山門や片蔭深し石畳             緑風

 水浴びて砂浴びて象片陰へ        たけし

 夾竹桃インド赴任の友想う         洋々志(松下洋介)

 侘住い何はともあれ青簾         紀美代


   
     
 
阪口千壽さん(大阪府下で最初の女性校長先生)の歌碑を見る部員の皆さん  ワルナスビにぶら下がった空蝉 キノコがたくさんありました







35回吟行会  堺観濠クルーズ 


月  日 : 2014年6月21日(第3土曜日)

参加者 : 7人参加、3人投句

   堺の環濠の水は淡水でなく、大阪湾の海水です。鯛、ボラなどが泳いでいます。どぶ川になり、長く放っておかれた環濠が、再生

されてクルーズが出来るまでになっています。船の案内人の軽妙な説明に乗せられているうちに50分のクルーズが終わってしまいまし

た。曇り空で、クルーズには適した天気でした。 句会は昼食をとったファミレスの一室を借り切って、2時間ほど快適に出来ました。

なお、藤浪さんが、元気になられて久しぶりに参加してくださいました。

 
     各人の選考された句は次の通りです。 
  
  緑さす三十坪に子規偲ぶ         緑風        

 薫風や昔なつかし舟めぐり         智勲         

 水替えに動き軽やか金魚かな      尚文       

 炎天や切株の脂透きとほる       たけし            

 山寺を賑わして飛ぶ不如帰      松薗     
 
 炎天や竿竹売りの声遠く       細田紀美代     
 
 川風に利久をしのぶ船遊び     洋々志      

 昼寝して至福の時や定年後     早苗        

 丹精しわがたまねぎは小石大   ゆき雄 

   
     
 
舟に乗り環濠都市”堺”の歴史を聞きました。 たくさんの橋の下を舟は進みました。水は意外に綺麗でした。 濠から旧堺港に出て、日本最古の西洋式灯台を海から眺めました。







34回吟行会  長居公園(大阪市東住吉区)


月  日 : 2014年5月17日(第3土曜日)

参加者 : 8名 

  今年度2回目の部会は、薄暑に恵まれた 10時半過ぎに長居公園 植物園入口前に集合し、自然観察へ進

んだ大池に蓮の葉が育ち初め 隣の菖蒲園には紫の菖蒲 池の縁に杜若 隣接する池に白赤黄三色の睡蓮が

その順に押しあい圧し合い 渓流に沿って 鎌倉うつぎ 谷うつぎ  姫うつぎ など卯の花が咲き残っていた 、牡

丹は終了していたが 芍薬は今を盛りと咲き誇り となりの薔薇園もそれはそれは見事であった  楠よりも背高

の栴檀が園を包むように薄紫に咲いていた  ポプラは己が木の周りを中心に絮を飛ばしていた アカシアは僅か


に花を残していた 野鳥観察の人々がいて啄木鳥が子育てをしているとのことだった。 


 殊に今日は人出が多く 仕方なく木陰で昼食 そして句会へ 事前に準備した句と今日の散策中に創った句を合わせて、一人5句を出句し、メンバーの投票により、各人の『今日の一句』を選んだ 

選句結果は:
薫智    古希過ぎしきらっと人生新緑に   
北たけし  校庭のありし処に若楓 
細田     おきみやげ柱のきずと夏帽子   
水田     新緑にときめき探す散歩道   
行雄     老いてなほ少年の恋青嵐
緑風     緑さす急登(きゅうと)の先の古き寺   
松薗     若葉からイナバウアーの青虫よ    
松下    網棚に一つ残りし夏帽子      
 
今回参加の部員です
             
満開のシャクヤク(芍薬) バラ(薔薇)も満開でした コゲラ(小啄木鳥)の雛





33回吟行会  
錦織公園(富田林市)


月  日 : 2014年4月19日(第3土曜日)

参加者 : 7名 投句参加2名

 今年度初めての部会は、暖かい春日に恵まれて行いました。10時半過ぎに錦織公園に集合し、新メンバーを迎えて自己紹介の後、

散策をしました。
しゃくなげの谷では咲き始めた薄紅色のしゃくなげの花を観賞。つつじの森では咲き始めたつつじの観賞。展望台で

は芽吹き始めた淡い緑と花を残した山桜の絶妙の春の山の
景色を眺めました。河内の里の東屋で昼食をとり、その後句会を行いま

した。
事前に準備した句と今日の散策中に創った句を合わせて、一人5句を出句し、メンバーの投票により、各人の『今日の一句』を

選びました。

 
 選句結果は:
薫智     青春の想ひただよう菜の花や
尚文     菜の花にはなやぐ心古希間近
北たけし  菜の花や海まで続くゴッホの黄
細田     春深し鳴門わかめを買い来たり
水田     春深しローカル線の一人旅
行雄     古寺の甍も隠し春の山
緑風     春落葉踏みて大木仰ぎ見る
松薗     母手術一人待つ身や春の闇
松下     山つつじまだニ三輪熊野道


   咲き誇るタンポポ
     
 
 シャクナゲに見入る部員 春の山 キリシマツツジ






32回吟行会  高取町 (奈良県)

月  日 : 2014年3月15日(第3土曜日)

参加者 : 4名 

 やや風は冷たいものの、光はあふれ、快適な雛めぐりができました。人出も多かったです。 100軒で雛が由緒書きとともに並べられ、

行く先々で我々を迎えてくれました。 高取町は、高取城の城下町として栄え、裕福な商人が雛を多数所有していたようです。雛壇の前

の由緒書きはどれも母と娘の強いきずなを物語っています。

 

         参加者のベストの句は次の通りです。

   揚雲雀目で追う母は車椅子    (緑風)

   田舎道妻に請われて土筆摘む  (尚文)

   高取の格子戸越しの雛<ひいな>かな  (北たけし)

   春光や万物萌えてビバルディ   (松薗)

     
 
川上村の造林王 土倉庄三郎家に所蔵されていたという江戸末期~明治初期に創られた雛 町家に飾られた雛人形 圧巻は、全国各地(各家)から寄贈されたという580体の雛人形






31回吟行会  花の文化園河内長野市)

月  日 : 2014年2月22日(第4土曜日)

参加者 : 3名 投句参加 

  当月第3土曜日は降雪の為一週間延期した 11時半に花の文化園集合 それまでに当日句作成 テラコッタドールの歓迎を受け入

場  園内には 春を待ちきれぬように 満作 連翹 クリスマスローズ 節分草 水仙 クロッカス  パンジー 等 が咲き、 牡丹の芽

が膨らみ始め、遅れじと蕗の薹も芽をだし、 水琴窟の隣には侘助(椿)が綻び、 その奥の梅林にはあちこちに春炬燵が設けられ今日

は観梅者が殊に多かった、レストラン近く展示の盆梅を観賞 昼食とりながら句会へと進めた  それぞれ良い句が多かったと思ふ

   その選句結果は:
北たけし  連翹(れんぎょう)の咲きて河内に風ゆるむ 
緑風     下萌の湖畔の田面(たづら)鳥遊ぶ
勲智     寒中の緑地散策茶が招く
松薗     昼霞母の言の葉漂ひぬ

  投句者
はるこ    青春に戻りたくなる賀状あり
尚文   山里に梅ほころびて静かなり

       
 
ロウバイ(蠟梅) 原種スイセンの仲間 ネコヤナギ
         
マンサク(満作)    レンギョウ(連翹)    セツブンソウ(節分草) 





30回吟行会  大仙公園 (堺市)

月  日 : 2014年1月18日(第3土曜日)

参加者 : 5名 投句参加1名 

 低温予報の寒空の中、10時にJR百舌鳥駅に集合。仁徳天皇陵の周遊道路を歩いて大仙公園に向かった。公園内の堺市茶室に行き、今井宗久ゆかりの黄梅庵(おうばいあん)を見学、そして、昭和初期に名匠が建てた伸庵(しんあん)の立礼席(りゅうれいせき)で抹茶をいただいた。次に日本庭園に行った冬枯れの庭園を、椿、梅、桃、桜、菖蒲などが咲き誇る景色を想像しながら、廻遊した。そして、休憩所で一句をひねり出した後、近くの暖かいパスタ・ピザ店で昼食を食べながら選句会を行った。昼食後、近くの履仲天皇陵に行き、鴛鴦(オシドリ)の群れ(約70羽)を見学して帰った。

   選句結果は:
北たけし  遠慮なく鼾かく豚四温かな
はるこ    青春に戻りたくなる賀状あり
緑風     水仙の香りを活けて客を待つ
勲智     寒中の緑地散策茶が招く
尚文     冬枯や新芽含(ふふ)みて静かなり
松薗     一人去り二人去りして松過ぎぬ

     
 
黄梅庵の見学 冬枯れの庭園散策 履仲天皇陵の鴛鴦




29回吟行会  今井町 (橿原市)

月  日 : 2013年12月21日(第3土曜日)

参加者 : 5名 

 
 時雨もようの寒さの中、シニア5人、今井町の街並みをガイド付きで、元気に散策しました。江戸時代前期と後期の古民家2軒を見学

しました。住居として使いながら、古い家を維持していくのは、相当の苦労があるだろうなと感じました。今放送されているNHK朝の連続

ドラマ「ごちそうさん」で、今井町の町屋や街並みが時々映っています。今井町の古民家を活用したカフェレストランで昼食をとり、句会を

しました。

   各人の選出句は以下の通りです。

     実万両利休好みの敷松葉(しきまつば)    緑風
     完治せぬ我身忘れて年賀書く       勲智
     茶房の灯はやともりけり冬の雨      北たけし
     鮟鱇(あんこう)の売り場に並び大あくび    松薗
     切り紙で障子つくろう笑い声         はるこ
 

     
 
   江戸時代後期の商家の書院      格子が美しい軒先      今に続いている造り酒屋 




第28回吟行会  
延命寺(河内長野市)

月  日 : 2013年11月16(第3土曜日)

参加者 : 4名 

  本日は小春日和  延命寺へ吟行にでかけた。  幸運にもガイドの説明を受けて境内を一巡りできた。 延命寺は空海が始祖で後

に浄厳が薬樹山延命寺と改めた経緯がある紅葉の名刹である。 今年は紅葉がやや遅れているが、特に樹齢千年の夕照楓紅葉は天

然記念物である。 幹の根本には、おおきな洞があり苔が覆う。 すぐ隣の蓮池にある銀杏の大樹も見事である。 銀杏大樹は全部で三

本、長命の樹であり延命寺に相応しい。無風にもかかわらず銀杏は散り急ぎ散り敷かれていた。 この公園を頂へ登り、ベンチに陣取り

昼食を取ってから吟行会へと進めた。 ところどころに 山茶花が零れ 石蕗の莟が膨らみ少なくなった茶の花を少なくなった冬の蜂が

求め、石仏の後に南天の実の朱が鮮やかだった。それなりに味わいのある俳句が多数あったと思う。  

選句結果は;

緑風    激(たぎ)つ瀬に沈みのち浮く紅葉かな 
北たけし  人声にしきりに落つる銀杏かな 
松薗    小春日や母に昔が(よみがえ)り 
はるこ   山茶花は笑い声にも花散らす
 

                     
 
       集合写真       延命寺山門       石仏と紅葉




第27回吟行会  大泉緑地 (堺市)

月  日 : 2013年10月19日(第3土曜日)

参加者 : 5名 投稿参加1名

  秋雨が降り少し肌寒い中、講座でも何度か行った『大泉緑地』に集まりました。中央休憩所でコースを決め散策しました。

「ふれあいの庭」では秋桜などが咲く花壇を観賞し、枯れ始めた蓮の葉を見、まだ開かず香りのない金木犀の蕾を眺め、鈴玉のように

ぶら下がった落羽松の実を観察し、双子山を経由して楡、欅などに囲まれた広場で昼食を食べました。雨も止み、冷涼な秋の気配を満
喫しました。中央休憩所に戻り喫茶店に入り、一杯のコーヒーで2時間ねばるという昔スタイルの句会を行いました。 

選句結果は;

緑風  秋雨や売り出し中のダウン買う 
勲智  秋雨や池の水面の色変わり  
尚文  秋高し敬老席で応援す  
猛正  ときまさに水草紅葉加呂登池 
松園  秋日和ライスシャワーで嫁ぐ吾子(あこ) 
はるこ 風上に向かいて浮かぶ秋茜
 

                     
 
    「ふれあいの庭」の秋桜       落羽松の実     今回の参加者一同






第26回吟行会 東光院(萩の寺)(豊中市)

月  日 : 2013年9月21日(第3土曜日)

参加者 : 5名 投稿参加1名

  秋の花『萩の花』を観賞するため萩の寺と言われている『東光院』(豊中市)に行きました。街中の小さなお寺ですが、境内を埋め尽く

すように萩が植えられ、紫紅色の花はほぼ満開、白色の花は6分咲きの見事な花でした。この日は『萩まつり』が開催されており、献笛・

筝曲奉納の時間に遭遇し、尺八・箏(コト)の優雅な音色を観賞することもできました。 
 駅近くのレストランでの昼食後、徒歩20分で服部緑地に行き、涼しい木陰で句会を行いました。 

選句結果は;

緑風  影を踏みゆるりと帰る良夜かな 
勲智  琴の音に静かにゆれる萩しだれ  
尚文  草むしりバッタの親子跳びにけり  
猛正  月揺れて観月舟は棹させり 
はるこ 爽やかに襟足結い上げ母来る
 
松園  遠雷を一人聞きつつ旅の宿 

                     
 
      萩の花の観賞       萩のトンネル   涼しい木陰での句会(服部緑地)






第25回吟行会 富田林 寺内町

月  日 : 2013年7月20日(第3土曜日)

参加者 : 6名 

  室町時代の街並みが残る富田林市の寺内町に吟行会に行きました。ボランティアガイドの若い女性の方に、寺内町を巡りながら、丁寧に説明してもらいました。暑い中を歩き回りましたが、寺内町の街並み保存保存が状態がよくわかりました。昼食後の句会は、無料で寺内町交流館の会議室を借りることができて、ゆっくりと意見交換をすることができました。その句会で選ばれた句は次の通りです。
  
  緑風    白衣まといて水辺半夏生
  勲智    水茄子を裂きて肴にうまき酒 
  尚文    バカンスで人みな競う日焼けかな
  猛正    日焼子の競ひ飲みたる蛇口かな
  松薗    いつの日か空を飛ばむと這う毛虫
  はるこ   土用干し皆が達者でいる願い


 



第24回吟行会 南宗寺

月  日 : 2013年6月15日(第3土曜日)

参加者 : 8名 (内一名は観察参加) 

今回は臨済宗大徳寺派龍興山南宗寺を訪問し、前回同様ボランティアから説明を受けながら、主に下記 1-7観察をすませた。
1 千家一門や三好長慶一族の墓  2 方丈より枯山水を眼前に一分間瞑想  3 澄みきった水琴窟の音  4 実相庵  5 家康の墓  6 仏殿の八方睨みの龍  7 週一実践の禅堂   
 当寺の南門に(でい)が蝶の形赤い花を連ねていた。 この梯梧はインド原産だそうで南門より丈が高く、遠目にはタワシの木の様に見えた。東門入口には万緑の高木の端に、泰山木が笑むように咲いていた。それから、元禄創業開始の「ちく満」で、昼食のそば兼句会を持った空梅雨が続き、喜雨が待たれますが、今日は昨日に比べて まだしのぎやすかった。なお今回6期生の村田治子さんが観察参加された。
    句結果は;(ア順)

緑風  南宗寺梯梧(でいご)の門をくぐりゆく
勲智   紫陽花で学舎(まなびや)の庭思い出と
尚文   急階段(しゃく)眺め一休み
猛正   玫瑰(はまなす)や浜辺に置きし破れ舟
粋泉   床に落つ薔薇一片に吾帰る
松園   青梅や若き写真の(おも)ゆし
眠童  青空や植え初めの苗風に揺れ 





第23回吟行会 浜寺公園バラ庭園

月  日 : 2013年5月18日(第3土曜日)

参加者 : 3名 投稿参加3名

 今回は明治40年(1907年)に建てられたレトロな南海本線浜寺公園駅に集合し、浜寺公園のバラ庭園を散策した。このバラ庭園は段々畑を模した築山にノイバラ、ハマナスなどのバラの原生種が沢山有り、一般的な園芸種中心のバラ園とは一味違う趣向であるところが面白い。ボランティアの説明員さんから、ツル性の観賞用のバラは日本固有種のテリハノイバラが欧州に行き改良された、イギリスで創られたバラは全て匂いが良いなどの話を聞き、バラに対する人間の思い入れの深さも垣間見ることが出来た。
午後は爽やかな初夏の風が吹く食堂のテラスで句会を行った。 

選句結果は;
眠童  麦とろやタンポポ覆う古寺の跡
猛正  ペンギンの三々五々の薄暑かな
緑風  エベレスト望みし丘にラリグラス
    (註)ラリグラスはネパール語で、「赤いシャクナゲ」のことです。
       また、この花はネパール国の国花です。
尚文  新緑や命の証今年又
粋泉  頬なでる風の幾筋薄暑かな
         こでまり
松園  やわらかに小手毬揺れて風通る

                     
 
 ヤマイバラ。日本の野生のバラの中ではつるの長さも葉も最大です。  ハマナス。思わず「知床旅情」を口ずさみました。        これも日本の原生種のバラです。





第22回吟行会 明日香
月  日 : 4月20日  第3土曜日

参加者 : 4名 投稿参加3名

 天気予報では今日は寒さがぶり返すとの事だったが幸運にも快適だった橿原神宮よりバスで万葉文化館へ直行し、万葉集に詠まれた草花などをいろいろ観賞し、河原寺へ移動昼食兼句会となった。 河原寺は大半は壊れ礎石を残すばかりだが、食堂を営んでおり、我々全員が注文した「麦とろ御膳」は結構かった。寺の回りは、晩春の陽光に蒲公英があふれスケッチする人々が多くいた。それから聖徳太子ゆかりの橘寺を訪問、地域の檀家の人たちに色々教えて頂いた橘寺から岡寺駅まで明日香の景色を楽しみながら歩き、帰途についた。

さて本日の選句結果は以下
緑風  ふる里に墓碑作りし日雲雀鳴く
智富  我一人緑地に座るのどかさや
尚文  くろ谷の墓地に一輪桜咲く
猛正  犬小屋の匂はぬ生家花の冷え (福島県飯館)
粋泉  庭見れば脱衣まぶしき(しで)辛夷(こぶし)
松園  退職や行脚の末の花疲れ
眠童  ぼた餅を食って供養の彼岸かなさて

  



第21回吟行会 金戎光明寺 

月  日 : 3月16日

参加者 : 6名 投稿参加1名

 今回は 金戒光明寺 京都を訪問しました。天候に恵まれ よく歩き よく観察し よく歩き 金戒光明寺では飛鳥や天平とは違った平安の伽藍などを見てから吉田山へ登りました そこからの東山の眺望がすばらしいものでした 

さて今回の選句結果は;
緑風  冬温し昭和の跡の森静か
智富  春からと思う体力盛運に
尚文  水温む生き物すべて動きけり
猛正  瀬戸内の島から島へ花菜風
粋泉  古里の億止めなく風光る
松園  春寒や長き廊下を見納めぬ
眠童  大の字を背に風光る吉田山   





第20回吟行会  万博記念公園 

月  日 : 2月16日

参加者 : 5名 投稿参加2名

  日中の気温が4℃、風花の舞う風流にして冴え返る一日でした。公園を入ると大きな太陽の塔が聳える。万博開催(1940年)から既に40数年経過するも当時見た頃となんら変わらないかえってエネルギッシュな新鮮さを感じた。その周辺にメタセコイアが高く林立、枯れ穂がたれ今か今かと春を待つ。大方の落葉樹たちも同じ心境に思えた。 次に足を運んだのは梅林、「梅祭り」の初日で鑑賞者もかなりいた。600本の梅は寒さのためか殆ど開花していない。期待した珍種「朱鷺の舞い」もふっくらと色付いている程度で、蕾鑑賞となった。 足湯に立ち寄り、ソラード(森の空中観察路)を時間をかけて散策。文字どおり緑多い自然文化園を高きより鳥の気分を味わいながら、堪能することが出来た。 最後に、日本庭園へ池の周辺には様々な木々が囲む。特に松の緑の美景や館の正面の枯れた白っぽい雑草が印象に残る。(某俳句会の詠んだ「一亭を額縁として松緑」の句碑も!) 散策すがら、季節花 蝋梅、満作、山茶花等々も見られた。四十雀を目の前で、また、池に潜む薄ピンク色の蛙など見ながら、和気合い合いの内に解散となった。

本日の選句は次の通りです。
猛正   木々の私語もれ聞くごとし木の芽道
緑風   庭先に玉石の如竜の玉
勲富   梅林や暖かさへの通路なり
眠童   白梅や主のいない庭なれど
粋泉   龍翔る襖じゃ狭い天龍寺
尚文   梅の花香を放しつ咲きにけり
松園   雛祭り吾子は三児の母となり

                     
 
     咲き始めた梅(梅林にて)    万博後、40年で出来た人工の自然林(公園内ソラードにて)               日本庭園

 
       堂々たる太陽の塔





第19回吟行会 

月  日 : 1月19日(土)

場  所 : 嵐山・天竜寺散策 

  今回・19回目の吟行は、京都・嵐山に行きました。渡月橋→天龍寺→花の 家(昼食と句会)と巡りました。渡月橋上にある高さ50センチぐらいの小さな街灯は、桂川に設置された小型水力発電機で起こされた電気で灯されています。また、天龍寺の広大な庭の一角は、百花苑と名付けられています。紫陽花が多いですが、全ての花に名札がつけられ、何の花か一目瞭然です。春からの花のシーズンに行ってみたいところです。京都は少し遠いですが、見聞を広めるにはいいところだと思います。冬うらら比叡は遠く座りおり

個々人の俳句です。
         
まはひ
緑風  雪舟寺障子の間白椿
勲富  初春や定期検診五日から
尚文  新年や心新たに誓いごと
猛正  見上ぐれば億兆の点雪襲ふ
          
ひぼし
粋泉  雲の間に天心一星初御空
松薗  大川や水満々と冬鴎
眠童  初景色女房少し若く見え

                     
 
  天龍寺の庭、後ろの山は愛宕山         冬でも瑞々しい天龍寺の庭のコケ       
                     
 
   句会をした「花の家」の庭先にて       花の家の庭の竜の玉(竜のひげ)        





第18回吟行会
 
 

月  日 : 12月15日(土)

場  所 : 中之島(大阪市)

参加者 : 7名 

  今日は朝から曇天で雨が心配されましたが、何とか夕方まで雨は降らず昨日よりも温く、午前中には大阪城中之島めぐりの周遊を終え中之島公園内の冬薔薇を鑑賞しました。夏が季語である薔薇ですが、冬薔薇はいはば壮年に当る夏や晩年に当る秋を経て、老年に当り、冬薔薇の姿には複雑な変化を含んでいるように思われます。周遊では 冬鷗 鴨 千鳥 鶺鴒 などが観察されました

今回の俳人別選句は以下の通りでした。
緑風     散る黄葉流れに乗る葉乗らない葉     
勲富     政事耳を塞ぎて冬籠 
尚文     寒い夜は妻と二人で熱燗よ
猛正     しぐるるや女人高野の石の坂 
粋泉     一枚の日めくり繰りて去年今年
松園     クリスマス子らには子らのクリスマス
僧     ゆっくりと路面電車や師走入り  

                     
 
「造幣局の通り抜け」付近 春来たら綺麗やろな~    意外な建物「大阪砲兵工廠跡」   夜のライトアップを待つ「中之島バラ園」
                     
 
   楽しい風景「冬羽姿のユリカモメ」        今回は全員参加